誘惑
◆ryaPC79U8o氏

【前編】

「キンブリー。あの・・私とえっちしてみないか?」
イシュバール殲滅戦中。
30分ほど前、担当地区を爆破の渦で破壊しつくしたばかり。
まだまだ殺戮の余韻に浸りてぇ時にパートナーは余韻をふっ飛ばす・・というか、俺の心臓をふっ飛ばしそうな誘いを吐いた。
癖の無いサラサラした黒髪に焔のような緋色の唇。
少しうるんだ黒曜石の瞳が俺の返事をじっと伺ってる・・。

『爆弾狂のキンブリー』
加減が効かなかった、と言って気にいらねぇ味方を戯れに巻き込んで殺ってきた俺の通り銘。
そのため単独任務の多かった俺だが「野放しにするには危険」と軍上層部のいらぬ判断がこの焔の女にお目付け役の白羽の矢を立てる。
爆弾と焔。攻撃の型が似ているから。単純な理由。
パートナーを組んで以来、2人で・・というより2人だけで殲滅地区に赴くことが多かった。
「私のような狂人と組まされて、さぞ悲観なさったでしょう?お嬢さん」
とからかってやれば「『害をもって利となす』。軍がもてあます爆弾狂とうまく連携して戦況を好転させれば、私の株も上がるわ。」としゃあしゃあと本音を答えやがった女。
今まで出会ったことのないタイプの女。
その凛とした気性に、前だけを向く美しい横顔にいつしか心惹かれていた・・。
俺の爆弾を女が焔で誘爆させ、雨の日は女の焔を俺の火薬で発火を手伝ってやる。
上手く連携した俺達は軍上層部の予想以上の成果をあげ、お偉いさんのお誉めの言葉と共にますます2人だけの任務が増えた。

「えっちって・・誰と誰でですか?」
「は?!私とあなたよ!他に誰がここにいるの!?確認するまでもないでしょ!」
ただでさえ恥ずかしい誘いだったのか、確認されて女は少しキレ気味だ。
真っ直ぐ俺を見て怒ってる顔が愛おしい。
が、俺はその可愛い顔を凍りつかせてやった。
「ヒューズさんの身代わりにですか?」
「え!?」
女は本心を見透かされて目を真ん丸にした。
「何のこと?意味がよくわからないわ」焦って頬を紅潮させてる。こんな表情もするのか・・。
「好きなんでしょう?彼が。見てればわかりますよ」
「え?!見てればって・・」
「大丈夫ですよ。気付いたのは私くらいです。他に誰も気付いてませんよ」
女の好きな男には婚約者がいる。
女は自分の恋心を決して悟られまいと男の前では気丈に振る舞ってた。
が、俺は気付いた。
何故なら俺はこの焔の女に惚れてるから・・。
「私は身代わりでもいいですよ。役得ですし」
俺は女の肩と腰に腕を回し抱き寄せる。ふわっといい香りがした。
「あ、あの・・キンブリー、ちょっと待っ・・」
いざとなったら怖じ気付いたんだろう。女は戸惑ってる。
だが俺も容赦しない。
「誘ったのはあなたでしょ?」
いかにも女に100%非があるような言い方で黙らせた。
追い討ちをかけるように紅い唇を俺の唇で無理矢理塞いでやる。
毎晩、妄想の中で何度も奪った唇。現実のそれは妄想よりずっと柔らかく暖かかった。
何より俺の舌が動く度、女がビクビクと反応するのが楽しい。
舌で口内を刺激するだけで体中で反応する焔の女。もっとも、怯えてビクビクしてるのかもしれねぇが。
うす目を開けると俺のキスに瞳を閉じてる女の顔がある。
こんな間近で見れるなんて・・。
この顔だけでイきそうだ。肉棒が熱く膨らんだ。
俺は女の尻を掴み、俺の股間を女の下腹部に押し付ける。
軍服を通してとはいえ固くなった男根の感触に女は驚いて唇を離した。
「いや・・っ!」
あきらかな拒否の仕草さえ、なまめかしくて俺の欲情の炎をあおる。
「この程度で嫌がられては続きができませんよ」
「いえ、あの、続かなくていいわ!私が軽率だったわ!ごめんなさい!許して・・!」
女は耳まで真っ赤にして必死にあやまった。瞳には後悔の涙さえ浮かべている。
見たことねぇ・・というより想像もつかねぇような純情な恥じらい方を見せる女に俺はめまいがした。
妄想の中で嫌がる女を何度も無理やり犯したことがある。
だがこんなふうに愛らしく恥じらう女だとは思わなかった。
男の想像力なんざ貧困なもんだな。
ってことは、感じる時も、イく時も俺の妄想をはるかに越える反応を見せてくれる訳か?
あぁ見てぇ!今すぐ押し倒してぇ。その後悔してる顔をもっと後悔させてやりてぇ。泣かしてぇ。顔射してやったら泣くかな・・?

