desert
>459氏

生クリームがたっぷりとデコレートされている苺のショートケーキをフォークで一口サイズに切っては口に運び、
そしてたまに紅茶を飲む。
そんな動作を黙々と繰り返しているロイ子の姿を、エドワードはチラチラと見ていた。

(なんだか大佐、可愛い……)
微笑ましさを感じながら、エドワードは目の前の真っ白なレアチーズケーキをフォークでつつく。
これらのケーキはロイ子が用意してくれたもので、そして横に添えられている紅茶もロイ子が自ら淹れてくれたものだった。
「仕事で疲れぎみの時には甘いものが効くんだ」と言いながら、作業的にケーキを口に運ぶロイ子を初めてこのリビングで見た時は「そんなもんなのかな」と思ったりしたけれど、最近になってエドワードは「実はその理屈はケーキを食べる為の口実なのでは?」と思うようになった。

「ほら。鋼のも遠慮しないで、もっと食べなさい」 
エドワードの視線に気付いたのか、好きな物を取れ、とロイ子はケーキの入った箱をエドワードの方へと押した。 
あからさまに嬉しそうな顔はしないけれど、きっとロイ子は甘いものが大好きなのだろう、とエドワードは思う。
その証拠に、白いボール紙の箱の中には綺麗にデコレートされた甘そうなケーキがまだ十個も入っているのだ。
二人で食べるには、どう考えても量が多い。
(疲れには甘い物が効く、か……)
ロイ子が多忙な人間だということは周知の事実だ。
しかし、ロイ子がこれ程までも甘い物に目が無いというのは、きっと自分を含めて限られた人物しか知らないだろう。
成熟し、その身に匂い立つ色気を纏った彼女とケーキ。
一見、何だか不釣合いな様に感じるけれど、意外とハマっているような気もする。
ケーキの中でも一番カラフルで目を惹く、数々のフルーツで彩られているゼリーケーキを取り出して皿に載せると、エドワードはそれを一口サイズに切り分け、フォークで刺してそっと持ち上げた。
透明なゼリーでコーティングされたフルーツが涼しげで、甘い香りを漂わせている。
「大佐……」

食べてくれるかな、と思いつつ、腰を浮かしてロイ子の口元にそれを近づけると、躊躇うことなくロイ子はパクリとケーキを口にした。
ロイ子が唇に付いた生クリームを、赤い舌でペロリと舐める。
(うっ…、…やっぱり可愛い……)

最近エドワードはロイ子の事を「可愛い」と思ってしまうことが多い。

以前は、そんなことは絶対に思っていなかったのに、今のようにケーキを食べている時や二人きりで会話をしている時など、ふとした折にロイ子の事を可愛いと感じてしまうのだ。
(大佐は俺より十四も年上だし、大人の女なのに……) 
ロイ子はどんな時でもゆったりと余裕を持った大人の女性で、そして同時に敏腕な国軍大佐だった。
軍の業務で指揮を執る姿は誰が見ても格好良いものだし、発火布に包まれたしなやかな指先から焔を生み出す時の秀麗な横顔は、同性である女達でさえもが頬を染めて見惚れ、鼓動を高鳴らすほどだ。
どこを取っても、自分なんかよりも人間的に完成した立派な成人女性なのに、それなのにどうして「可愛い」なんて思ってしまうのだろうか。

「こっちに来なさい」
もっと近くで食べさせてくれ、とロイ子はゼリーケーキが載せられている皿を自分の方へと引き寄せた。
自分の横へ来て座れ、ということなのだろう。
照れで微かに頬を上気させながらも、エドワードはロイ子の方へと近づき隣に腰を下ろす。
「どうした?」
エドワードの気持ちを知ってか知らずか、暢気にティーカップを口元へと運ぶロイ子はクスリと笑う。
ソファに座り、優雅に紅茶を飲むその姿は格好良いもののはずだけれど、今日はそんな様子さえも可愛く見えてしまう。
(ヤバイかも……)
今日の自分は相当重症のようだ。
ロイ子の肌に触れたい、ロイ子の首筋に唇を寄せたい。
そんな思いが次第に募る。
ロイ子の顔をまともに見ることが出来なくなってしまったエドワードは、顔を伏せて紅茶を飲んだ。
時間が経てば、この気持ちの高ぶりも落ち着いてくれる筈だ。

