やってる鎧アル×エド子
>787氏

ランプの暗い明かりが、飾り気のない部屋の壁を暗く照らし出している。
田舎町で唯一の宿屋。階下のパブは今日の仕事を終えた街の男たちで、夜半をすぎた今でもにぎわっているが、宿自体は祭りの時期にでもならなければ人が入らない。今日の泊り客などセントラルから来たという姉弟二人だけだ。
いかつい鎧をまとった巨体の弟と、どう見ても少年にしか見えない小生意気な顔をした小柄な姉の組み合わせは一時パブの話題をさらったが、二人が食事を終えて部屋に下がってしまうともう、姉弟の事を話題にするものはいなかった。

階下から聞こえてきた大きな笑い声に、一瞬エドは気をとられふらりと首を傾けた。笑い声には陽気なバイオリンの音色が混じっている。調子っぱずれだが、気分がうきうきしてくるような明るさだ。
ドアの方を振り返った小さな顔を、背後からのびた巨大な手が優しくつかんで引き戻した。あぁ、と囁くような声を上げ、エドはわびるように、頬を撫でるなめし皮の指先に舌を這わせた。
「……気になる?姉さん」
鋼に反響するくぐもった声がやはり優しく耳を打つ。同時に開かれた足の間を這いまわっていたもう一方の手の指が、濡れたひだの中につぷりと潜り込んだ。子宮を駆け上がり脳天まで貫くようなその刺激に、エドは小さく悲鳴を上げた。
細い体を震わせて激しく首を振る姉の全裸の体を大事に膝の上に抱えたまま、アルはゆっくりとその内に潜り込ませた指先を動かした。
たちまちひだと指の隙間から熱い蜜が溢れ出す。蜜はアルの指を這い、エドの白い太ももを濡らしてベッドの上に滴った。
蜜と指がたてる粘つく音にすすり泣きの声が混じる。支える鎧の腕に金の髪がぱさりと落ちた。みつあみのほどけた髪は癖もなくまっすぐで、そうして髪を下ろしていると姉は少し、女の子らしく見える。
快感に細い腰を揺らしながら、さらに快楽を求めるようにエドは舐めていた弟の指を自分の乳房に導いた。年のわりには膨らみの足りない胸はそれでもつややかに張りがあり、白く美しい。
そこに食い込み醜い傷を残す機械鎧が、だから余計に痛々しく見える。
手のひらであえかな乳房を包み込み、硬い指の腹でピンクの乳首をこすってみる。同時に女陰から数回指を抜き差しすると、甲高い嬌声を上げて白い背が反り返った。
階下のパブからは陽気なバイオリンの音色が絶え間なく響いてくる。時折上がる酔漢の笑い声。その全てが細い喉から上がる嬌声を消していく。
どんなに声を上げても宿の一室で繰り広げられる異様な営みに、気づくものは誰もいない。
アル、と弟の名を呼んで、快楽に濡れた金の瞳が面の中の赤い光を見上げた。何?と囁いて顔を寄せると、細い生身の腕と機械鎧の腕が同時にのびて鎧の頭部を抱え込んだ。
乳房から首筋までをゆっくり辿る指先に苦しげに眉をしかめると、エドは熱い息をもらす唇を面に押し付けた。何の表情もないそこに愛しげに舌を這わせ、腰を揺らしながら小さく、もっと、と呟く。
「もっと?」
「……もっと」
「もっと、なに?」
「……奥……奥……」
入れて。
探って。
要望に従い、入り口で遊ばせていた指先を根元まで突き入れる。
なめし皮に包まれた指がひだをかき分け、少女の体の深い部分を暴きたてた。反り返る小さな体を許さず、冷たい鎧の胸に押し付けるようにして抱え込むと、突き入れた指で今度は内壁を細かくこする。愛液がさらに溢れた。
感覚のないアルの指には、その内側の柔らかさもうごめくひだの感触もわからない。だが姉の女陰がきつく収縮し、離すまいとするように自分の指に絡みついているのは、そこに潜り込んだ指が急に動かしにくくなったことでわかった。
辺りをはばからない嬌声を上げながら弟の動きにあわせ、エドの腰が大きく揺れた。細い足が自分を犯す腕に絡みつき、機械鎧の腕は抱え込んだ鎧の頭部を打って鈍い音を立てる。小さな乳房を鎧にこすりつけながら、かすれた声が何度も弟の名を呼んだ。
上気した顔の中で快楽に溶けた目が、面の中の赤い光を見上げる。旅の目的も賢者の石も、他のことなど何もかも頭から抜け落ちた目だ。
アルのことしか見えていない目だ。

