ずっとあなたが好きだった
>338氏
全身が酷く痛む目を開けるのさえも億劫だ
大佐に軽く頬を叩かれて仕方なく目を開ける
こんな時の大佐の顔は大抵想像がつく
「鋼の…大丈夫か?」
思った通り大佐は今にも泣き出しそう顔をしている、いつもこうだ
ほとんど暴力に近い扱いをするくせに事が終わればまるで母親に叱られた子供のような顔をして謝る。
何気なく手首を見れば大佐の指の痕がくっきりついているし胸や脚には無数の紅い小さな跡がついている
普段キレた時にはかなり無茶苦茶な事を喚いて暴れるけど
こいつには何を言っても無駄だとわかっている
もう嫌だ口をきくのもウンザリだ
「すまない…鋼の」
「……」
「起きれるか?」
無視していたらいきなり抱え上げられた、抵抗したかったけど暴れる体力も残ってない仕方なく大人しくしているとバスルームに連れて行かれた
俺を床に座らせるとシャワーで体を流し始める
首筋から胸、それから下半身に触れるとさっきとは比べ物にならないような優しい指の動きで洗い流す。
ムカツク……
あんなに酷い事をされた後なのに体の奥が熱くなってくるのを感じる
「もういいよ自分でやる」
軽く目眩がしたけどシャワーヘッドを奪い取り大佐を外に追い出した。
手首についた痕をみてため息をつく
「もういいよ自分でやる」
軽く目眩がしたけどシャワーヘッドを奪い取り大佐を外に追い出した。
手首についた痕をみてため息をつく
「どうしようコレ…」
体の痕は隠せるけど手首の痕は隠しにくい
アルになんて言い訳すればいいんだよ
曇りガラスのドアの向こうに大佐の気配を感じる
明日からはまた賢者の石を探す旅に出る予定だ
次にこの街に帰ってこれるのは早くても3ヶ月はかかるかもしれない
きっと大佐は今日の事なんて忘れてまた乱暴に自分を抱くだろう
自分なんて大佐の性欲を処理する女の内の一人に過ぎない
アルを元の体に戻すまでは絶対に俺が逃げない事を大佐はわかっている
だから優しくなんてしなくていいのに…
もしかして嫌がらせのつもりか?
もう大佐には会いたくない、でも…
出しっぱなしのシャワーの音がバスルームに響く
アルがいたら水が勿体無いと怒り出すに違いないそんな事をぼんやり考えながら
泣いた。
ふらつく足でバスルームを出れば大佐がタオルを持って待っていた
俺の体を拭こうとする手を押し退けてタオルを引ったくるとオロオロした顔で俺の頬に触れてくる
「アンタうざい放っといてくれよ」
「……鋼の、お腹空いてないか?食事に行くか?それとも何か買ってこようか?」
「なあ大佐、俺の話聞いてたか?俺は放っといてくれって言わなかったか?」
「ああすまないね鋼の…」
そんな事を言っておきながら俺からタオルを奪い返すと俺の頭をゴシゴシ拭きはじめた
「痛いっ…乱暴にすんなっ……んっヤメロよっ」
いつの間にかタオルは足元に落ち、髪を拭いていた手が薄い胸をまさぐりだした。
立ち膝をついた大佐が今度は胸から腹を舐めへそをねっとりと舐め回す。たちまち立ってられずに大佐の頭にしがみつく
思いきり睨みつけてやると嬉しそうに微笑む
「鋼の…鋼の…」
まるで壊れた玩具のように俺の名前を繰り返し呼びながら脱衣所の床に押し倒された
何をやっているんだ?
心のなかのもう一人の私が囁く
床に押し倒した彼女は一瞬私を睨みつけた後小さく溜め息をついて目を閉じた、どうやら
好きにしろという事らしい
遠慮なく彼女の唇を塞ぐ
頭の先からゆっくりと指を這わせてみる
金色の長い睫も
本人は気にしているらしい小さな胸も真珠の肌とは対象的に、醜く引きつれ腐った果物のような色をした機械鎧の手術痕すら私にとっては何もかも大切な宝物だ
そうだ、全部私の物なんだ、だから何をしてもいいんだ
違うだろう?