【後編】

女は怯えてる。
だからこそ強引に押し倒してもっともっと怯えさせたい。
なのに無理強いして傷つけたくないという気持ちが勝る。
この俺が自分の欲望より相手の気持ちを優先しようとするなんてな・・
重症だぜ。
キ「恐いですか?だったら目を閉じて下さい。私をヒューズさんだと思えばいいですよ」
ロ「え・・?」
キ「どうせ身代わりですし。私の手はヒューズさんの手と思って下さい」
そう言って俺は軍服の上から女の豊かな乳房に優しく触れた。
キ「そして私の唇はヒューズさんの唇です」
女の紅い唇を再び奪う。
ロ「ん・・」
女の抵抗が少し弱まる。
キ「ね・・?恐くないでしょ?」
ロ「だめよそんな・・。あなたに失礼だわ」
キ「良いんですよ」
良いはずがない。こうみえて俺は自尊心のカタマリなんだ。
だが、それで女の怯えをやわらげてやれるなら・・。
女がヒューズに抱かれてる錯覚をして、少しでも幸せな気分にしてやれるなら・・。
キ「良いんですよ」俺はもう一度言った。
キ「言ったでしょう?役得だ、って。お互い楽しみましょう」
女に罪悪感を持たせないように俺は努めて軽薄に言う。
キ「ヒューズ、て呼んでみて下さい」
ロ「・・ヒューズ・・?」
キ「そう。あなたは今、マース・ヒューズに抱かれてるんです」
ロ「・・・」
女の耳元で暗示のように囁いてから近くの樹に女を立ったまま、もたれさせる。
女の気の変わらねぇうちに手早く上着を脱がすと白く豊満な乳房が現れた。
そっと生肌にふれると信じられないほど柔らかで、触ってるだけで何故だか癒される。
爆破の殺戮とは別の心地良さ・・。
ロ「ん・・ぁん」
女も気持ち良いようだ。
突起し始めた乳首を丁寧に舐めながら、ズボンとパンティをおろす。
すでにしっとりと潤っている女の秘部をペロッと舐めた。
ロ「あ!・・キンブリー・・!」
キ「ヒューズ、ですよ」
ロ「・・・」
女は少し考えてから開きなおった。
ロ「ヒューズ。ヒューズ・・」
股を舐める俺の首すじを強く押さえ、性器を擦り寄せてきた。
さすがは焔の女。開きなおると情熱的だ。
今、女の頭の中では恋こがれる男に愛撫されてる自分を妄想しているんだろう。
胸がチクンとしたが俺も俺に抱かれてこの女は喜んでる、と妄想させてもらう。
花びらを舐め、クリトリスを口に含み口内全てを使って愛撫する。
ロ「あっ・ん・はあ・・」
ひざをガクガクさせ身悶えする女。
泉のように沸いてくる蜜液を俺は一滴も逃さないように舐め取る。
今、俺の舌の上に残る蜜の味。これがこの女の味か・・。
ロ「ぁ・・はあ・・」
瞳をトロンとさせてきた女の左足を持ち上げ、股を大きく開脚させると泉の入口がパックリ開く。
その入口に向かって俺は勃起した肉棒を突き刺した。
ロ「!っ・・!」
女の泉の中で肉棒を激しく動かす。
ロ「あんっ!ん・・!あぁんっ」
女は甘えるような声であえぎながら俺を抱き締め、両手で俺の背中を強く擦る。
女は無意識なんだろうが、女の手に撫でられる度ゾクゾクと刺激され興奮が肉棒に伝えられた。
ロ「ぁーんっ!・・はあ・あっん・・ぁん!」
女の甘えた声が大きくなりはじめ、俺の動きに合わせ腰を振りだす。
・・愛おしい。
この成熟した桃肌の肉体も色っぽいあえぎ声も全てが今だけは俺のものだ。
たとえこの女が俺に抱かれながら他の男を思い浮かべていようとも・・。
ロ「ぁあ!あっ・・あぁあーーっ!」
なまめかしい声が狂おしい悲鳴を叫んだ瞬間、女は俺の腕の中で絶頂に達し、俺は女の太股に性液を発射した。

