彼が彼のために出来ること



初めて出会ったその日から。

いえいえ正確にはその翌日か数日後から。

彼のために一体何ができるのだろうかと彼は彼のために考えてきました。



まず始めに行ったのは一緒に闘うこと。

射撃が得意な彼ですから、きっと役立てると思ったのです。



だけれどもそれもあの理不尽な殺人者たちにはどうにも力が足りなくて。

おかげでけっこう危ない橋を何度も渡ってしまいました。

彼だけが何故かその理不尽な殺人者に対抗できる力を持っていますから、

悪いと思いながらも彼は彼のサポートになろうと決意したのです。



次にはそう、彼を彼の味方から守ること。

おかしな話ですが、彼は彼らの味方であるにも関わらず

当初は殺人者と同じものとして扱われていました。

確かに彼は闘うときにはどう見ても彼らとは違う外見になっていましたから、

銃口を向けられても仕方がないですねと彼は笑ったのですが。

もちろんそんなことを彼が我慢できる訳がありません。

彼らのために闘ってくれている彼を彼らが攻撃するなんて、

そんな話があっていいわけはないのです。

そのことを彼ら全てが理解するまでには時間がかかりましたが、

今となっては彼らは彼の味方です。



そして次々と現れる理不尽な殺人者たち。

それらと闘う彼に、彼は(今では彼らですが)

必要なものを次々と提供していきました。

必要な情報、必要な武器、口の硬い医者、闘いやすい場所……

それらが無ければ彼の闘いは、

きっともっと大変で、もしかしたらもう彼は。

でもきちんといつでも彼は彼のために必要なものを用意してきましたから、

彼は今でも元気で笑っていられるのです。



そのことに感謝している彼ですが、

彼はまだまだ彼のために何ができるのかと考えています。

そんな彼を彼は彼らしいと言って笑います。

でも彼は知っているのです。

何よりも何よりも、

彼の存在が彼にとって一番の。






そして最後に。それとも最期に。

彼が彼のために出来ることがあるのだけれど。

そんな日は永遠に来なければいいと。

彼は彼のために彼のために。

ずっと祈りつづけているのです。






fin.





「一条祭り」参加作品第三段。
…………ごめんなさい…………
こういうの書くの好きなんですよ、ううう。
書くきっかけになったのはepi.39を一緒に見ていた友人の一言。
「やっぱり一条さんじゃなきゃ駄目なんだね……」
杉田さんも桜井さんも好きですが、やはり一条刑事じゃないと駄目なんだよねと。
……え、作品に反映されてない?
ううん、バレたか(汗)





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