「…どうして、君は」 

そんなにも強いのだろう。 

そう思ったのは今から遠い春の日の海。



遥かに見ゆるは近き春



ざあん、と波が浜に寄せ付ける音が静かに響く。 

波が弾ける際を眺めながら、一条はためいきを軽くついた。 

横をちら、と見ると砂浜にごろんと寝転んですやすやと眠り込んでいる雄介の姿が目に入る。 

……蜂のような未確認を雄介が倒して、その後に駆け付けた地元の警察…どうやら逃げた海水浴客が通報したらしい…に実加を預け、

一条はその後寝入ってしまった雄介の傍でぼんやりとしていた。 

本部に早く戻って報告書を書かなくては、とか。 

夏目教授の奥さんに挨拶をしなくては、など思ってはいるのだが………  

この無防備に眠りこける彼を放っておくことも、その眠りを阻害することも一条はしたくなかった。 

……今日もまた、彼は強くなった。 

始めに緑色になったときには混乱していて何も出来なかった彼が、二回目には既にその能力を使いこなし未確認を倒した。 

青になったときだって……燃える教会で赤になったときだって、彼は。 

自らに起こる変化を受けとめて、それでも普通に笑っていた。 

だからこそ、かもしれない……こうして何にも干渉されず、眠っているところを邪魔したくないのは。 

…目を移すと海は夜の気配を見せてきていた。ゆるやかに水平線から薄暗さが忍び寄っている。 

暦は春になって久しかったが、日も暮れたとき……しかもここは海辺。いい加減冷えてくるだろうと思った一条は、コートを脱いで雄介の体にかけた。 

一瞬雄介は眉を寄せたが、すぐに気持ち良さげにコートに潜り込んだ。 

その様に軽く笑みをもらし、一条はまた海へと視線を転じた。 

暗く、黒い海に……一つの明かりが点っているのを見た。







fin.









……何を言いたかったのか分かりません。
ただ冒頭の文章を書きたかっただけとも言いますね…
とりあえず言い加えておきますと、これは実加ちゃん編の後ですね(分かるって)
トレンチなデカにシルクの(友人談)ハンカチ差し出されて実加ちゃんが
「ごめんなさい……!」と平謝りした後の話です。……間違ってませんよね?
本放送も残すところあと2話………予告を見てへこたれマックスですが、
彼らの行く先を目をかっぽじって見ていかねばなるまいと決意を固める今日この頃であります。
novels top

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル