Queen〜番外編〜
>431氏



その頃、彼女は何も知らなかった。
S気質に酔い、馬乗りになってハボックを膣内にくわえてよがる騎乗位の1ヵ月後の気配も、ロープまで持ち出しハボックを鞭打ちながらあえぎ倒す2ヵ月後の痴態も何も存在していなかった。
全てがゼロ地点で始まったばかりの彼女は、小さな恋心をハボックと通わせたばかりで…あふれんばかりにどこまでも美しく、清純な女性であったのだ。
呼び覚ますものと呼び覚まされるもの、この関係は人をどこまでも開花させる可能性を秘めている。

飲みに誘われてさっさと酔いの回ったブレダやファルマンが帰っていったのを見てから、ロイ子はタクシーを捕まえた。しかし乗る寸前、ハボックに手を引かれる。
「ん?」
「あ、いや…その…大佐、ふらふらしてるから」
いつもなら同じく、酔っておかしな冗談を言い合う仲…
しかし、ロイ子と反対方向で、歩いてそのまま帰宅につく同僚である彼、ハボック…
今、この部下は常と違う瞳である。
だがその気配を敏感には察知できない。
久々に、好きな銘柄の酒を飲んで上機嫌のロイ子は、ほろ酔い気分で彼のほうを見やった。
ロイ子が覗き込む角度でいると、ハボックはあてられたようにさっと顔を赤らめる。
「あ〜、タクシーお前も乗るのか?」
「あの、…あのですね」
――伝えたい
「近場で下ろすぞ、場所を言え」
「聞いて欲しいことが、あるんスよ」
「ああ、だから場所だろう。遅いな、あのタクシー」
彼女の語尾はしゃっくりが加わって、酔いの絶好調を迎えている。
黙したハボックは、そんなロイ子を切羽詰ったように見つめていた。
滑らかなうなじ、赤くなった彼女の頬…何より今の無防備にふらつく姿…どれも目が放せない。
寄ってくる車に進み寄ろうとした時、道路のタイルにヒールをはさんでよろめいた彼女を背中ごとハボックは支えにかかる。
――言ったら…どんな顔するだろう
嗅いだロイ子の髪の香りに、何もかもを吸い尽くされたような心になった。
けらけら笑いながら悪いと、礼を込めて言い放ったロイ子は、ようやく止まった着いたタクシーに向かっていく。
「さあ帰るぞぉ」
彼女が片手でバッグを持ち替えて、開いた扉から座席に入ろうとした。
しかしその途端、腕ごと引っ張られ、
「おお?」
ふらついた自分は後ろから深く…腰ごと支え歩まれてしまった。
「また目がまわってこけたかな、私は」
少々、平衡感覚が戻らぬ様子をロイ子は嘲笑しながらつぶやいた。
再び、笑い転げながらも適当に礼を述べた彼女の背中にハボックの温もりが包みこむように流れて来たのを彼女は例える。
随分、しっかりと寄りかかっている自分を持ってくれることに苦笑してしまう。
「あったかいな、お前。布団みたいだ」
実際のところ、今度ばかりは彼女がよろめいたわけでもふらついたわけでもなく…
思い余った男に引っ張られただけであって…その真意の先というのは――――――
「大佐、俺…―――――………」
「ハボッ……―――…ク?」
自分の右斜め…振り向き様に聞いたものは、熱っぽい囁きだった。
一瞬だけ聞いた耳元での男の声、その台詞にロイ子は醒まされる。
続いて、醒める間もなく座席に放りこまれたように、重力と共に一人だけ乗り込んだ彼女…膝で尻餅をつくかのように、ハボックによってロイ子はシートになだれこんだ。
「運転手さん、その辺りまでよろしく」
「あいよ」
ハボックがロイ子の家の住所を適当に述べ、近隣に着いたら彼女に細かい道を尋ねるようにタクシーを出発させた。
ロイ子は両手で耳元を押さえ、顔を茹蛸のように真っ赤にし…髪の毛をくしゃくしゃにして頭を抱えた。
動き行く車内から遠ざかる彼…黄色くとがった頭の部下がこっちを見てる。
だが、意識に入るその存在に強烈な印象を刻まれて、彼女はすっかり、かき乱されてしまった。
夜目にもかかわらず、集中してくるあの眼差し、熱い瞳に捕らえられ…
―――――あいつ…なにを、今なんて言った?
車の窓から見えるハボックの向こうの姿に彼女はじっと視線を預けた。
やがて直視できなくなって両目を閉じたが、嵐のごとく巻き踊る混乱がおさまらない。
頭の中がぐるぐると回ってくる。
明日の二日酔いのわずらわしさよりも、酔いの回った体の熱さよりも…ずっと耳が忘れない。
言われた言葉、低いあの声…
『―――好きです。俺とつきあってほしい』
タクシーは、顔を真っ赤にしたままうずくまるロイ子をそのまま運んでいった。
数日後、彼女はハボックに返事を返す。
あまり返事を待たせるわけにもいかなかったが、ハボックを焦らすことにも彼女は少々、関心がいった。
しかし、互いに…職場でも目と目が合わせられない空気になって仕事がやりづらくなる気配ができてしまった。
勘の良いホークアイなどは何か気づいているかもしれない。
ぎくしゃくした仕事場…
そうなりよりはむしろ、決着を急いだほうが互いのためだと思いこんでロイ子は、帰宅間際に話を切り出した。
そして、彼女はあの夜の、小娘のように―――照れて震える醜態など認めたくなかったので、それを打ち消す意味もこめて…返事を与えてやることを一心に努めていく。
見せねばなるまい。
上司としても年上としても、そして何より大人の女としての余裕というものを
「い、いいぞ、…べ、別につきあってやっても…今、暇だし」
どこかそわそわしながら、ロイ子はハボックに大仰にも述べていた。
実は初めての恋人の誕生に、素直に応答できなかったロイ子であったのだ。
ところが一方で、それも介さずハボックは彼女の両手を嬉しそうに取っていく。
「良かった。俺、感激ッス」
「そ、そうか…まあ、私でよければ」
「本当に嬉しいです!」
「い…言っとくが、これまでどうり仕事は甘やかさんからな」
「はい!」
「部下であることに変わりはない。仕事に関しては他の者と平等に扱うぞ」
「もちろんッス!」
「ふん。浮気なんかしたらすぐに絶交だからな、覚えておけ」
「大佐だけと決めてますから…ありがとう、大佐」
素直に答えてきたハボックの表情に見とれたロイ子は、ポケットに手を入れて顔をそらす。
そして、震える両手を隠していった。
こうして近くに立ち尽くすと、つんと漂う相手の空気が感じられる。
漂ってくる彼の香りを彼女は嗅ぎなれていった。
これからその匂いに自分が重なることを夢見て…ひとつ、彼女はごちってしまう。
かけられた思慕の魔力をごまかしたくなって…―――
「お前、煙草吸いすぎだ」
「大佐のために禁煙します」
「馬鹿か、ヘビースモーカーがすぐにやめられるわけないだろうが」
「もう、さびしくないから」
「大馬鹿…大きく出るな」
こうしてカップルはひとつのはじまりを迎える。
ハボックが女慣れしているであろう噂を知っていたロイ子は、淑女の顔で男にシビアなふりをしようと努力した。


