黒百合
>10氏

古風な造りの立ち並ぶセントラル中心部の居住地区に1人の少年の姿があった、薄手のノースリーブと下はスパッツと腰巻き。
端から見ると随分おかしな格好だ。
人前に出る時はそれなりにお得意の変化能力で融通を利かせている為、全く問題ない。
少年の寝転ぶアパートらしき建物の屋上の縁から見下ろす風景は人々が雑多に行き交い生活するいつもの姿。
それを眺める横顔と長く跳ねた髪が心地よい春の風に揺れている。
「こういうのもいいよね…。」
そして思い立ったかのように、ビルからふわりと羽根でも舞い落ちるかのような軽さで建物の影に降り立ち雑踏の中へ消えていった。

「遅いわねぇ……一体何をやっているのかしら?」
カフェでカプチーノを片手にけだる気に溜息を付いたのは先程の少年と同じく全身黒で統一された1人の女。
その一挙一動が辺りの男が一目見ただけで魅了されてしまうような危うい蜘蛛の巣のような美しさだ。
しばらくすると
「ゴメン、ちょっとのんびりしちゃってさぁ〜」
何とも間延びした声で先程の少年が現われた。
さり気なく目の前の椅子に行儀悪く斜に腰をかけ先程とは違って人前なので服装も多少落ち着き気味である。
しかもその姿はは少年の身体から女性の身体へと変化していた。
「待った?じゃ無いわよ。
 今日はお父様に報告を入れる日でしょう?」
その美しい唇が軽くとがめるように言葉を紡いだ後、残りのカプチーノをゆっくりと飲み干しテーブルに代金を置いた。
「へぇ…チャイナも結構イイじゃん?
 いつものおばさんより綺麗に見えるんだけど…気のせいだよね?」
いつもの口調で珍しく褒めるようにその女に言う。
「あら?褒めても何も出ないわよ?」
そう語っているうちに、金髪で背の高い青年が薔薇の花束を抱えてやって来た。
「っと…ソラリス!
 遅れてゴメン…待った?」
嬉しそうな顔で女に話し掛けるその男はどこかで目にした事がある。
(確か…焔の大佐の側近だったっけ?)
「いいえ、私も今来た所。」
女もそれに答えるように妖艶に微笑む。
回りの男達が息を飲む音すら聞こえてきそうな程だ。
「で…こちらさんは?」
早速その少女に気付いたのか金髪の男はじろじろとその少女を見回した。
目の色も髪の色も雰囲気も似ているから、多分身内だと思ったのだろう。
その視線には敵対の視線と言うより親しみの視線が送られていた。
「ええ、ジャン…この子は私の妹なの。
 貴方の事が気になるって付いて来ちゃって。」
困ったように語る女の口調は造りもの。
(あーあ…不味い所に出くわしちゃったなぁ…
 僕も合わせておかなきゃ行けないんだよね。
 一応血の繋がりって事は間違っていないんだけど。)
その言葉に続けて
「ウチの姉がお世話になってます〜」
と間延び気味の挨拶をしておく。
すると、その男の手が愛しそうに女の方に回された。
「へぇ…妹さんがいたんだ?」
男は更に女の額にキスまで振らせている。
それを愛しそうに受けている姿を見て二つ名と同じ嫉妬の気持ちが芽生える。
(造ってるってわかってるんだけど…何かむかつくなぁ。)
二人を少し困らせてやろうと
「ねぇ、姉さんとどこまで進んだ?」
「姉さんさ、胸大きいからねー凄いだろ?」
と矢継ぎ早に質問を浴びせかける。
その言葉に慌てたように女は何時もの調子で
「こら!いい加減になさい!」
と叱咤する。
それに合わせて自分もいつもの調子で
「じゃねー、まぁ…楽しんでおいでよオ・バ・サ・ン!」
いつもの茶々と共に軽やかに席から脱兎する妹の姿。

その姿を少し憤慨の残る顔で見つめた女の横顔を見た金髪の男は
「はは…ソラリスの怒った顔が見れた!」
といかにも嬉しな笑いを浮かべている。。
本当にやり手なのだか、天然なのだか良く分からない男だった。
かと言って今までの男とは違って…即座に肉体関係を求めたりはせず食事や映画を共にするだけでその表情は晴天の様に笑顔を浮かべる。
天然記念物の様な男だと思った。
それでもあの子の前ではこんな男なんて有象無象の1人に過ぎないけれど。