「鋼の、食べないのならそのチェリーもくれ」
「あっ、う…うん……」
 ゼリーケーキの上にちょこんと載せられているレッドチェリーの長い枝を摘んでロイ子の口元へと近づけると、ロイ子は少し顔を傾けてそれを唇で挟んだ。
(うわっ…、…可愛いけど、なんかすっげーエロい……)
 チェリーを咥えるロイ子の唇は赤く濡れていて、チェリーが何故だか淫靡な物に見えてしまう。
(あの唇で、色々としてもらったら……)
思わず色々なことを想像してしまい、胸がドキドキと高鳴った。

唇に挟んだチェリーの枝をプツリと取ったロイ子は、口をもごもごと動かしてその赤い果実をを食べる。
今、ロイ子とキスをしたら、きっと甘酸っぱい味がするのだろう。
ロイ子とのキス。
あの魅惑的な唇と口付けを交わしたら、一体どんな気持ちになれるのだろうか。
(大佐……)
その紅い唇に引き寄せられるように、エドワードは何も考えずにそっとロイ子に唇を重ねた。
すぐに唇を離してロイ子の顔色を窺ってみたけれど、特に驚いている様子でもなかったし、怒っている様子でもなかった。
ロイ子が何を考えているのかということはエドワードには分からなかったけれど、たぶん、嫌がってはいないと思う。
「大佐……」
シャツの襟から覘く首筋に、そっと顔を埋める。
ほんのりと漂うトワレの良い香りに、エドワードの頭はクラクラとした。
しかし首筋に軽く口付けたところで、やんわりと身体を押し戻されてしまった。
「鋼の……待て」
「待てない」 
もう止まるなんて事は出来ない。
このままここでロイ子を抱いてしまわない限り、身体の火照りが収まる事は無いだろう。
性的な興奮で熱が高まった身体を抑えている事が出来るほど、エドワードは大人では無いのだ。

「…いいから、待て」
そう冷たく吐き捨てたロイ子は、エドワードの身体を押し退けソファに座り直した。
もしかして怒らせてしまったのだろうか。
不安になったエドワードはロイ子の横顔をじっと見つめた。
端麗なその表情は、怒りを表している、ような気もする。
口元に手を当てたロイ子は、何かを吐き出して皿へと捨てた。
よく見るとそれは桜桃の種だった。

「こんなものを食べていたら、キスもろくに出来ないだろう?」
自らソファに横たわったロイ子は、室内履きを床へと落とした。
それはパタリと音を立てて、床の上に散らばる。

「…来なさい、鋼の」
そう言ってエドワードに向い手を差し伸べるロイ子は、穏やかな表情をしていた。
「なぁ……この間もここで抱かれたな?」
エドワードの口付けを身体に受けながら、ロイ子は言う。
「確かあの時も、ケーキを食べている最中だったな……。
もしかして、鋼のはケーキを食べると欲情するのか?」
「えっ……と、…その……」
ケーキを食べるあんたが何だか可愛くて、なんて言える筈もなく、エドワードは適当に言葉を濁す。
だけど、ロイ子の身体を抱きたくなるのは、決まってケーキを食べている最中だった。
ロイ子の言う通り、自分はケーキを食べると欲情する体質なのかもしれない。

「あのさ……やっぱ俺に抱かれるのって、イヤ?」 
いざロイ子に覆い被さると怖気づいてしまい、どうでもいいことを訊いてしまう。
我ながらムードが無いな、と思った。
「ん? 嫌じゃないぞ」 
エドワードのベルトのバックルを外しながらロイ子は言う。
ロイ子の指はそのままジーンズのボタンを外し、そしてジッパーを下ろす。
「…まあ、確かに最初の時は「ちょっと待て」とも思ったが、今ではこうして抱かれるのも悪くないと感じている」
鋼のは、こちらの方もなかなか見込みがあるしな。
と、ニッコリ微笑みながら付け足され、エドワードは顔を赤く染める。
こういう場合は喜んでも良いのだろうか。

