猫好きのお姉さん
>171氏
小さい頃、たまに遊びに行く公園に金髪のお姉さんが居ました。
子供心に変な雰囲気を持っていたお姉さんだった事を覚えている。
私は初めて会ったときからやたら気に入られて可愛がられていた。
最初は「名前なんていうの?」とか「どこに住んでるの?」
などたわいも無い話をしながら遊び相手になってもらっていた。
お姉さんは猫が好きらしくて、よく公園に集まる野良猫に餌をあげていました。
私はお姉さんと良く会うK公園よりも、少しはなれた所のT公園の方が好きだったので何日かK公園に行かなかった日もあった。
久しぶりにK公園に行くといつも座っているベンチにお姉さんはいて、ネコに餌をあげていました。
お姉さんに声をかけると「兄さん!なんでここに来なかったの!?」
「ここにきて僕と遊ばなきゃいけないんだよ!?」
と大声を出され、ビックリして怖くなった私はそれからはK公園に行くことは少なくなりました。
しばらくして久しぶりにK公園に行くとやっぱりそこにはお姉さんがいました。
今日は友達たくさんと来たし、お姉さんと遊ばなくていいや、とお姉さんを無視して遊んでいると、いつの間にか私の傍に来て「兄さん、僕のうちに遊びに来ない?」と声をかけてきました。
「知らない人についてっちゃいけないんだもん」と言うとお姉さんは笑って
「僕は知らない人じゃ無いでしょ?それに僕の家はそこのアパートなんだよ」
と公園の隣のアパートを指差しました。
そこで安心してしまった私は「じゃあ、行く」とお姉さんと公園を出てアパートに向いました。
お姉さんの部屋はアパートの一階の一番手前の部屋だったので何となく安心しながら部屋に入ると、部屋はネコだらけでした。
見渡す限りネコ、ネコ、ネコ!
小さいアパートの1室に30匹位のネコが犇めき合っていました。
何となく異常な感じがしてお姉さんに「オレ、やっぱし帰る!」
というとお姉さんは私の腕をつかみ、
「僕、子供が欲しいの。でも子供できない身体なんだ。
だからネコを子供と思って可愛がってるの。ねえ兄さん、僕の子供になって。僕と一緒に暮らそう?」
といって腕を放してくれません。
「兄さん、僕のこと好きでしょう?」
と言いながらどんどん私を部屋の奥にまで押して行きます。
今まで見慣れていたはずのお姉さんの顔が知らない人のように見えました。
目がギラギラしていて口の形が奇妙にゆがんでいました。
お姉さんに見つめられてるだけじゃなく、周りにいるネコも私の事を見ているように思えて怖くて声が出なくなりました。
その後どうやって部屋から脱出したのかは覚えていないのですが、その日から私はK公園にいくことはありませんでした。
怖くてお母さんに話すことも出来ませんでした。
何年か達て、あのアパートの前を通る度に、あのお姉さんは今何をしているんだろうと思います。
語り手→エド(あるいはエドに似た子供?
お姉さん→アル子