その後…男とのデートを終えての帰り道、辺りも闇に押し迫った頃
「で、収穫の方は?」
あの少女の声が上の建物から響いた。
ふぅ…と溜息混じりに
「駄目、今日も全然何も手に入らずよ。
 それに、あの男…信じられないくらい純情なの。
 こっちからどう出たらいいか分からない位。
 あんたも、もう少し純情だったらいいんだけど。」
そして…旧い一件の建物の中へと辺りを見回しさっ…と入る。
そこは彼等がセントラルに滞在する時に使っている建物で随分旧い。
元は軍の迎賓館として使われていた物を憤怒が自分達の為に用意してくれた。
内装はシンプルかつ計算されたかの様な配置の美しさだ。
「ただいまー」
少女がいつもの姿に身を翻して変身し、居るであろう誰かに向かって話し掛ける。
「ただいま、帰ったわよ。
 いい子にしていた?」
子供に話すような優し気な声で女が語りかけると柱の影からひょっこり現われたのは肥満体の男。
その表情と動作は幼く、まるで大きな子供のようだ。
「ラストーエンヴィ−おかえりー
 おなかへったー。
 いいこにしてたよー」
その頭を愛おし気に撫でているラストと呼ばれた女の姿を見て
「姉さんかぁ………そうなんだよね。」
エンヴィ−と呼ばれた少女は感慨深けに呟いた。