……無視だこんな声は気にしない
機械鎧と体の繋ぎ目を舐めるとここは敏感な処らしくすぐにピクリと体を震わす
鎖骨に噛み付き右手で胸をこねくり回し左手で割れ目の先端をじらすようにくるくる撫でると足の指がジタバタ動きだし
ぎゅっと眉根がよる快感に耐える顔がとても可愛い
割れ目に指をすべり込ませてみると思ったより濡れていない
つまらないな…
力まかせに脚を開く、痛みに小さく彼女が呻く
こんな事をしなくても彼女は逃げたりしないのに…
このまま消えてしまうんじゃないかとどうしても不安になる
だからいつも強く抑えつけてしまう
太股に青紫の痣が浮かんだけどしょうがない
蕾を摘みながら舌を這い回してみる
「んっ…んぅっ…」
強く唇を噛んで必死に声を抑えている、素直に声を出せばいいのに
でも彼女のそんな処もとても愛しい
やっと溢れ出てきた蜜を舐めやすいように下半身を持ち上げた
脚の間から見える顔がとてもいやらしい
花びらの中も外も金色の薄い恥毛に絡みついた蜜も全部舐め取る
ふと思いついて恥毛を歯で噛んで軽く引っ張るとやっと彼女が目を開けた
「大佐…趣味悪い…」
声が小さすぎてよく聴き取れなかったが満足している事を伝えたかったんだろう嬉しく思い彼女の頭を撫でる
「死ね…」
また何か言った気がしたがまあいい、彼女の中に指を入れると途端に顔をこわばらせる、何度行為を重ねても彼女の膣は私の指ですらまだ慣れてくれない
きっとそれは彼女の体が平均よりもちいさな体をしているからだろう
違う、それはお前を受け入れてないからだ
ウルサイ…
入れる指を増やすと彼女が目の端に涙を浮かべて叫ぶ
「大佐痛いっヤメロ!」
素直じゃないな…気持ちいいなら早く言えばいいのに
指の滑りが悪くなってきたけど物足りないのか?
しょうがないな、本当はもっとじらしたかったが…
彼女のなかに自分自身を押し入れると、彼女のためになるべく早く腰を動かす
私の下で彼女が叫んでる、良かった…悦んでくれてるようだ
私は心底満足しながら果て、彼女は動かなくなった
目を覚ますと俺の隣で大佐が無様に泣いている
いつものことだ
最初のうちはついほだされて慰めたりもしたけど今は無視している
どうせすぐに泣きやむだろう
うるさい、すごく眠いんだ、早く泣きやめ
大佐の指が俺の機械鎧の手に触れてくる、感覚なんてないのに
気持ち悪い、今すぐこいつの手を切り落としてやりたい
やめた…せっかくウィンリィが作ってくれた機械鎧が汚れてしまう
もう寝よう
これでも昔は大佐の事が好きだった、理由?そんなものは知らない
大佐がおかしくなった理由がわからないのと同じだ
でも初めて好きだと自覚した日の事は覚えてる
あれは確か12歳の冬の日で、東方司令部の2階の窓から
外を歩く大佐の姿を見た時、ただ漠然と好きだと感じた
それだけだ
本当は…こんな男を好きになってしまった自分が一番許せないのかもしれない
いつのまにか外は明るくなっていた
体がだるくて熱っぽい、そういえば最近は研究でろくに寝ていない
しかも風呂上りの濡れた体のままあんな事をされれば熱を出して当然だ
ベッドの横に座っている大佐が心配そうに俺の目を覗き込む
俺は男物の寝間着を着せられていて、慌てて着せたのかボタンがちぐはぐにかかっていた
情けない大佐の顔を見ていたら怒りを通り越してもうどうでもよくなってきた
大佐の首に抱きつき、軽くキスしてから
「大丈夫だから…もう行くね。帰ってきたらまた報告に来るよ」
こいつの機嫌を損ねないうちに早く帰りたい
激しく不本意だけど俺はなるべく可愛くしたつもりで言った
