姉妹
>929氏

目の前ある牛から分泌された白濁色の汁を睨む。
「牛乳は栄養あるんだから飲みなさいよ」
人の心を読み取るようにウィンリィは言ってくる。
「だ−誰がこんなモン飲めるか!!」
「そんな事を言ってるからあんたはいつまでも豆なのよ!!」
いつもの光景が広げられる。
「姉さん牛乳は栄養があるから飲まなきゃダメだよ」
普段ならもめ事の仲裁に入る妹も、この事ばかりはウィンリィの味方をする。
その事もエドにとっては気に入らない。
「良いよなアルは胸とか身体とかも大きくて」
頬を膨らましてそっぽを向く。
その言葉にアルもカチンときたようだ。
「ボクだって好きでこんな身体になったんじゃない!!」
普段は大人しく大声を出す事のあまり無いアルの変化に、他の2人が固まる。
「胸だってじろじろ見られるし、体重も姉さんより軽いのにぷよぷよしてると言われるし…」
半泣き状態でアルが訴える。
「もうヤダ!!」
泣きながらアルは部屋の外に飛び出していった。
「なんか…なんとも言えないんだけど…」
女としてうらやましい悩みだ。エドに比べアルの方が柔らかく見えるのは筋肉の量の差なんだろうと冷静にウィンリィは考える。筋肉は重いし…。でも口には出さない。
胸も普通よりも大きいから、男の人の目を引いてしまうのだろう。
それよりも自分の失言に妹を泣かせてしまい、落ち込んでいる姉に向かって牛乳瓶を差し出す。
「ほらあんたもこれ飲んで、アルに謝りに行きなさい。そしてこれからも牛乳飲んでアル位大きくなりなさい」
胸は無理だと思うけど、などとはこちらも口に出さない。
エドはのろのろと差し出された瓶を手に取る。
姉としてのプライドや優しさと、目の前の天敵、どちらが勝つかは謎である。

 糸冬







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