自分に割り当てられた部屋のベッドにぽすんと体を横たえる。
構成は人間と同じだから腹も減れば眠気だってある。
御飯はさっき、適当に済ませて来たし……何か眠いからシャワーでも浴びて寝ちゃおうかと思ってシャワー室に入ると…今まで髪を梳いていたラストに腕を掴まれた。
「ん?どうしたのさ。」
「折角だから背中くらい流してあげるわ。」
何だか微妙に口調が優しいので取りあえず甘えておく。
「じゃ…お言葉に甘えちゃおっかな〜」
シャワー室にある小さな椅子に腰掛けてスポンジで泡立てる。
カモミールの香りが辺りに広がり溜息を付く。
すると突然背中に柔らかく妙な感覚が加わった。
「ちょっと…背中に押し付けてるソレ……。」
また、おかしな事をされると思い…びくんと反応してしまう身体。
「たまにはいいじゃない?
 それに…その姿、とても可愛いわ。」
それなりに大きい胸の上をラストの手が優しく石鹸の泡を伸ばして行く。
「ふぅ……っん。」
知らず知らずのうちに鼻にかかるような声を上げてしまうのは何故だろうか?
「あら…今日は普通に洗ってあげているだけなのに
 随分感じてくれてるじゃない?」
その指が胸の上にあるピンクの突起をきゅっと摘む。
「やぁっ…う!
 ちが…!変な所触らない…でよ!」
そこから上がって来る熱とむずむずする体を捩らせると
石鹸でぬめった手が更に刺激となって伝わった。
「うふふ…あの時はごめんなさいね。
 ジャンがキスした時、嫉妬するような目で見てたじゃない?
 あの目が嬉しかったの…。」
頬に軽くキスを落とされ
背中から柔らかい肉がのしかかる感覚と体温を感じて…
優しくその腕に抱き締められていた。
「…何かコレ、そんなに嫌じゃ無い……。」
目を閉じてその腕に触れると滑るように腰に伸ばされた指が身体をなぞって行くけれどそれは本当に壊れ物でも扱うように優しく熱を植え付けて行く。
「ふぅ……っん」
撫でられまさぐられる度に出てしまう吐息と…ぼぅとしてくる意識。
自分でも気が付かないまま…その唇は繋がりを求めるかのように、女の唇に吸い付いた。
目を閉じながら息を付く事も忘れて一方的に貪る舌を受け止めるように女の表情がふっ…と不敵だが柔らかい笑みに変わる。
少女と熟れきった女、二人のそのぴちゃぴちゃとお互いの舌を絡ませ合う姿は艶淫な図を描ているようにも思えた。
血色が悪いとさえ思えたその肌は桃色に紅潮し、目元に浮かぶのは涙。
…不意にお互いの口が離れ銀の糸が引いた。
はぁはぁゼぇぜぇと苦しそうに息を付く少女が虚ろげな視線を宙に泳がせる。
(何…なに…なんで……気持ち……良すぎ……るよ……)
だが、その目は身体に篭る熱をどうする事も出来ず、縋るような視線を女に向けていた。
大理石の床に置かれている、旧いが上品な琺瑯造りのバスタブに女が赤い薔薇の花弁を散らした。
甘い匂いがふわりと鼻をくすぐる。
身体を軽く抱きかかえられて、柔らかくて気持ちの良い膝の上に座らされるようにバスタブに身体を横たえると
「…綺麗でしょう?」
胸を揉まれ…先端の蕾をきゅっとやられる度ガクガク揺れる腰と背中。
ぼんやりとする頭と火照る身体にその温くて暖かい湯と甘く濃厚な薔薇の香りがますます意識を蕩けさせるよう。
そして…膝が浮いた瞬間、秘部を滑るように指が走り
「ふぁっ!!」」
ぱしゃんと湯の飛沫を飛ばして突然の強い快感に目を見開く。
「駄目じゃない?
 もうこんなに…させちゃって…」
肉を浅く掻き分けるように少女のまだ未発達な秘部と膨らみ始めた宝石にそこから分泌された湯とは違う
ぬらついた液体を擦り付けるよう、指が微妙なストロークを描き少女にあられも無い声を上げさせた。
「ぁあ……んッ……
 ひっ…………んっ…くぅ……ん……ふぅ……ぁっ!」
しゃくりあげるような声を上げ、再度飛沫を飛ばす湯面と反り返る身体。
軽く達した身体の汗を洗い流すように女の手が肩に柔らかいスポンジを当てるのにも感じてしまう身体が怖くなってしまい、不安な気持ちになる。
その複雑な気持ちを抱えたまま…
一通り身体を清め、バスタオルを巻いた姿のままクイーンサイズのベットに寝そべった。
「どうしたの?いつもの貴方らしく無いわ?」
今だ快感にぼぅとする表情のまま、目を伏せ
「治まらないんだ…熱が。」
その言葉に驚いたようなそぶりで
「あら?淡白だったと思ったんだけど…
 やっぱり女の子の身体じゃ違う物でしょう?」
濡れ髪のまま振り向いた姿は薄手のネグリジェから股間の茂みが透けていた。
「うん…まぁね、驚いたよ。
 それにしても…それ、凄いよね。
 どこでそう言うの見つけて来るんだか。」
感心するように言った言葉はいつもとは違って嫌みでは無く興味本位の篭った言葉だった。
「軍の老人達が勝手に送って来るのよ…
 『ソラリス、愛してる』
  だなんて言うカードを添えてね。」
その手が少女の纏っているバスタオルを落とし、もう片方は茂みに潜り込ませた。
くち…と言う濡れた音は欲情の印であろう、薄く笑った表情は二つ名そのものに見える。
その手の上に少女の手が重ねられた。
「さっき気持ち良くしてもらったし…するよ?」
恥ずかしそうに呟いたその表情が下へと潜り込む。
女の豊満な太股を開かせ…愛液で濡れたそこに舌付けるとじゅっと甘い愛液がしとどに分泌される。
「ん…。」
執拗に感じる所を狙って這い回り突き込まれる舌と指に堪らなくなったのか、女の指が自らの乳房を揉みしだいた。
ぴちゃぴちゃと音を立てて懸命に愛撫する姿を見ているだけで、増々濡れて来る。
「ぁ……!」
思いもかけない所に歯を立てられて、身体が震えた。
「ラスト………綺麗……。」
その姿を見て自然に漏れた少女の声。
