彼という存在



……まず、その生真面目な性格。



「基本の挨拶はもちろん……自分の非を素直に認めたら、謝罪することだって厭わないしな」

「そういえば結構言いますね、『すみません』って」



熱心な勤務態度。



「一条さんの家?警察の独身寮ですよね……でもいつも本部にいるから、ここに住んでるようなものなんですよぅ!」

「…にしてはきちんと着替えしてるよね」

「だから、お部屋はクローゼットみたいなものだって、みんなで噂してます」



決して曲げない強い信念の持ち主。



「本当、あんなに熱い一条くん久しぶりに見たわよ?」

「……久しぶりってことは……?」

「ふふ、知りたい?」

「や、もうそれは是非!」



かと思えばかなり楽しいところもあったり。



「あれは確か大学のときだったか…」

「ふむふむ」

「大学生と言えばもう、日課として飲み会は当たり前な訳だ」

「はいはい」

「もちろん俺も例に漏れずその日課をこなしていたんだが……あるとき試しにあいつを…………」

「あれー?どうしました椿さん??」



もちろん怒るときは真剣に怒るわけで。



「………その話はするなと言ったよな…………?」

「あ、一条さんー」

「ま、待て……まだ話の中核にはたどり着いていないだろう……!」

「……導入部分でもやめろ」

「お、本気ですねこれは」

「…のんきに解説していないで助け、ろ……」

「いやもう、ここまで綺麗に首極まってるともう無理ですね」


「さて、行くぞ五代」

「あ、はい!」



加えるとするなら誰からでも「ハンサムさん」と呼ばれてしまうようなハンサムぶりだったり。

さらさらでさらさらな軽く茶色がかった髪だったり。

綺麗な声とか。

まっすぐな瞳とか。

数え上げるとそりゃもうキリがないのだけれど。



「……どうかしたのか、五代」

「いや、何でもないですよー?」

「……だったらその締まりの無い顔をどうにかするんだな」

「むー……一条さんほどびしっとは、無理ですよ」

「びし?」

「そ、こことかいつもびしっと」



そうそう忘れてた。

やっぱり一条さんと言えばこれでしょう?



そう思って俺は、

その眉と眉の間にそっと指を置いた。







fin.






…ええと。
「一条祭り」参加作品です。
”とにかく一条さん!”ということで書いてみたものの……ううむう、これはどうでしょう??
でもとにかく一条さんですよ………ね?
何故かは知りませんがどうやらつい最近の話らしいです。
だって一番初めは杉田さんだから(それだけ)……あ、次は笹山嬢か。
しかし五代君が何故みんなとそんな話になったのかは謎です(死)
ううん、話の流れか何かかな??
とりあえずノーマルに仕上げたつもりなのですが……どうでしょう?
例えノーマルでも五代君は人に触るの好きそう……って偏見でしょうか(汗)





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