少女
>866氏

暦の上ではもう初夏とはいえ、明け方の大気はまだ張りつめた冷たさを残している。
けれども今朝は、傍らにある心地よい温もりが、この体を包み込み心まで暖めてくれていた。
男の腕が女を抱くためにあるのなら、女の身体は男を包むためにある。

この腕の中にすっぽり収まる、華奢で小さな身体のどこにあんな大いなる力が秘められていたのか。
目覚め切らない意識で気怠い快楽の余韻を味わいながら、隣で眠る恋人の肌に触れると、無上の幸福感に酔いしれることが出来た。
体内にくすぶる昨夜の残り火が、涼やかな夜明けの風に揺らめき、消えかけてはまた身を焦がす。
曖昧な欲望を弄びながら夜と朝の狭間に漂うこの時間が、たまらなく好きだった。
何も考えず、ただ愛しさだけで心を満たすことが出来るから。
やがて彼女は目を覚まし、少し恥じらいながらこちら側へと眼を向ける。
そして、どちらからともなく交わす、朝のキス。
ごく軽く、唇を触れ合わせる程度に。
それ以上を求める気持ちと、それだけで満たされる気持ちとの微妙な境を探り合い、互いが見いだした答えに身を委ねる。
時にはふたりベッドの上で香り高いコーヒーを味わい、
時には互いの腕の中でいましばらくの平和な眠りをむさぼり、そして時には昨夜の愛の軌跡をもう一度なぞり返して想いを確かめあう。
エド子の瞳がかすかにゆらめく。
桜色の唇が、ほんのわずか開かれる。
それは二人の間で交わされる、声のいらない言葉だった。
眩しい朝日を浴びるエド子の肌に、うすく汗が光る。
小鳥のさえずりに混じる甘い吐息が、うららかな陽気にとろけて濃密にまとわりつく。
爽やかな目覚めの時刻を黄昏色に染め変える透明な露を滴らせ、夜に咲く薄紅の秘花が時を欺いてゆっくりとほころんでいく。
その花弁に触れて紅く腫れた花芯を撫でれば、豊潤な蜜を溢れさせて瑞々しく艶やかに咲き誇る。
そっと自身を押しつけると、エド子は背をしならせてゆるやかに腰を蠢かし、私を奥へと導いた。
ぬめらかな内壁がこの灼熱を誘い入れ、絡みつき深く引き込んでいく。
少し身をひいて焦らすと、彼女はこの背に腕を廻してしがみつき、堪え切れぬといった風情で求め身体をすり寄せてくる。

この手で咲かせた華。
無垢な笑顔の裏に淫靡な表情を潜ませて、彼女は私の望むとおり、最高に艶やかな華となって咲き誇ってくれた。
愛しい少女をきつく腕に抱いて、私はゆっくりと
深く、深く、溺れるようにエドワードという甘美な海に沈み込んでいった。









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