♂×♀
>762氏
「ふう、いいお湯だった」
自宅に帰り、バスタイムを楽しんだロイ子は、タオルで髪を拭きながらリビングを通り過ぎ、全裸でベッドルームのドアを開けた。
同時に激しい錬成光が。
「なに!?」
脳裏に、ブービーやトラップ暗殺の文字が過ぎり、慌ててドアから飛び退く。
間もなく錬成光が消え、中から軍服を着た男が現れた。
「ここは…、私の寝室? やったぞ、古代遺跡にあった転送錬金術は成功だッ!!」
以上の事から、ロイ子は男が錬金術師で、錬金術の研究中、なんらかの手違いでここにやって来た事を悟った。
リビングに放置していたジャケットから発火布を出して装備し、身体にバスタオルを巻き付けると、ロイ子は男に声をかけた。
「残念ながら、貴男の研究は失敗ですよ」
ロイ子の声に驚いた男が身構える。
「君は、誰だ!?」
「それはこっちの台詞だ。勝手に人の寝室に不法侵入しておいて、ぬけぬけと」
「は? アメストリス軍の大佐たる私が、女性の部屋に不法侵入だと?」
「アメストリス軍の大佐だと? 見たことのない顔だが?」
「私は国家錬金術師のロイ・マスタング。所属は東方司令部。階級は大佐だ」
「嘘をつくな! 東方司令部のマスタング大佐は私だ! この偽物め!」
「なに!?」
「私の名は、国家錬金術師のロイ子・マスタング。以下同文だ」
「そんな馬鹿な!!」
「貴様、何物だ! 返答次第では消し炭にしてくれる!!」
「ちょっと待て! その手袋の錬成陣…。何故、それを?!」
「問答無用!」
ロイ子の発火布から火花が散った。
だが、マスタングと名乗る男は炎に包まれる事はなかった。
「なっ!?」
「そう驚くことはない。発火する原理が判っていれば、防ぐ事はたやすい」
「その手袋の錬成陣は、私のサラマンダーの!?」
「そう、同じ錬成陣だ」
「まさか、この錬成陣を使いこなすとは…一体どういうことだ!!」
「私の話を聞いて下さいますか、美しい方」
「ロイ子でいい。とにかく、この状況では貴様の話を聞くしかあるまい。とりあえず、着替えがしたい。リビングで待っていてくれないか」
「私としては、そのままの方が……おっと、冗談ですよ、マドモアゼル」
キザな仕草に呆れながらマスタングを追い出すと、ロイ子は溜息をついて部屋着を身につけ、薄化粧を施し、リビングに戻った。
小一時間ほどたっただろうか。
ソファに並んで座り、説明を聞いていたロイ子は大きく頷いた。
「なるほど、理屈はわかった。つまり、貴男は平行世界のどこかにあるアメストリスのもう一人の私…ということなんだな?」
「こういう場合、パラドックスが起こり、どちらかが消滅する可能性があるわけだが、幸か不幸か、私は男で、貴女は女性。性別の差があったことで消滅を免れる事ができたんだろう」
「なるほど、一応、筋は通っているな。しかし、どうやって帰るつもりだ?」
「錬成陣を自分用に手直しはしてみたものの、この空間移動用の錬成陣は未完成でね。出来れば、貴女の力を貸していただきたい」
「まあ、そうする他はないだろうな」
「それで、この錬成陣なんだが、どう思うかね?」
「そうだな…」
テーブルの上の錬成陣を覗き込もうと、ロイ子が身を屈めた。
カーディガンの下、キャミソールの襟元から零れださんばかりの大きな胸に、マスタングの目が釘付けになる。
ロイ子と話すことで、転送先を誤り半ばパニック状態だったマスタングも、相手を見る余裕が出来てきた。
