犬とごはんと主人の友人
>556氏
「さあ、おまえの好きな骨付き肉だぞ!?」
にじりよるロイ子を前に、ブラハは股間に尻尾をしまい込み後じさった。
「ほうら、どうした? 大好きだろう、お・に・く・・」
満面笑顔のロイ子だが、身体からは得体の知れない不気味なオーラが漂っている。
ブラハは、その得体の知れないオーラに本能的に怯え、後込みしているのだった。
「うーむ、お肉は嫌いか。なら、あれしかないな」
ロイ子はスカートをまくりあげると、ノーパンの股間にバターを塗りつけM字開脚でブラハににじりよる。
「ほら、これならいいだろう! こら、逃げるな! おいしいバーターだぞ〜!!」
「ヴ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
「ほうら、私の愛液と混ざり合っておいしさ100倍。さあ、舐めてごらん」
「キャウンッ! キャン! キャンッ!!」
「むっ、犬の分際で命令拒否か!?」
「キャン!」
「いいか、良く聞け、萌え犬畜生。犬は人間に絶対服従。一生給料なしでこき使われて、焼いて食べられる生き物なんだ。だが、私も鬼じゃない。イイ子にしてたらご褒美をあげよう」
「キュウン…キュウン…」
「そうか、いきなりおまんこはないな。よしよし、では私の胸で挟んでや…うわッ!」
ブラハを抱き上げ、巨乳を放り出したロイ子の顔面をオシッコが直撃した。
「うわっぷ!また、随分とマニアックな趣味だな、ブラックハヤテ号?」
ニヤリと笑ったロイ子に、ブラハは心底恐怖を感じた。
喰われる…ッ!!
恐怖のあまりブチキレたブラハは、死力を尽くして暴れまくり、ロイ子の手に噛みついて、死にもの狂いで駆け出した。
「まて、ブラックハヤテ号!頼む、一度でいいからバター犬、やってみたいんだよ!」
ノーパン、尻丸出しで、もの凄いいきおいで追いかけてくるロイ子から逃れるために、ブラハは駆けた。
駆けて、駆けて、駆けまくったが、思うように足が動かない。
ロイ子の手が伸びてくる。
もう駄目だ、殺られる!!
バターで炒めて食べられちゃいます!!
リザさん、ごめんなさい。
僕、もう、走れないよ……。
……………………。
………………。
ふいに、ブラハの顔面に暖かく柔らかいものがおしつけられた。
目をあけ、顔を上げるとそこにはロイ子の顔があった。
「どうした。随分、うなされてたが、恐い夢でも見たか?」
ブラハは声をあげてロイ子の手から逃れると、リザの後ろに回った。
「あらあら。よっぽど恐い夢だったのね」
「ほら、おいで。おまえの好きな骨付き肉だぞ。食べて元気を出しなさい」
肉を差し出すロイ子が、先刻の夢と重なりブラハは走って逃げた。
「随分と嫌われたものだな。夢の中ではあんなに仲良くしてたのに」
「夢?」
「ああ、ブラハと追いかけっこをする夢だ。とても楽しかったよ」
「そうですか」
「現実は、これだがね」
「大佐、犬、お好きですものね」
「せっかく私がいい飼い主を斡旋してやったのに、どうしてあんなに嫌われるのか」
「とりあえず、ご飯にしましょう。いま作りますから」
「しかし、何がいけないんだろう。こんなに優しく接しているのに」
ソファに腰を下ろしたロイ子とブラハの目があった。
ロイ子がニヤリと笑う。
「そうだ。リザ、この子にチーズかバターでもあげたらどうだろう」
バター…。
やっぱり、この人、僕を喰うつもりだ!!
怯えたブラハはベッドの下に潜り込み、ロイ子が帰るまで、出てこなかったと言う。
おわり。