心配
>479氏

「鋼の!君はリオールの話を聞いて冷静さを失っている!」
「…だから頭を冷やしに行くのさ」

アーチャーに頼んで許可は貰った。
だが、自分の直接の上司であるこの男は何が気に入らないのか先程から険しい顔をしている。

「…鋼の、」
「俺が居ない間、アルの事よろしく頼むよ」

弟は自分と違って軍属ではないから、戦闘に参加させられる事もないだろう。
例え戦闘になってもアルの強さと錬金術なら心配はないと思う。
それでも心配してしまうのは姉としての性か…もしくは…。
「鋼の、ちょっと来なさい」

急に手を引かれる。

「ちょ…なんだよ!離せ!」

振り払おうとしたが更に力強く掴まれ、エド子は半ば引きずられる形で一室に連れ込まれた。

「…なんなんだよ」

男を睨みつつ聞いてみるが返事は無く、代わりにドアに鍵がかけられる音がした。

「大佐、何の真似…っ」

無言のまま男はエド子を床に押し倒した。
「……!?」
突然の出来事にエド子の思考は追いつかない。
我に返った時には、上着の中に手を入れられていた。
「っヤダ!大佐…!!」
抵抗しようにも、上に覆い被さって居る男の力に押さえつけられて身動きが取れない。
どうにか少し身を捩ったみたが、状況は変わるわけもなく、荒々しく胸を揉みしだかれる。
「……ッ!!」
エド子は唇を噛み、苦痛の表情を浮かべた。
痛いという訳ではない。
…先ほどからずっと無言でいる大佐が怖い。
下を向いたままで、表情を伺う事も出来ない。
柔らかい黒髪がエド子の頬を撫でる。
「ヤ…ヤだ、こんなのはヤダ!大佐ぁっ!」
「嫌だと言う割にこちらの方は硬くなってるじゃないか」
男は指先でエド子の乳首を刺激しながら、耳元で囁く。
その声色はやはりいつもと違い、静かな怒りを含んでいた。
「…ァ、はぁ…ヤだぁ…ぅんんッ」
「君はこんな風に乱暴にされているのに感じているのかい」
「違…っ」
「どうしようもない子だ」
上着を胸の上までたくし上げれば、胸の先端は痛々しい程にその存在を主張していた。
ロイがゆっくりと焦らすように舐め上げれば、エド子の体が俄かに震える。
「あぁ…はぅ…」
エド子は更に来るであろう快感の刺激に構えた。
だが。
ロイはエド子の上から退き、横に座っていた。
エド子は不審に思って体を起こし、服を下ろしてから恐る恐る声をかけてみる。
「…たいさ…?」
「―――なぜ、私に相談しなかった」
「…リオールへの視察許可の事か」
少しの沈黙は肯定の意。
それで先程からこの男は怒っていたらしい。
「相談した所でアンタは許可してくれなかっただろ」
「鋼の、あまり無茶な事はしないでくれ」

エド子の方を見たロイの表情には辛さが浮かんでいた。

「君は今この国が、リオールが、どんな状況にあるか判っていない」
子供扱いするような言い方が癇に障る。
それに今まで弟と2人、あちこち旅をしてきた。
確かにリオールの件は知らなかったが、国の事に関しては把握しているつもりだった。
「判ってるさ、だからこそ…「判ってない!」
言い返そうとしたところを怒鳴りつけられエド子は不満そうにしつつ黙る。

「今までは弟と一緒だったから少しは安心だった。
 だが今回はどうだ。君一人で行く事のだろう?」
「そんな…俺には錬金術があるし、師匠直伝の体術もあるから平気だよ」
それに視察に行くだけだから、と付け足す。
けれどロイは納得するどころか大きな溜息をついた。
「鋼の。君は一応女の子だ。あまり無茶をするものではない」
「誰がペッタン胸で女に見えない豆粒か―――っ!!」
「あのなぁ…」
彼はもう一度溜息をつく羽目になった。
「そういう事を言ってるんじゃない。君が心配なんだ」
「――な、」
エド子は信じられない言葉を聞いたような気がして、その場で固まった。

(―――何。今、この男は何て言った。心配?この男が?俺を?)
(いつも嫌味満載の大佐が?確かに俺達、恋人同志だけどさぁ…)

「その顔。信用してないね?」
「あたり前だろ、アンタが言うと嘘臭い」
「信用しなさい」
おいで、という風に腕を広げられた。
なんとなく流されるままロイに近づけば、優しく抱きしめられた。
少し前までの乱暴さなど微塵も感じられない、いつものロイだった。
そっと彼の背中に腕をまわして抱きつくと、彼の方もまた更にぎゅっと力を込める。
ロイの体温、匂いを感じてエド子の心に幸せが広がる。
「無事に帰ってきなさい」
「それは上官命令?それとも…」
「恋人からの頼みごと、だよ」
「うん、わかった。絶対帰って来るから」


「―――…で、その手は何」
エド子の背中に回されていたロイの手がいつの間にか再びエド子の上着の中へと伸びていた。
「いや、さっきの続きを…」
「はぁ?!あんな無理矢理ヤろうとする奴とは御免だ!!」
「あ、いや、その…ちょっとお仕置きというか、世の中の危険を思い知らせるというか」
「馬鹿、勝手な事言ってんじゃねぇよ…」
乱暴な言葉遣いとは裏腹な優しい笑顔を浮かべた少女はそっとロイに口付けをして、彼に体を委ねた。







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