ロイ子はマスタングが出会った中でも、最上級の女である事は間違いない。
ロングスカートに包み込まれた張りのある尻に、不釣り合いな程、細くくびれたウェスト。
そして、豊穣にして瑞々しい胸。
黒い瞳は理知に輝き、肌は抜けるように白く、烏の濡れ場色をした黒髪。
ふくよかな珊瑚色の唇を見つめていると、思わず奪ってしまいたい衝動に駆られてしまう。
マスタングの脳内では、ロイ子攻略の作戦会議が始まっていた。
(あまり時間をかけたくない。とりあえず、同情を煽る事はできた。問題はこれからだ…)
東方司令部の撃墜王が、胸の谷間を見つめながら考え込む。
「言っておくが、私の胸には完成した錬成陣は描かれていないぞ」
「いや、申し訳ない。あまりにも見事な胸元だったもので」
「よくそう言われる」
「だろうな。ところで、立ち入った事を聞くが」
「彼氏ならいる」
「なるほど。この世界の男たちが、貴女ほど魅力的な女性を放っておくわけはないか」
マスタングのおべんちゃらに、ロイ子は表情を曇らせた。
「複数はいらない。愛する男性は一人でいい」
「…」
「ところで、おまえの世界には、マース・ヒューズはいるか?」
「ああ、いる」
「どんな奴だ? やはり女なのか?」
「いや、男だよ。親馬鹿で悪い奴じゃない。こういう言い方は照れるが無二の親友だな」
「そうか…」
「なんだ?」
「いや、いいんだ。そうか、向こうのヒューズも結婚をしているのか」
悲しげな瞳をして微笑む彼女に、マスタングは仮説をたててみた。
「不倫は辛いだろう。まして、遠距離恋愛では」
「何故、それを!?」
「あいつは、男の私からみてもいいヤツだ。私が女なら、間違いなく惚れている」
「そう思うか?」
「ああ。思いやりがあって、社交的で頭もいい。もし君が彼に惹かれているなら、それは仕方のないことだ。そして、あいつも君に惹かれるだろう」
「…そうかな」
「こんなに美しい女性を、放っておける男などいない」
「優しいな、君は」
「ある意味、貴女は私だ。自分が異性にモテないわけがない。私は自惚れ屋なんだ」
「なるほど。そして、女を口説くのも上手い」
マスタングの太腿の上に、そっと手を置き、ロイ子はその魅惑的な瞳で見あげてくる。
「そんな目で見ないでくれたまえ。貴女には恋人がいるんだろう?」
「ここにはいない」
「だからといって、他の男に現をぬかすのはいけない」
「他の男じゃない。貴男は私だ」
肘に触れる胸の柔らかさに、マスタングは少し身を引いた。
「ロイ子、君は過ちを犯そうとしてる」
「過ちなら、いくつも犯してきた。今更だよ。それとも、君は怖いのかね?」
「何が?」
「私が」
肩に手を置いて耳元で囁くロイ子の髪から、ふわりと薔薇の花の香りがした。
「怖いよ」
太腿の上の手を握りマスタングは溜息をついた。
「君に溺れて、帰るのが嫌になることが…ね」
そう言った舌の根も乾かぬうちに、マスタングはその柔らかな唇を奪った。
男の手は性急だった。
スカートを捲り上げ、焦らす様子もなくショーツの中に忍び込んでくる。
女は拒む様子もなく、コーラルピンクの口紅が剥げるのもかまわず、夢中で彼の唇をむさぼっていた。
舌を絡め合い、口の端から混ざり合った二人の唾液がしたたり落ちる。
歯がぶつかり、唇を離して、二人は苦笑し、再び、ゆっくりと唇を合わせた。
女のもう一つ唇を、男の指が這い回る。
