お花少年の告白
>335氏

これはいわゆる告白シーンって奴だ。
綺麗な景色、人気のない場所、夜。
シチュエーションとしてはバッチリだ。
問題は、自分より背の低くて可愛い(これが性格も可愛い)少年(しかも元鎧)に告られてるのが、背は高くて力持ち、このデカイ胸が無ければ男で十分通用すると言われる自分だという事だ…
「っ…ボクの事は、嫌いですか?」
元々かわいい顔してるんだから潤んだ瞳と上目遣いはやめて下さい…マジで!
いや、でもやっぱ犯罪だろ?これで手ぇ出したら。
緩みそうになる頬に無理矢理力を入れたので物凄い形相になったハボ子を見て
「そうですよね」
とほんのり目の辺りに涙を浮かべて悲しそうな顔をするアル。
…だぁ!もう!変態でもいい〜!!
ぎゅうっと抱きしめた。
「ハボ子、少尉…?」
心細そうに名前を呼ぶ。
「もーいいよ。泣くのやめてくれたらなんでもいいです」
溜め息をつきながらアルの背中をぽんぽんと叩く。
くそう。こんな予定じゃなかったのに。
俺はもっと男らしい人が好きなはずなのに。
なんでコイツの事をこんなにも愛しく思っているんだろう。
「その、それはどういう?」
「アンタは俺の事どう思ってるんですか?先にそれを教えてもらいたいんすけど」
「すっ、好きです!」
勢い込んで言わなくても俺は逃げないからさ。どもるなよ。恥かしいだろ。
「俺もそんなカンジ」
「ハボ子少尉!」
ええい、男のクセにバックに花を散らすな!
何でこんなにかわいいんだチクショウ。
「嬉しいです!これからよろしくお願いしますね!」
「…おう」
照れ隠しに短く返事をして
挨拶がわりに唇を奪ってやった。
「女性からこんな事…っすみませんボクが不甲斐無いばっかりに!これからはもっと精進します!!」
案の定顔を真っ赤にするアル。
やっぱかわいいなぁ。
「まぁいいんじゃねえの?自分のペースで。こっちはこっちで勝手にやるからさ」
「いいえ!もっと勉強します!それで、その。いつか貴女の余裕がなくなる位の……」
「余裕が無くなる位の…なに?」
「いえ、何でもありません。実践で示す事にします」
…にっこり笑ったアルの後ろにどす黒いオーラが見えた気がしたのは俺の気のせい、って事にしておこう。

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