「キス、してくれないか」
ロイ子に強請られ、改めてエドワードはそっと唇を重ねる。
甘酸っぱいと思っていたロイ子の唇は、エドワードの予想に反して甘いものだった。
その甘さを十分に堪能したエドワードは、トワレの香りがする白くほっそりとした首筋に再び顔を埋める。
そして、目の前の身体に指を滑らせていった。
「……っ」
普段は涼しい顔をして、こっちが恥ずかしくなるような愛の言葉を囁いたりする人なのに、愛撫を施すと途端に艶めいた表情を見せてエドワードを惑わせる。
そんなロイ子を見ていると、胸が苦しくなって息苦しさを感じた。
締め付けられる胸から意識を逸らすように、エドワードは愛撫に集中する。

ロイ子に促されるままに、エドワードは荒々しくその衣服を取り去った。
床に無造作に放り投げた状態の服が、この際シワになることなどどうでもよかった。
今はもうロイ子の肌に触れたいという気持ちだけが、エドワードの心を唯一占めていることだった。
その感情のままにロイ子の身体に出来る限り密着するように肌を重ね合わせた。

「あ……」
ロイ子の唇から小さな吐息が洩れる。
エドワードはロイ子のきめ細かな肌の感触があまりにも気持ち良すぎて、擦り付けるように身体を動かす。
ロイ子は少し動く度に敏感に反応した。
「…あぁ…いい……」
その言葉を聞くやいなや、すぐさまロイ子の少し開いた唇に自分のそれを寄せる。
差し入れた舌はまるで待ち望んでいたかの如く、ロイ子の舌に絡み取られた。
その甘く身体を痺れさせるキスの快感は、エドワード自身の性を強力に反応させた。

エドワードの身体の異変にすぐさまロイ子が気付く。
密着していたゆえ、ロイ子にもその刺激が伝わったのだ。
どちらからともなく身体を離した。ロイ子の熱っぽい視線がエドワードのそれに注がれた。
それを知ったエドワードはロイ子の身体に手を伸ばす。

「……俺は大佐に凄く感じてる。大佐は?…俺のこと感じてるの?」
エドワードは少し恥らったけれども、それでも自分の身体が正直にロイ子を求めていることを隠し立てしなかった。
しかしながら、こんなことをエドワードが口にするのは初めてのことだ。
いつもだったらまずこんなことは言わないし、仮に言ったとしてももう少し間接的な表現を使ったに違いなかった。
エドワードは初めて自分の部屋でロイ子を抱くということにかなり興奮していた。
それも無意識のうちに……。

随分と己の欲望がいつもよりも、格段に増大しているような気がするのはむしろそのせいであった。
逆にその言葉に感じてしまったのはロイ子の方である。
あろうことかエドワードの欲情度がいつも以上に激しい様子にロイ子の胸も昂った。
エドワードが欲情している様は、なんとも扇情的で言いようの無い性的魅力を感じさせた。
そして、ロイ子自身の性にもじりりと熱い炎をつける。

「…鋼のに、感じているよ……」
ロイ子も素直に自分の思いを口にした。
しかし、今日のエドワードはいつものエドワードではなかった。
そのロイ子の言葉だけでは満足できなかった。
「言葉じゃわかんないよ…俺に、身体で教えて」
「えっ……?」
ロイ子の肩に顎を乗せる様な格好で、エドワードは後ろからロイ子を抱きしめた。

さり気なく胸を優しくもみ上げ、その先端を指の先で愛撫することも忘れずに。
「あっ……」
弱い部分をエドワードに攻められて、自然にロイ子は仰け反った。
そのようにしても背後にはぴったり身体を寄せているエドワードがいる為、ロイ子の体制には全く問題はなかった。
胸を触っていたエドワードの手がするりと下りると、ロイ子の両方の太腿を軽く抱えて左右に開かせた。
右手はそのままで左手だけをすばやく奥深く潜り込ませると、エドワードを迎え入れる秘唇を中指で向こう側から手前にすっとなぞった。
「いやっ、…はぁ…ん…」
その感触に昂った声をロイ子が上げた。更に今度はその指をゆっくりと何度も往復させる。
「大佐、もうこんなに濡れてる……」
ぬらりと蜜で光る指をロイ子の前に差し出した。