そこは、しっとりと濡れて熱を帯び、侵入してきた男の指を優しく包み込んだ。
「ん…ッ」
女が小さく呻き、もどかしげに腰を揺らす。
膣内を擦るように迪送してやると、女は頬を朱に染めながら小さな溜息をもらした。
男は空いた手でカーディガンを脱がせ、キャミソールの肩ひもを落とし、彼女の豊かな胸を窮屈な布の中から解放する。
乳輪は思っていたより小さく、乳首はツンと尖って存在を主張していた。
腋から掬い上げるように揉みしだき、その質量を実感する。
手に吸いつき押し返してくる白い肉塊に口づけ、乳首を舌で嬲ると、突然、体内に差し込んでいた指に柔肉が絡みつき、きつく締め上げてきた。
「ほう…」
あっさり指を受け入れたので、緩いのかと思っていたが、案外そうでもないらしい。
丹念に乳首を舐め、舌で転がし、吸い上げる。
呼応するかのように、膣壁が蠢き、ヒクヒクと震えて男の指を奥へと誘い込もうとする。
一旦、途中まで引き抜き、ザリザリとした場所を探り当て、優しく指の腹で押し上げてみた。
「やッ…アアン…そこはッ…ああ…」
弱い場所を探り当てた男は、乳首を嬲るのをやめてスカートをたくし上げ、ショーツを降ろす。
迷うことなく黒い被毛に覆われた割れ目に顔を埋めると、腫れ上がったクリトリスを舐め、軽く吸い上げる。
「イッアアッ!!」
背を反らし、女が身悶えると大きな胸がタプタプと揺れる。
絶景を目の当たりにした男は、ふと、あることを思いついた。
「君、頼みがあるんだが…」
「…えっ?」
「ちょと、挟んでもらえないかな。その…胸で」
女はポカンとしていたが、すぐに男の要求に気がついた。
「パイズリ、好き?」
「そういうわけじゃないんだが、その胸を見ているとつい試してみたくなる」
「ふふ、正直な人だ」
笑いながら、ロイ子はベルトのバックルに手をかけた。
男のものは、厚い制服の生地越ししからでもわかる程、大きく逞しい。
期待に胸を膨らませ、ジッパーを降ろし、下着越しに触れて息を飲む。
硬い。
そっと下着を降ろし、思わず声をあげた。
「スゴイ…」
マスタングの逸物は、その名に相応しい大きさを誇示し、隆々とそそり立っていた。
亀頭は先端から滴る液で濡れ、黒光りする幹はゴツゴツと血管を浮き立たせている。
「ああ…、なんてスゴイ…」
ロイ子は引き寄せられるように、マスタングの物を唇の中に納めていた。
口の中いっぱいに、濃厚な雄の味が広がる。
両手で竿を扱きながら、夢中でしゃぶり始め、ふと気がついて慌てて胸で挟み込んだ。
深い胸の谷間は、いともたやすくに太い竿を包み込む。
「硬くて暖かい…」
湯冷めして冷えた胸に熱い竿を挟み、ロイ子は溜息をついた。
胸の谷間から顔を覗かせている亀頭に舌を這わせ、銜える。
自分で胸を揉みながら、時折、乳首同士を擦り合わせつつ、竿を胸で締め付け擦り、チュパチュパと音をたてながら吸い上げる。
「…なるほどな」
ロイ子の姿を見下ろしながら、マスタングは呻いた。
「何?」
「こちらの世界にハボックがいたら、喜んで君に付き従っていることだろう」
「あいつ、そっちの世界でも、オッパイ星人なのか?」
「こっちの世界のハボックもか?」
「ああ」
「こっちの世界のハボックは幸せだな。こんなに素晴らしいボインを毎日拝めるなんて」
「そのかわり、扱いは犬以下だ」
「あいつも本望だろう」
「それはどうかな」
ロイ子はパイズリをやめ、再び、竿全体に舌を這わせ始めた。
「ああ…気持ちいい。この世界のヒューズが羨ましくなってきた」
「そう?」
「君の舌はかゆいところに…手が…届く……そんな…感じだ」
「なら、ここはどうかな」
「うッ…むぅッ…」
「ふふ、我慢せず、声を出したらどうだ?」
「男の喘ぎ声など、気持ち悪いだけだ」
「ふふ、私は、その喘ぎ声が大好きでね」
「あっ、こらッ! そこは…ッ! う…な、何をッ!?」
「ふーん、蟻の戸渡りが弱いんだ?」
「やめなさい! やめろ!」
「ふふ、可愛い声。大好きだよ」
「こ、こら! こらァッ!!」
快感にマスタングの声が裏返る。
そうこうする間にも、ロイ子は下品な音をたてながら、マスタングをしゃぶりたて、深々と銜える。
喉の奥で締め上げ、吸い上げながら唇と舌で竿を扱き始めた。
「うッ…こ…これはッ!?」
ディープスロートだ。
マスタングは若い素人女性ばかり相手にしているせいで、あまりディープスロートの経験がない。
「クッ…まずい…ッ…」
このままではロイ子のペースだ。
ディープスロートをされながら、優しく睾丸を揉まれ、流石に息があがってきた。
(まあいい。ここは彼女に譲るとしよう)
マスタングは衝動の赴くまま、彼女の口の中に精液を流し込む。
同時に強く吸い上げられて、思わずソファに爪を立てた。
射精の後も、ロイ子のフェラチオは丁寧だった。
まだ、硬さが残る竿を舐め、尿道に残る残滓を吸い出し、亀頭の割れ目を舌でくすぐる。
「そんなにフェラチオが好きなのか?」
口を拭いながら、ロイ子は艶やかに微笑んだ。
「ええ。尽くしてる感じがして。こういうのは、嫌いかな?」
「嫌い…というか、いささか不本意だな」
「ヒューズは喜んでくれるけど」
「あいつは、女に奉仕させるのが好きだからな。だが、私は違う」
「キャッ!!」
ロイ子の腕を引いて、ローテーブルの上に寝かせると、陰裂を押し広げた。
「ほう、フェラしただけで、ここまで濡れる女は初めて見たよ」
「ああっ、見ないでッ!」
「思ったほど使い込んでないのかな。色も形も綺麗なものだ」
トロトロと溢れてくる愛液を指で掬い、クリトリスに塗りつける。
「アッ…アン……いやぁ…」
「指が嫌ならこうだ」
包皮をむいて、濡れた血珊瑚色の粒を舌で嬲り、唇で挟んで左右に揺する。
「いやッアッ…キャ…うッ……」
軽く吸われて、ロイ子は背を反らせ、内股をヒクつかせて達してしまう。
「は…はぁ…ああ……そんなぁ……」
「随分とイキ易い身体だな」
「あぁ…だって……」
「言い訳は許さない」
ジュルッと音をたて、愛液を吸われてロイ子は思わず足を閉じる。
柔らかい太腿に頭を挟まれてもかまわず、マスタングは舌で狭穴をほじった。
「だ…だめッ…舌がぁッ…入ってくるッ!!」
最奥までは届かないが、入口を出入りする熱い舌に、ロイ子の睫毛が揺れる。
穴から這い出した舌は、ゆっくりと後ろへ降りていく。
「そ、そこはッ!!」
ふっくらと膨らんだ襞を指で撫でると、恥ずかしげにキュッと締まる。
愛液を塗り込め、息を吹きかけながら、皺の一つ一つを丁寧に舌でなぞりあげると、ロイ子は膝を合わせて「やめてッ」と声をあげる。
指で押してみると、あっさりと指一本を飲み込んだ。
「ここは、初めてじゃないんだろ?」
「ああ……」
指をねじ込むようにしながら、ゆっくりと抜き差しすると、啜り泣く声がした。
「あ…ああ…お…お尻は…お尻は…ゆるしてぇ…ッ!!」
懇願する上の口とは裏腹に、下の口から愛液が垂れ流しだ。
「とか言って、随分と使い込んでいるようだが?」
「あ…ヒューズ…が…いつもそこを…いじッ…て…」
「ふーん、あいつ、こういうのが好きなのか。意外と変態だな」
「お…ぁ…グレイシア…がイヤが…るッって……」
「なんだ、それは。何故、拒まない?」
「んっう…だって…ぁあ…好き…だから…」
「ここをほじられるのがか?」
「ヒウッ! ああ、ひろげちゃいやぁッ!!」
「おい、あっさり二本はいったぞ?」
「だって…ここに、あの人のおちんちんが…はいるから…」
「指ではもの足りないか」
「いッいや、やぁッ…そんなにしちゃ…ダメぇッ!!」
マスタングは指を出し入れしながら、ロイ子が身もだえる様子を眺めていた。
「そんなに、ヒューズが好きか?」
「あぁ…お尻ッ…お尻がぁッ…んっんんッ!!」
「こんな身体にされて、それでも好きだというのか!?」
ロイ子は涙を流し、首を横に振った。
「私ッいやらしい女…だから…お…お尻を…犯されるの…好き…だから…あぁ…」
「悪いが私にはそういう趣味はない」
「お…お尻ッいいのぉッ! 気持ちいいッ! あッ…あッ…い…イクッ! イっちゃう! お、お尻の穴でッイクのぉッ!!」
ロイ子は二本の指を締め上げながら達してしまう。
荒い息を吐きながら、目を閉じて余韻に浸っているロイ子を見つめ、マスタングは複雑な心境だった。
白い肌に所々に残る傷は、彼女のキャリアを物語る。
もし、彼女が自分と同じ野望を持っているのなら、平凡な女の幸せは望めないだろう。
(私は男に生まれて、よかったのかもしれない…)
女性にとってはマイナス要因でしかない古傷も、男なら勲章と言われる。
ふと、目を開いたロイ子がマスタングを見つめ、恥ずかしそうに微笑んだ。
(ああ、そうだな。おまえの性格じゃ、こんな彼女を放ってはおけないか…)
どういう経緯で二人がこういう関係になったのかは知らない。
マスタングが知っているのは、恋する女性の健気さと可愛らしさだけだ。
「随分と気持ちよさそうだったね」
「あ…ええ……?」
「可愛いかったよ」
マスタングは指を引き抜き、額にキスをすると、再び、硬く立ち上がったものをロイ子の膣穴にあてがった。
「あ……」
「いくよ?」
「えっ?」
声をかけ、一気に奥まで貫く。
「ああッ!!」
たっぷりと潤った肉穴は、マスタングの巨根をすんなりと飲み込んだ。
「ひと突きで、私のものを根本まで飲み込むとはね」
「んんッ…んうッ……あ…ああ…」
「ふーむ」
膣内の様子を探るように迪送すると、肉襞が幾重にも巻き付いてくる。
「なんだ?」
腰を引こうとすると、吸い付いて放そうとしない。
「これは…」
ゆっくりと奥まで突き上げ、円を描くように動かしてみると、ロイ子が嬌声を上げ、肉襞がざわざわとさざめく。
蠢動に逆らってゆっくりと引き抜き、一気に奥まで突き上げる。
「ヒッヒァッ! あ…アアンッやぁッ!!」
何度も、何度も、抜いては子宮口に叩きつけ、グリグリと掻き混ぜる。
「やめてぇっ! やめてッ! ああ、お…おなかが…お腹が苦し…ひぃんっ!!」
繋がった場所から溢れた液が泡立ち、テーブルを汚す。
「ダメッダメッ…ああ、もうグチャグチャになっちゃうッ!!」
「なら、もっとグチャグチャにしてやろう!」
「イヤッ! そんなぁッ激し過ぎッ…ハァッあウッう…ごかな…ぁぁあんッ!!」
激しく突き上げながら、ロイ子の胸を乱暴に鷲掴みにして、乱暴に揉みしだく。
「い…いやッお…おっぱい…おっぱいがぁッ!」
「ん? おっぱいがどうかしたか?」
指先で抓るように乳首を擦りあげてやると、一段と締め付けがきつくなる。
「ヒッひ…ひウッ…ああ…乳首ッいいッいいのッ! もっと、強くしてッ!」
爪を立て、指で乳首を押し込むと、喉を反らせて身体を痙攣させながら、膣でのマスタングのものを吸い上げる。
「今、イッた?」
尋ねるとロイ子は小さく頷いた。
「私はまだイッていないんだが」
「あ…ごめん…なさい…き…気持ちよくて…あなたと…初めてなのに、凄く身体に馴染むから…」
「それは何よりだ」
「んッ…う…ああ…あ…まだ硬い…んっ…ああ…素敵……」
イッたばかりだというのに、自ら腰を降り始めたロイ子に苦笑して、マスタングは軽く突き上げてやる。
「アッヒウッ!!」
「そんなに、気持ちいいか?」
「ウッウッ…あぃ…いい…いいの…奥までッ響いて…あッアッ、またくるッキちゃうッ!!」
「一人だけ、ズルイな」
「あ…ああ…貴男がッ…い、いけないッあグッふ…ぁあんッ! ああ…お願いッ、そんなにグチョグチョにしないでぇッ!」
「なら、やめておこう」
動きを止めると、ロイ子は肘をついて上体を起こし、夢中で腰を振る。
「女になると、こんなに貪欲になるのかな…」
「ち…ちがう…貴男のが……凄く…よくて…私…とまらないッ…あ…動いてッ突いてぇッ!!」
マスタングはロイ子の望み通り、動いてやる。
奥まではいかず、浅瀬でゆるゆるとした動きだが、ロイ子にはそれで充分だった。
指でクリトリスを弄りながら、張りつめたカリに内壁をくすぐられ、ロイ子は切なくなってマスタングを睨みつける。
「いじわる…。奥まで来て…お願い……」
「駄目だ」
「お願いィ…ィイ…ぅあッ!!」
「ふふ、またイッたね?」
「お…あぁ…あ…? だって…イッ…イッやあぁッ!」
クリトリスを抓られ、奥まで穿たれて、またイッてしまう。
「さて、私がイクまで、あと何度イけるかな?」
「あぁ…いじめないでぇ…」
「君がいけないんだよ。私は一度射精すると、次にイクまで、時間がかかるたちなんで…ねッ!!」
「キヒィ!!」
「ああ、この感じ…。君は奥を突かれると感じるようだね。いいよ、もっと締めつけてごらん」
「こ…こぉ? んっ…うぅっ…あぁ……クッウッ…あッくぅうッ…」
眉根を寄せて、懸命に締め上げてくる。
「ああ、いいね。中がうねうね蠢いて…、こういうのを、ミミズ千匹っていうのかな」
エド子では、こうはいかない。
殆ど雄を銜えた事のない小さな穴は、弾力があり良く締まる。
だが、締まりが良ければいいというものでもない。
狭すぎて動き辛い上、やたらと痛がるので気を使う。
「ああんッ! 動いてぇ、オマンコズブズブ突いてよぉッ!!」
エド子なら、口が裂けても言わないだろう言葉に、マスタングは苦笑した。
ロイ子の乱れた黒髪が、紅潮した頬に張り付いている。
男を喜ばせる術を熟知した身体は、なかなか動こうとしない雄を、自ら体内の最奥へと誘う。
「はぁはぁ…ふッアッッあっクゥ!!」
「ふふ、たまらないな」
流れに逆らって引き抜く。
「ひぅ…うう……ああ…ぎッ…んッアッアアッ!!」
「ほら」
奥まで押し込んでやる。
「ふッうッも…お…あ…え…あ…イや…アッアン!!」
マスタングの腰に足を絡めて、また気をやった。
「また、自分だけ…。しょうがない。好きに動かせてもらうよ」