『事』が終り、互いに無言で服を正す。
ロ「あの・・キンブリー」
キ「はい?」
ロ「・・ありがとう。抱いてくれて」
キ「?」は?なぜそこでありがとうなんだ?
ロ「キンブリーの言う通り、私、ヒューズが好きなの」
キ「・・・」
ロ「でも婚約者いるからあきらめようと・・忘れようと思って・・あなたなら忘れさせてくれそうな気がしたの」
キ「・・・」え?そりゃ・・どういう意味なんだ?
かすかな期待を胸に秘めて、たずねてみる。
キ「で・・、忘れられそうですか?」
ロ「・・・!・・・うぅっ」
女は泣き出した。
ロ「あなたに抱かれたら忘れられると思った・・でも逆だったの・・どれほどヒューズが好きかを自覚した・・」
・・おいおいキツイな。なんでだ?俺じゃ駄目なのかよ?
・・・・・・駄目・・なのか・・・。
俺は傷付いてるのを悟られないようにしながら、女の肩をそっと抱いた。
ロ「・・・?」
キ「アフターサービスですよ。私の胸を貸しますから思う存分、泣いてください」
ロ「キンブリー・・」
キ「ね?」我ながら上手に微笑む。
ロ「ぅっ・・ぅ・うわああぁーん!」
女は俺の胸に顔をうずめ、叶わぬ恋の相手を思ってわあわあ泣き出した。
よしよしと頭を撫でてやりながら俺は自分が泣きそうになるのを必死で堪える。
良いんだ。
これで女が楽になってくれるなら。
いくらでも俺の心を踏み台にするがいいさ・・。

イシュバール戦から11年後―
当時、戦乱に乗じて女の昇進の邪魔になりそうな奴らを片っ端から爆死させといた俺は終身刑。
女は祖国の勝利の女神としてあれよあれよと出世。明日、この国初の女性大総統に就任する。
嬉しい。
女には陽の当たる人生がよく似合う。俺は牢獄の中で女の幸福だけを祈って、残りの一生を過ごそう・・。

エド子「マスタング閣下。新大総統就任おめでとう」
ロイ子「鋼のも20歳の誕生日おめでとう」
エ「ん?この書類なあに?」
ロ「私の大総統就任で恩赦を与える受刑者リストよ」
エ「こっちの書類は?え〜と『死刑執行書』・・?」
ロ「現在、終身刑の犯罪者を死刑にするための書類よ」
エ「ふうん。『ゾルフ・J・キンブリー』って人、絞首刑にするの?」
ロ「ええ」

この1週間後、俺は戸籍上処刑され、内密に新大総統のもとに連れてこられる。
ロ「やっとあなたを助けられたわ。・・・11年前は戦争や叶わない事に気を取られてて気付かなかったけど、ずっと私を助けてくれてたのよに・・」
隔てた時間を埋めるように、俺達は強く抱きしめあった。
ロ「ねえキンブリー、えっちしない?」







PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル