>499氏

「ふむ…」
目前の錬金術師を見た我は醒めた呟きを漏らす。
一体これは何を意味しているのか?
我の興味の対象はそこに移っていた。
戯れなのか?それにしても芸がなさすぎる。
この程度の行動など誰でも容易に出来るだろう。
しかしながらこの行動には他者など介入する余地はない。
では何なのか?この錬金術師は一体何を訴えたいのか?
我の脳裏にある推論が広がって来ていた。
そしてその推論はある時間を経て急速に、そして確実に我の脳を覆いつつあった。
「狂…人か…」
狂う。
それは常人ならば誰もが忌み嫌う呪われし状況であろう。
だがこの錬金術師はどうか?
余りにも現実離れした妄想から生まれる危険な言葉の数々。
しかも何を伝えたいのか?何を求めているのかが全く解らない
常軌を逸した行動。
「ふふ…」
我はつい笑みを漏らしてしまう。まさかこんなところで本物の狂人に出会えるとは。我の求めていた獲物とは、私の欲していた刺激とはまさにこのようなモノだったのかも知れない。
「笑止」
そして我は万物を破壊する右腕を錬金術師へとかざした。
せめて苦しまずに神の御元へと送ってやろう。
狂人のその報われない人生に、そしてその絶望的な未来にもう一度。
「笑止」

視線の先には全裸の鋼の錬金術師が

「びっくりするほどユートピア!
 びっくりするほどユートピア!」

意味不明な言葉を連呼、尻を叩きながら泣き叫ぶ妹の姿を追い掛けていたのだ。







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