マスタングは、ゆっくりと動き始めた。
彼女なら、好きに動いても大丈夫だという確信があった。
「く…ぁッあっああんッ! くるッくるのぉッ…あ…あ…お…おぉ…はぁッ…アッアアッ!!」
突き上げられ、揺さぶられながら、ロイ子は何度となく達し、息も絶え絶えだ。
ロイ子の胸を掴んで、乱暴に突き上げながら、マスタングは快感にむせび泣く女の顔を見下ろした。
「いい…いいよぉ……イ…イ…もっと…あ…ああ…イッぁやぁッ!」
今まで何人もの女と浮き名を流してきたが、ここまで乱暴にされて嫌がりもせず、本気でイキ狂う女は初めてだ。
肉と肉がぶつかり合う音が、室内に響く。
説明する為に描いた錬成陣の図が、何枚か床に落ちた。
両手で胸を掴んでいては、どうにも安定が悪く、マスタングは右手をテーブルの上に置いて上体を支えた。
「ぅぁあ…あい…あッあああッ…あフッあッ…ひぁ…ッッッ!!!」
ロイ子が一層きつくマスタングを絡みついて締め上げる。
たまりかねて、マスタングはたっぷりと精液をぶちまけた。
「ああ…まだ出てる…あたたかいの……いっぱい…入ってくる…」
喜悦の表情を浮かべるロイ子の傍らで、青い錬成光が輝いた。
「…なに!?」
「え…??」
みるみる、マスタングの身体が青い光りに包まれ、中空に溶け消えていく。
錬成光が治まった時には、もうマスタングの姿はどこにもなかった。
「な、なに?」
何が起こったか飲み込めず、身を起こしたロイ子の目に、空間移動用の錬成陣が飛び込んできた。
「まさか…」
少しだけ円が滲んでいる。
快感に我を忘れたマスタングは、この錬成陣を発動させてしまったらしい。
「そんな馬鹿な! おい、マスタング、戻ってこい! 肝心な時に! この無能!!」
怒鳴ってみても、戻っては来ない。
絶頂の最中、放り出されたロイ子にできる事は、マスタングの無事を祈ることと、燃え上がった身体を押さえる為の自慰だけだった。
翌日。
マスタングは憔悴仕切った顔で、東方司令部の執務室にいた。
「まいったな…」
こちらの世界に戻って来れたはいいが、色々な意味でロイ子の事が気になって仕方がない。
かといって、再び、不確定要素が高い空間転送の錬成陣を使うわけにもいかない。
なんとかあちらへ行けないものかと、頭を抱えて考えていると、誰かがドアをノックした。
「入りたまえ」
「いよう、ロイ! 元気だったか?!」
入ってきたのは、よりにもよってヒューズだった。
マスタングの脳裏に、憂いをおびたロイ子の横顔が過ぎる。
「なんの用だ」
「そいつはご挨拶だな。昨日ホークアイ中尉に伝言しといただろう。南部の田舎町に内偵に行く途中、大総統からの指令書を届けにいくって」
「そうだっけ?」
「おいおい、しっかりしてくれよ。ほれ、書類」
「………」
受け取った写真を見つめ、マスタングは眉間に皺を寄せた。
「おっと、悪い! それは三日前に撮ったエリシアちゃんの寝顔だ。本物の指令書はこっちな!」
ヒューズは笑いながら、わざとらしく写真と指令書を取り替える。
慣れている筈なのに、無性に腹が立つ。
あちらのヒューズと、こちらのヒューズは別人だ。
判ってはいるが、どうしようもなく苛つく。
「なあ、ヒューズ」
「なんだ?」
「変な事を聞くが、おまえ、その…アナルセックスは好きか?」
聞かれたヒューズの手から、はらりとエリシアの写真が落ちた。
慌てて写真を拾い上げて埃を払いながら、そっと後じさりをしつつ答える。
