情事の前
>563氏
シーン:ラブホについた二人。早速服を脱ぎはじめるロイ。
エド
「あ、ちょっと待って」
部屋につくなり服を脱ぎ出した大佐に、思わず声をかける俺。
お預けを喰らった犬の様に、大佐が俺を見つめる。
「なんだ?」
鼻を鳴らすような声で大佐が言う。・・・かわいいな。
「あ、いや、長旅の後だからさ、先にシャワーを浴びようと思って・・・」
列車でも走り回ったしな。ここにくるまでも、汗臭くないか気になってしょうがなかった。
「気にする事はない。私はむしろそっちの方が・・・」
・・・まあ、大佐って匂いフェチだもんな・・・って、やっぱ気になるよなあ・・・
「久し振りなんだからさ・・・ゆっくり行こうぜ。明日の朝まで時間はたっぷりあるし・・・」
うん。がっつくのもなんだしな。折角の大佐との夜を簡単に終わらせたくない・・・
ロイ子
「・・・そうか。では、私も・・・」
「へ?」
?な顔をするエド。なんか変な事でも言ったか?
「私も仕事帰りだ。汗をかいているぞ」
「いや、だからって一緒に入らなくても・・・」
これから逢瀬を楽しもうと言う恋人同士が、一緒にシャワーを浴びるのは当たり前だろうに・・・
「義手義足の身体ではなにかと不自由だろう。私が背中を流してやろうと言っているのだ。大人しく従え」
ちょっとふざけて言ってみる。
「別に不自由なんかしないってば!!大体恥ずかしいだろ・・・」
「・・・私と入るのは恥ずかしいか?」
今度は可愛く拗ねてみる。柄にもなくちょっと照れる。
・・・こういうレクリエーションは楽しい。エドと一緒にいる事を実感できるから。
「・・・わかったよ・・・まったく・・・大佐は我が侭だなぁ・・・」
エドが溜め息まじりに苦笑する。
「ふふふ・・・」
私もおもわず笑った。
こんなに楽しいのは久し振りだな・・・
と、ふと思いながら、私は彼の手を取りゆっくりと脱衣場へ向かった。