| ホムンクルス それは人々の夢 ホムンクルス それは人々の欲望 ホムンクルス… それは新たなる可能性 第一話 ジュノー発祥にてジュノー最大の技術。科学、そして化学 ルーンミッドガッツとは違い既存のものとは少し違った技術がこのジュノーには存在する つい最近になるが、アルケミストとセージという二種類の職業が世界的にも認証された その科学と魔法の技術がミッドガッツになかったからなのか、その二つの職業が急激に人気が出てきたのだ それに合わせてとある魔法ととある技術の研究が注目されてきた 『アブラカタブラ』と『ホムンクルス生成』 アブラカタブラは最近発現された魔法でまだまだ不明な部分がある それ以上に不明な部分が多いのがホムンクルス生成だ 簡単に言うならば人工的に作られた人型をした生命体を作り出す技術 アルケミストという職業に就く殆どの者達はホムンクルス生成を夢見ている 何でそこまでしてホムンクルスを作り上げたいのかは解らないが――― 作り上げる事が出来るというならば挑戦をしたくなる、そういうものだろう ただし、成功確率は1/10000… あくまで理論上は生成可能だという数値… 過去に一体、ジュノーで生成されたという噂はあるが――― そんなわけで男ってものは実現困難な事に闘志が燃えるわけで 「今日から始まるんだな…」 その実現困難な事を成し得るにはまずアカデミーで知識を付けるのが手っ取り早いと俺は考えた すなわちアカデミーに入学すればホムンクルスなんぞ簡単に作れる アカデミーにも入学試験は何だこれはってくらい難しかったが、何とか入学出来た 今日から俺の伝説が始まるんだ 「ホムンクルスを生成出来ればきっと世界中からうごふっ!?」 「とっとと校舎に入れブルー、邪魔くさい」 「ひ、人が折角感慨と成功した未来のヴィジョンに陶酔しきってる時に背後からとはっ」 人を簡単に足蹴にしてくれたこの女 近所に住む同い年の女で名前はイリヤ、青ビョウタンひしめくアルケミストの中では珍しい武闘派だ その細身の身体からは想像出来ないような大技が繰り出される時の闘気といったら… 「闘気といったら?」 「あれ!? 俺今声に出てた!?」 「……っ!」 世紀末覇者なんて目じゃない程の闘気なのだ その証拠に… 今俺は、イリヤの蹴りの一撃で空を飛んでいるのだから |