大佐は嬉しそうに俺を抱き返してから手を離す
「ああ待ってるよ、だがいつものように騒ぎを起こすんじゃないぞ」
ちょっとムカつくけど…まあいいかいつもの嫌味な大佐の顔になったから
大佐の家を出ると急いでアルの待つ宿に帰る
アルは帰りの遅い俺に文句を言おうとしたけど何も言わずに抱きついてきた俺の髪や背中をそっと撫でてくれた
「アル…俺頑張るから…絶対にアルの事守るからな」
「……うん、有難う姉さん」
今はこのままでいい、いつか元の体に戻ったら大佐を殺してアルとこの国を出るんだ
それまでは大佐の狗でいてやるよ
この国を出たら何処に行こう…いつかその日が来るのが楽しみだ
「どうしたの姉さん?なんか嬉しそうだよ」
「何でもないよアル」
俺たちは駅へと急いだ
でも心の隅ではいつも思っている大佐は俺がいないと本当に壊れてしまうんじゃないかと
*************
「ちょっと待ちなさい」
いつものように門の前に立つ警備の男に挨拶して入ろうとしたら突然呼び止められた
「俺がわからないのか?」
「…大人しくしないと連行しますよ」
失礼だ…なんでいつもと服装が違うからってわからなくなるんだ?
俺は籠のバッグから銀時計を取り出して無言で男に見せると門の中に入って行った後ろでは男が青ざめながら敬礼している
なんで今日はこんなにもヤな事が続くんだろう
この後は何もないといいんだけど…俺はいつもは祈らない神に祈りながらドアを開けた
リビングに入るとそこは本の山に占拠され、ソファーの上ではこの家の主がヨダレを垂らしながら爆睡していた
「おい、起きろロイ」
「…ん、エド……??エドなのか?」
バキッ
思い切り殴ってやった、なんでどいつもこいつも俺がわからないんだよ
「痛いじゃないか!」
「……そんなに変なのか?」
「変じゃないよ、凄く似合ってる」
バキッ
恥ずかしくてもう一度殴ってしまった
今日の俺は首にスカーフ、水色のワンピース、ミュールとかいう靴を履いて髪はおろして緩く巻いてある
全部アルの見立で美容院には強制的に連れて行かれた
別にコイツに会うためじゃない
アルが珍しく食事をご馳走してくれるって言うから仕方なくこんな格好をしたんだ
なのに…
目の前にいたはずのロイがいない、いつのまにか俺の後ろに回りこんで背中のファスナーに手をかけている
バキッ
「なんで殴るんだっ」
「なんで?それはこっちのセリフだ!」
「ワンピースのファスナーは男が下ろすために存在するんだ!」
頭痛がしてきた…無理矢理話題を変えよう…
「ロイ…この部屋はどうしたんだ?」
あっ目をそらしやがった
膝を蹴り飛ばして床に座らせてから
ロイの頭をゲンコツで挟んで無理矢理こっちを向かせる
「俺言ったよな?今度散らかしたら承知しないって」
「いだだだっ痛いっもうしないっ本当にもうしないから許してくれっ」
「30分以内に片付けろ、でないと帰る」
俺はソファーに座ると半泣きのロイを睨みつけた
時々思う、ロイを変えようなんて実は物凄い思い上がりじゃないかって…
だってコイツは…相変わらずアホだ
座ったら急に眠気が襲ってくる
ちょっとだけ寝よう…
今日は色々あったな…今度こそ何も起こりませんように…
俺はそう祈りながら目を閉じた
さっそくヤな事が起きた…
昔から何度もみて来た母さんの夢、俺が今はもうないあの家に向かって走っていて
そこには母さんがいる、大丈夫だこの後母さんがなんて言ってどうなるかわかっている
怖いけどもう慣れた
「それで…」
ん?こんなセリフだったっけ?