その身体に覆い被さり、いつもの姿に戻ろうとするのだが変身が出来なくただ、青白い光が微かに反応するだけだ。
「あれ……?
 く…ぁん……っ」
変身出来ずにいる少女の身体を逆に押し返すように女の身体が組み敷いた。
同時に愛液で潤んだ秘裂を確かめるようにさすられる。
「このままでも……いいじゃない?」
ぺろりと唇を舐めたその仕種の艶かしさにごくりと唾を飲む。
「どうやって…?」
その言葉を言い終わらないうちにベッドの横の棚から女が取り出したのは微妙な角度で対照に2本の男根を模した張方が取り付けてある淫らな器具。
「やっぱりそれも……?」
うんざりとする顔で聞いた少女の頬にキスを落として
「ふふ…いつか貴方とする時の為に作っておいたのよ?
 ちょっと、色々手間だったけど。」
その言葉に天地がひっくり返るような驚きで少女は後ずさる。
「…ぇえ!?」
その足を掴まえその先端を秘裂にすべらせるように動かすとくぐもった悲鳴を上げて恐怖の表情を浮かべた。
「優しくしてあげるわ…初めてなんでしょう?ココ。」
不安げに広げた足の間にそれは徐々に埋まって行く。
「うっ……く……」
異物感に身を捩る、それは少女のそこに入るとは思えない長さと太さだ。
「ほら、力を抜かないと痛いわよ?」
愛液でぬらついた指で秘裂の上の赤く熟れた突起をぬるぬると愛撫する。
「ふぁ…はぅあ……」
甘い声を上げた瞬間、女の手がそれを一気に押し込む。
「っっぁ!!!」
突然の衝撃と痛みにびくんと身体を硬直させ、涙が流れる。
噂には聞いていたけれどこんなに痛いものだったなんて……
異物感と内臓を押し上げられるような感覚が辛い。
「あら……やっぱりアイツのじゃ大き過ぎたかしら……?」
(アイツ………?誰かのを型取りしたやつなのかな?)
釣ら抜かれた其処からは一筋の血。
自分のここを女にしてしまった張り型の持ち主の相手くらいは知っておきたかった。
「ん……それ…誰?」
女は入ったばかりのそれに跨がりながら深い息を吐いて腰を落として行く。
同時に強い圧迫感が中の痛みを強くした。
「っあ…痛っ!!」
ぎゅっと閉じた目からはらりと涙が溢れる。
「そうそう、アイツ…グリードのよ。」
その言葉で少女の顔は正に死刑を執行された囚人のように青ざめた。
「嫌だ!抜いて…!抜け!嫌っ!!」
そして、女の下で激しくもがき…抜くように訴えかける。
が、その動きが逆に快感を掘り起こしてしまったのか、抵抗はどんどん鈍くなって行き…声にも艶が混じる。
「ぁん……いいわよ、エンヴィ−……んふ……。」
おまけに腰もくいくいと擦り付けるような動きでそれを味わっていた。
「はぁ……んっ、はっ…ぁああ…抜いて……ぇ」
その結合部からはぐちゅぐちゅとした耳を覆いたくなるような水音が響く。
がくがくと力の入らなくなった腰を小刻みに痙攣させつつ、喘ぎを漏らす身体の少女の腰を不意に押さえ付けた女が問う
「ふふ…いいの?ここからどうして欲しい?」
解放出来ない熱のまま腰を止められた少女は涙で霞んだ視界のまま
「っ……ラス……トの好きにっ………。」
その答えを聞いた女の口元が妖しく笑った。
「じゃあ…自分が気持ちいいように動いて御覧なさい?」
覆い被さっていた体勢から身体を入れ替える。
「う………んっ…ん。」
肯定なのか首を振る仕種を見せた少女がゆっくりと腰を上下させた。
途中、感じてしまう所に当たったのか…びくんと身体をそらせガクンと腰を落とす度泣き声の混じったような喘ぎをあげ、快感を貪るようにそれは徐々に激しくなる。
「ひっ…ぁあん!っあん!っふぁ!」
満足そうに目を細め吐息を落とす女とは対照的に断続的な声を高らかに張り上げる少女の艶姿はどんな男も虜にしてしまいそうな、危うい美しさだった。
「どう…?イっちゃうの?」
その言葉すら耳に届いていないように少女は憑かれた様に腰を振る。
頃合を確かめたのか、その結合部の上にある赤く膨れた突起を愛液に濡れた手でぐりぐりと押しつぶすと
「っあぁっ!、やっああ…んはぁつ…………っ……ひっぁああう!ん……っ!」
正に跳ねると言う言葉が当てはまるように少女の背がきゅっと後ろに反り返りびくびくと小刻みに身体が痙攣する。
女も浅い息を交互に付きながら、少女の頬に貼り付く髪を掻き揚げキスを落とす。
「…なんて…可愛いのかしら。
 ホント、生きているうちにアンタにもあの子の事を知ってもらいたかったわ。
 アンタもあの子の事…好きだったものね。」
秘所から愛液でびしょ濡れになった黒い張り型を抜き取り、その表面を愛しそうにぴちゃりと女の舌が這う。

次の日。
気の遠くなるような程の地下深くに作られた実験場の大空洞の静寂を裂くように凛とした声が響く。
「お父様、例の書類はこちらに。」
女が手渡したのは束になった書類
ヒューズ中佐が死ぬ真際に調べていた書類と同じ物だ。
「所で……エンヴィーの姿が見えないのだが?」
いつも、彼の事を気にするそぶりも見せないだろう男が珍しくも問いかける。
続いて肥満体の男も
「エンヴィーどこ?どこ?さびしいよー」
とだだっ子のように腕を振り回す。
「疲れているようだったので…休ませてありますわ。」
その表情に何か不思議な物を感じたのか?
「ほぅ…珍しいな。
 ラストよ…アレはまだ自分の事を恨んでいるだろうか?」
苦悶にも似た独白を呟いた男。
「心配しないで…お父様。
 私はあの子を愛しているわ?
 お父様もあの子の事を愛しているでしょう?
 あの子は気付いて無いけれど…
 …それでもいいの。」
そう微笑んだ顔は慈母のように優し気だった。

(終)








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