はぴねす
「………」
雄介は、ぼーっ、と部屋の天井を見るともなしに見ていた。
「………」
首を動かして開け放しておいた窓を見ると、そこには綺麗な青空。
「……どっか、行こっかな」
ごろん、と寝返りをうってベッドの上に俯せる。
さっきまで読んでいた本を横に退けて、ううん、と大きく伸びをする。
「でもなぁ……」
ふうう、と深くため息をつく。
「……予感がするんだよね」
前々から自分の勘というものには、絶対の自信を持っていた。
それに加えて、近ごろでは何だかすっかり懐かれてしまったお腹の石の力のせいか、やけにその勘は当たるのだ。
だから今日も店が休みにも関わらず、どこにも出掛けずにのんびりと自室で過ごしていた。
そうする方が、何となく良さそうな気がして。
とりあえず服を洗濯して、乾して……ここしばらくしていなかった部屋の掃除なんかもしてみて。
……まあ、ずっと読んでいなかった本を引っ張り出したところでその掃除は終了していたのだが。
「うーん……」
何かが、違う。
朝から感じているいい予感には、何か一味足らない。
これまでの時間も確かに好きな時間ではあるが、もう一息何かが。
「……何だろ?」
よっ、と小さく声を出してまた仰向けに寝転がって、綺麗な青空を見る。
透き通った、綺麗な空。
そういえばここしばらくは不安定な天気が続いていたので、こういう空を見るのは久しぶりのような気がした。
「………うーん………」
ちょっと心が動かされはした雄介だったが、それよりも自分の勘を優先させることにする。
不意に電話が鳴り始めた。
途端に雄介は跳ね起きて、部屋を飛び出て勢い良く階段を駆け下りる。
「……はいはいっ!」
予感が告げる。
イイコトがある、ということを。
それに従って、雄介は受話器をとった。
「はい!」
言うべき台詞をかっ飛ばす。
それでも大丈夫な自信が今はあった。
軽い沈黙の後に、声が聞こえる。
それを聞いて、雄介は嬉しそうに笑った。
「はい、俺です」
……よかったぁ。
だって、聞こえたのは俺の名前だったもん。
緊迫じゃなくて、微笑みと一緒の、ね。
fin.
1000ゲッターあかね様に捧ぐ小説第一段。
リクは「51」でした。
……いや、あの……すみません、
これはこれで一つの話なのですが……
……どうにもわのは、「51」というものが
分からなくなってしまったようです(死)
ですので幾つか「これは51と言ってもいいのではないか?」
というものをこれから上げていきます。
その中で気に入ったものをどうかお受け取りください……
………一つも無かったら本当にごめんなさい(土下座)
でも何とか頑張ります、はい!
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