土用の丑の日
>751氏

「おい、アルー!
 お前ら本当に川遊び好きだなー
 グリードもいい歳してまったく…。」
視線の先には川で戯れる男と少女の姿があった。
短いけど日射しの強い夏のリゼンブールでの光景。
「兄さん!今日は土用の丑の日でしょ、鰻捕まえないと。
 あ…!!鰻みっけ!!」
水しぶきを上げてダイブする妹のアル。
が……?
「……おいおいおい!お前…どこ掴んで……。」
アルの手に掴まれている黒くて長いそれは夏の風物詩でもある鰻……?
……いや、立派な逸物。
目を丸く見開く男2人に間には真夏なのに凍り付いた空気が流れ
「ぎゃあああ!!!アル!今すぐ手を離せ!アルーっ!!」
それは兄の絶叫によって元の太陽さんさんたる炎天下に戻された。
「どうしたの?兄さん?
 ……うわ………!!!ご、ごめんなさい!グリードさん!
 でも…こんな大きいのが僕の中に入ったなんて信じられないや…」
頬を赤くして身じろぐ姿は酷く愛らしい。
対する兄はいかにも飛びかからんとする猛獣のような勢いでいきり立つ。
「グ…グリード!!てめぇ……俺の妹に……んぐっ!!」
その兄の首根っこを捕まえて胸に押し付けたのは焔の大佐ロイ・マスタング。
「ふふ…焼きもちを焼く鋼のも可愛いな。
 私達も存分に見せつけてやろうじゃ無いか?」
押し付けられた胸で酸欠になりながら…
今日は丑の日じゃ無くて牛の日だ…
薄れ行く意識の中エドはそう思ったとか。





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