体などないのに、姉のこの目を見るといつも背筋がぞくぞくするような気がする。これが快感だろうか。

どろどろにとろけきったそこはすっかり濡れそぼって、きつく締め付けられているようなのに滑らかに指が動く。突き入れ、抜き出し、かき回し、そのたびに跳ねる姉の体を抱きしめながら、戯れに手の腹で陰核を刺激してやる。
ひときわ大きく、細い体が跳ね上がった。
生身の左手が鎧の肩に爪を立てる。ぎりり、と耳障りな音をたて、ふっとその腕から力が抜けた。
声も出ず絶頂に達し、崩れ落ちたその体を、アルは大事に抱きとめた。


はじめはただ、抱きしめただけだった。
母の練成を、自分が失った手足を、弟をなくした瞬間の恐怖を時折夢に見て悲鳴を上げる姉を、慰めるために抱きしめた。
最初は本当にそれだけだった。
髪をなで、声をかけ、しがみついてくる細い体を抱きしめ。優しい声に安堵してもう大丈夫だと抱き返し。それで互いに充分だった。

いつごろからか、薄い背を撫でる手がさらにその先を求め出した。しがみつく腕が鎧の頭部を抱え込み、頬を寄せるようになった。
あえかな膨らみに触れたのは、アルの意思が先だったか、それとも導く姉の手が先だったか。もう覚えていない。
これが異常なことだという自覚は互いにある。
二人は姉弟で、さらに片方は今、人でさえないのだ。
けれど一時でも、過去の恐怖も不安も忘れて平安を得られるなら、どんなに狂ってみえてもこの行為を止める気は二人にはない。
先の見えない未来へ歩いていくために、淋しい体と淋しい魂の、これは一時の慰めなのだ。
もぞもぞとシーツが動き、やがてその中からぼさぼさの金の髪がひょっこりと覗いた。寝ぼけ眼であたりを見回す姉にアルはおはようと声をかけた。
「夜中だけど」
階下のパブの騒ぎは、今はもうだいぶ収まってきている。切れ切れにバイオリンの音色だけがまだ聞こえていた。
あー、と面倒くさそうに声を上げ、エドは大きく伸びをした。暗いランプの明かりが一糸まとわぬ裸体の上に影をつくる。
陰影は首筋から乳房、なだらかな腹にかけてまろやかに曲線を描き、少女の体を彩っている。
その体に先ほどの淫らな色は、もう残っていなかった。
色気のない大あくびに苦笑をもらし、シャワー浴びてきたら、と言う弟に、面倒くさいからいい、と呟いてエドはまたベッドに潜り込んだ。
「だめだよ浴びてこないと」
「いーじゃん……面倒」
「だって体、軽く拭いただけだよ」
さらりと告げられた言葉にがばっと身を起こし、真赤に染まった顔でエドは鎧の赤い光を睨みつけた。
「何で拭くんだよ!ほっとけっていってるだろ!」
「だって姉さん、いつもシャワー浴びないですぐ寝ちゃうし」
「だからほっとけって!」
「だって気持ち悪いだろ、あのままだと。自分の体拭くついでだし」
いつも僕だって指とかびしょぬれに、と続いた言葉を最後まで許さず、エドはかけていたシーツを丸めると弟に投げつけた。
広がって視界を覆った白い布を慌てて引っ張る鎧の後頭部を、機械鎧の腕がばかんと殴りつける。シーツをかぶったままひどい!と叫んだ弟に、お前こそ何てこと言うんだアルのバカ!と言い返し、エドはそのまま浴室に飛び込んだ。
布をはいだ視界に、一瞬だけ翻る金の髪と白い後姿がうつる。もう絶対すんなよ!という怒鳴り声に続いてシャワーの音が聞こえてきた。
もっとすごいこと言ってたくせにと呟きながら、シーツをたたんでベッドに戻す。
不精な姉のために服を出してやりながら、ああいう恥じらいを見せるところは女の子らしくなったかな、とアルはちょっと思った。
でも着替えも出さずにシャワーを浴びるようではまだまだだろう。乱暴だし。胸もないし。
普段の姉はまだまだ、誰が見たって男みたいなのだ。

快楽を求め、淫らに快感におぼれる姉の女を知っているのは自分だけだ。

どんな浴び方をしているのか、どかん、ばたんと響いてくる乱暴な浴室の音に耳を澄ましながらため息をつくと、アルは着替えを抱えて立ち上がった。



先の見えない未来へ歩いていくために、淋しい体と淋しい魂の、これは一時の慰めなのだ。

言い訳の奥の本音には、互いに気づかないふりをして隠している。









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