「…馬鹿……」
決して怒ってはいない、甘ったるい声音でロイ子がそう零す。
「感じてくれてるんだな……」
うっとりとつぶやくようにエドワードが言った。
そのまま指をエドワードは自分の口元に持ってゆく。
卑猥な音をわざと聞かせるようにロイ子の耳元で指をぴちゃりと舐めて見せた。

それに反応したロイ子は下肢を背後のエドワードの方に自ら擦り付けた。
エドワードの昂ぶりをわざと刺激するように。
「…っ……」
ぞくっと走り抜けた快感にエドワードは顔を顰めた。
「……駄目だってば、そんなことしたら、俺…もたないから……」
その言葉を聞いても尚、ロイ子はさらに腰を押し付けた。

「だ、駄目だって……けど、大佐がその気なら……」
手を後ろから前に回して、両方の胸を撫でるか撫でない程度の軽いタッチで、全体を撫で回し、更に焦らしたように先端を指先で何度も刺激した。
ロイ子の脚に自らの脚を絡ませて、軽く左右に開かせる。
「……ここ、どう?」
ロイ子が感じる部分を知っているくせに、確かめるようにロイ子に問いただす。
そんなことをしなくても、既にロイ子はエドワードに身体を預けたまま、快楽に溺れる声を上げ続けていた。
手持ち無沙汰になったロイ子の両手は、エドワードの程よく引き締まった太腿を自然と撫で始めていた。
それに刺激を受けたエドワードは、ますます変化に富んだ指技で、ロイ子の硬くしこった胸の先端に指を這わせる。
その温かく柔らかで何物にもかえがたい、豊かな胸の感触に我を忘れて、ただただ没頭し続けた。
もちろんロイ子の意識が快楽のみを追求するぎりぎりまでエドワードの愛撫は止むことは無かった。
クチュ、クチュと独特の水音が室内に響く。

「…ぁ………あぁ…っ……」
暗闇の中でロイ子の甘い声がその水音に伴って発せられていた。
エドワードは背後からロイ子の身体に、指を這わせ続ける。
より敏感に反応する胸の先端への愛撫はより丹念に行った。
そして、もう片方の手はロイ子の脚の間の奥へと消えていた。
予期した以上に大量の愛液が、エドワードの指を伝う。
それまで内奥を刺激していた指をゆっくりと引き抜いて、そのまま指に絡みつく温かなぬめりをさらにロイ子のなだらかなラインへと擦り付けた。

その部分の柔らかさと滑らかな感触にエドワードは目が眩むような思いをしていた。
さらに少し上部の肉に指を押し当てながら擦り付けるように動かす。
その瞬間、ロイ子の身体が新たな快感に反応した。
身体をくねらせる様のなんと妖しく、淫らなことか……。
「…や、ぁ……ふ…ぅん……」
指で刺激を加える度に、ロイ子の身体がビクリ、ビクリと強い快感の色を見せる。
「……もう…あっ…はぁ…っ……」
ロイ子の喘ぎ声に連動するように指を忙しなく動かした。
綺麗な人は、こんな時でも様になっている。

「我慢しないで……一度イっちゃっいなよ」
ロイ子が果てる時の表情を、じっくりと眺めたい。
そう思ったエドワードは身を乗り出してロイ子の顔をじっと見つめた。
普段はロイ子の顔をじっと見つめるなんていう事は、照れ臭くて絶対に出来ない。
しかし、今ならロイ子は瞳を閉じているので恥ずかしくは無かった。
ロイ子は抵抗することもなく、身体の力を抜いてエドワードの指先に神経を集中させる。
そして程なく秘所は、エドワードの指を痛いほどに締め付けた。
「…ん、…はがねの………っ」
達する瞬間、ロイ子は殆ど表情を崩さず、ほんの少し眉を顰めただけだった。
掌から手首にまで降り注いだ雫を、エドワードはそっと舐めた。
甘いケーキを食べた後なので、それは普段よりも酸味が強く感じられる。

