「寒っ」

二人で転がり込むように入ったそこは。

こちらを拒むような頑なさを持っていた。




ぽかぽか





ついこの間まで暑くて暑くて、

半袖でバイクに乗っていても平気なほどだったのに。

ちょっと風が冷たくなってきたかな、とか思うともうこれだ。

どれだけ部屋を暖めていても、どれだけ自分たちが恒温動物だとしても、

冷たいものは、冷たい。

「寒……」

そう呟いて身を縮ませる一条さんを、思い切り、抱きしめる。

前だったら暑い、とか言って怒ってきたのに。

「あったかい?」

「ん…」

あ、いいみたい。

……でもそれって、俺カイロ代わり?

「…何だかなぁ」

「んー?」

抱きしめ返してくれるのが嬉しいから、まあいいけど。







そのうち段々と、溶け込むように触れる布が心地よさを増していく。

あー、あったかいなー……

……って思ったのもつかの間。

「……五代」

「?」

「……暑い」

「…………」



……やっぱり、カイロなのかな。









fin.






「本編がつらい展開になっているので、せめて同人(?)界では激LOVE MODEがいいです」
いただいたお手紙にあったおことばです。
本当つらい時期なんですが(epi.37現在)、つらいからこそ幸せでいて欲しいのです……!!
………というのはまあ言い訳で、
本当にもうお布団が冷たくて驚いた瞬間に出来たお話です(汗)
だからもう短いのなんの(汗)
こうー……暖かそうですよね、五代くんって。





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