目の前に泣き出しそうな顔の男が現れる
「それで鋼のは私を助けてくれないのか?」
母さんがロイ…『大佐』に変わっていた
大佐の手が俺の服を引き裂く感触が妙にリアルだった
背中がスースーする…
見上げるとロイが起きた俺を見て硬直していた
「何してたんだ?」
「寝苦しそうだったから服を緩めてあげようかと…」
起き上がって拳を振り上げるとロイが目をつぶって身構える
俺はロイに力一杯抱きついていた
コイツはあの『大佐』じゃない
どう違うんだよと突っ込まれると困るけど…
今はアホで変態でムカつく俺の大事な『ロイ』だ
暫くロイに抱き付いてたら何とか落ち着いた
もう二度とあんな夢は見たくない
でもどうしてだろう…今日はヤな事がまだまだ続きそうな予感が…
ふと気づくとロイが妙に爽やかな笑顔でこっちを見ている
忘れていた…あの男『大佐』はいつだって前ぶれもなく現れるんだ…
自分がこんなにも現実逃避する奴だとは思わなかった
普段なら思い出すだけで赤面してしまう事を無理矢理にでも思い出そうとしている。
小さい頃ウィンリィをお嫁さんにすると言い出した事
川でアルと裸で水遊びしていたら服を流されてしまった事
修行中にうっかりおねしょしたのをアルのせいにしたのにあっさりバレて師匠に殴られた事
それから…
これが人生の中で一番恥ずかしくてなおかつ後悔している事
それはロイを好きになってしまった事
……今はロイの事を考えるのは止めておこう…
これじゃ現実逃避している意味が無い
俺は幽霊とか超能力なんて信じないけどあの鬱陶しい演出の夢は
もしかして予知夢なのか?
最悪だ出来ればまだ夢の中だと信じたい
さっきまでロイの胸にぎゅうぎゅう押し付けていたはずの顔が
今はソファーにぎゅうぎゅう押し付けられている、窒息するだろアホ
せっかくアルに買って貰ったワンピースは嫌な音をたてながら剥ぎ取られた、さっきファスナー半分下したんだから普通に脱がせばいいだろ、頭使えよアホ
でも良かった、たかが弟の彼女を紹介されるのに無理矢理慣れない
格好をさせられたムカつきがすっかり消えた
『来年結婚するんだ』とか言ってたアルの言葉も忘れられそうだ
男がさっきから自分の背中を舐めたり吸い付いたりしてるけど体がなんかむずむずするのは見えないから過剰に体が反応しているだけ
さっきから涙が止まらないのは…いい理由が思い付かない
全部この男のせいだ、アホ、死ね、やっぱりあの時殺しておけば良かった
だからそんなに舐めるな、脚の間に指を入れるのもヤメロ
ダメだ…もうダメだ、余計な事考えて現実逃避しようとしたけど自分の体が許してくれない
でもやけに大きい音でぴちゃぴちゃ音をたててるのは確実に俺のせいじゃない、絶対わざとだろオマエ
文句を言いたくても今口を開いたら文句以外の声が出そうだから絶対に開くもんか
悔しくて涙が止まらない、ロイを変えるなんてやっぱり無理だ
ロイの傍にいて、俺なりにロイを支えてきたつもりだった
でもそれはいつだってあっさり裏切られる
突然置いてきぼりにされる俺の身にもなってみろ
なんでだよ、俺はこんなにもロイの事が好きなのに見返りなんていらないとかきれい事は言わない
こんなに想ってるんだから見返りよこせ、俺の傍から居なくなるな
一人にしないでほしい
突然体を起こされて男の膝の上に乗せられた
心配そうに俺の顔を覗きこんで髪を撫でたりしてるけど誰のせいだと思ってるんだよ
オマエが泣いている俺を慰めるのが大好きだって知ってるんだからな
ほら、嬉しいだろ?
頭の中ではこんな事考えているけど本当は怖くて堪らない
余計な事考えて気を紛らさないとおかしくなってしまいそうだ