「いや、俺はほら、女房も子供もいるからさ」
「経験はあるのか?」
「相手がおまえでも、ウホッ!だけは、無理。マジ勘弁!!」
「誰が、おまえにケツを貸せと言った!」
「だって、今、オカマ掘られるのは好きかって言ったじゃないか!!」
「だから、私はホモじゃない!!」
「どーだか…」
「その疑いの眼差しはよせ! 警戒するな! 私は貴様のケツなど興味はない! 女の話だ!」
ひとしきりマスタングをからかって、満足したヒューズは呆れながら言った。
「おまえさあ、まっ昼真っから職場で、アナルセックスの話はどうかと思うぞ?」
「うるさい、聞かれたことに答えろ。どうなんだ?」
「うーん、そうだな。独身の頃は、よく避妊だって言いくるめてやってたな」
「今は?」
「それがさあ、グレイシアが後ろは嫌だって、やらせてくんなくてさぁ。最近、マンネリだし、何かいい口実ないかなぁ」
「もし、したい事を何でもやらせてくれる、巨乳美人の愛人がいたら、おまえ、どうする?」
「何の為の愛人だよ。そりゃあ、やるに決まってんだろ?」
マスタングは、おもむろに席を立つと拳を固めてヒューズの前に立った。
「なんだ、ロイ。おっかない顔して」
「殴らせろ」
「は?」
「いいから、一発殴らせろ!」
数時間の邂逅だったが、ロイ子には赤の他人ではない何かを感じた。
よくわからないが、自分に娘か妹がいて、彼氏が妻子持ちだと知ったら、きっとこんな気持ちになったに違いない。
「おい、ちょっと待て! 一体、俺が何をし…ガフッ!!」
床に倒れたヒューズを見下ろし、それでも、あちら側の彼女は彼を待ち続けるのだと思うと切なくなる。
「おい、いきなり殴るなんて酷いじゃないか! いくら上官だからって、事情を説明しろ!」
「言いたくない」
「言いたくないって、おまえ」
「ただ…」
「?」
「もし、お前が浮気をするなら、俺はお前との縁を切る! そして、お前を消し炭にする!」
「おいおい、ちょっと待て。俺がいつ浮気なんかしたよ?」
「浮気はしないと誓え。一生、グレイシアさんと添い遂げると!」
「あったりまえだろ! グレイシアはエリシアちゃんを生んでくれた大切な女房だ! 言われなくても死ぬまで一緒だ! っていうか、どうしちまったんだよ。おまえ、今日は特におかしいぞ?」
「…なんでもない」
「まあ、ならいいど…。そうそう、レビス遺跡の一件。期限過ぎてるのに、報告書を提出してないだろう。そんなに手間取るような事件だったのか?」
「いいや」
「だったら、早めにな…っと、いてて」
「殴って、すまない」
痛む頬を抑え、思いつめた様子のマスタングの肩を叩いて、ヒューズは言った。
「おまえ、そろそろ考えた方がいいんじゃないか?」
「何をだ」
「よ」
「いらん」
「まだ何も言ってない」
「嫁ならいらん」
「イライラして情緒不安定になるくらいなら、嫁、もらっとけよ。ここの中将の孫娘なんかどうだ? 仲人してやろうか?」
「いらん!!」
「いいぞ、女房や子供がいる生活っていうのは。うちなんかもう」
ここぞとばかりにのろけ始めたヒューズの話を聞き流し、マスタングはこの平行世界のどこかにいるロイ子へと思いをはせる。
どうせ殴るなら、あっちの世界のヒューズを殴りたかった。
目の前のヒューズには、悪いことをしたと思いながら、マスタングはもう二度と会うこともないロイ子の人生が、幸多からんことを祈っていた。
終