ゆっくりと瞳を開けたロイ子は、大きく息を吐き出した。
「…お…まえ、少し意地が悪いぞ……」
「俺はただ、大佐に思いっきり感じて欲しかっただけだよ」
ロイ子が果てる時の顔をじっくりと観察してみたかった、という事は勿論内緒だ。
鋭いロイ子の事なので、既にバレてしまっているかもしれないけれど。
汗で額に貼り付く黒い髪を指先で掻き上げると、乱れた呼吸を整える間も与えずに、熱い身体を抱き締めた。

今まで僅かにぼんやりとしていたロイ子の視線が、妖しい光を放つようにエドワードへと向けられた。
「…鋼の……鋼のが、欲しい……」
エドワードにはそれで限界だった。
あやうくそれだけでエドワードの若い性は最高潮に達するところであった。
それを堪えてロイ子に圧し掛かると、荒々しく唇を貪った。
そんなエドワードの頬にゆるゆるとロイ子が手を伸ばす。

「…大佐」
「…きて……」
その言葉に従うように、エドワードはロイ子の脚を持ち上げると腰を押し当て注意を払いながら身体を沈めていった。
ロイ子の唇から、掠れた声が再度上がる。
完全に奥まで身体を沈めたエドワードはそこで胸に溜め込んだ息をゆっくりと吐き出した。
「……大丈夫? 大佐」
「…ん、…いいから……鋼の、そのまま……」
ロイ子の様子を確認しながら、ゆっくりと腰を動かし始める。
入れた当初から絡み付いてくるロイ子の内奥のえもいわれぬ刺激に、エドワードは意識を持っていかれそうになっていた。

「うっ……」
思わず、声を上げてしまったが、快楽の波を必死に耐え抜いた。
多少なりとも今日のロイ子の様子からしてみれば、常よりも早い段階で快楽を極めるのではないかと思ってはみたものの、それ以前にそこまで自分が持つのかどうかが心配になっていた。
とにかく、迫りくる己の快感を跳ね除けて、激しくロイ子を攻め立てる。
「…あぁ…ん……鋼の…ああ……っ」
声がひときわ高くなり始め、ロイ子の足先に力が入り出した。
それはロイ子が絶頂への階段を上り始めたサイン。
無我夢中でエドワードはロイ子の最奥へより身体を進めた。

「っ……ロイ…」
蕩けそうな声に意識を奪われ夢中で放った言葉。
「ロイ、好きだよ……」
「あ…、鋼の……」
ロイ子はエドワードにこれ以上ないほどのうっとりとした視線を投げかけ、次の瞬間仰け反った。
「…くっ…ぅ…」
強烈にロイ子の内奥がエドワードを締め付け、強く脈動する。
ロイ子の後に続くように、エドワード自身もスパークした。

熱い身体も心も冷めることなく二人に宿っている。
強く抱きしめ合っている互いの熱さに溶け込みそうな感覚を共有していた。

行為を終えた後、エドワードは互いの身体中に飛び散った互いの体液や汗を丁寧に拭い取った。
そして、ロイ子の衣服まで元通りに着せかけた今、自分の服を急いで身に付けている最中である。
リビングというこの場で、行為の残り香を残したままでいるという事が恥ずかしいのだろう。
「鋼の、とても気持ち良かったよ」
服の乱れを整えて、元のようにロイ子の横に座ったエドワードの頬に、ロイ子はキスを贈る。
「あ……」 
その口付けが嬉しかったのか恥ずかしかったのか、エドワードは顔を赤くして俯いた。

相変わらずだな、と思いつつ、ロイ子は食べかけのゼリーケーキを引き寄せて、再び黙々と食べ始める。
「えっ、まだ食べるのか?」 
行為が終わったばかりだというのに、何事も無かったかのようにケーキを食べ始めるロイ子に、エドワードは少し驚く。
「前にも言っただろ? 疲れた時には甘いものが効くんだ」
激しい責めをしてくれたエドワードに多少の毒を込めてそう言うと、エドワードは真っ赤になりながら、
食べかけのレアチーズケーキをフォークに刺して、自らの口に運んだ。

END?







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