そして、しばらく経ったある夜…―――――――
「ハボック、あ、ありがとう」
見下ろした彼女は小さく俯いて花束の中に頬を近づけた。
人生初の恋人…ロイ子はよりいい女でありたいと思ってはいたが、形作る自分がなかなか持続しないことに、いささか降参気味の気分であった。
小刻みに震えるかかと、爪先、薄紅色の頬と紅い唇…
花よりもその姿は麗しい。
美しいロイ子の可憐な姿に心奪われたハボックは、この時間に賭けた。
――給料、はたいた。
買った花もロイ子大佐の好きそうな色だし、喜んで受け取って貰えた
もう、今だ
今しかない
今日こそ、この人と…セ、セックスだ
露骨な単語をハボックは唱えだす。
しかし、省みることができないほどに、かなり彼は段取りに力を注いできた。
映画を見て、ロイ子の好きなショッピングに付き添い、
ホテルに予約しておいたディナーをすませる段階まで持ち込んだ。
ディナーに関しては精算を終え、人気のないロビーの一角に集った二人だが…ハボックはフロントに預けていた花束でロイ子を更に喜ばせた。
そして、今こそ…強いアプローチに詰め寄っていったのだ。
これまで手を繋いだり、軽くおやすみなさいのキスをしたりそれより進展のなかった距離から脱却する、最後のゾーンに彼は期待する。
付き合いだして3週間だが、はっきりいってまったく色めいた関係というものがない。
平日も含めて4度ほどデートしたが、その全ては短く触れ合うキスどまりであった。
一度、胸を触ったが、静かになったロイ子にすぐ帰られた。
しかし、挽回したい。そろそろ駒を進めたい。
時々、恥ずかしそうに顔をふせたり、きょろきょろとした仕草で近づいた自分に落ち着かない表情でいたりした上官に、ハボックは男の強引さで躍り出ようとした。
「あ…」
彼女の片手を彼は自ら進んで繋ぐ。
早馬のようにほとばしる心臓の音が伝ってくる。
緊張で凝り固まったロイ子からくる音なのか、しとめようとするハボック自身の心音なのか区別がつかないくらいの距離になった。
落ち着けって、言うぞ…
イエスって言えよ
「大佐、俺」
顔を近づけ、じっと彼は彼女を見詰めた。
おそるおそるまばたく彼女の、その瞳に熱い眼差しを詰め込んでありったけの気持ちをこめる。
「今夜、帰りたくないッス」
「…ハボック」
「一緒にいたい」
うなずけよ、頼むから
愛していると伝えた彼は、ロイ子が頷き、外から覆われた男の手を内側に握り返してくる頃に抱きしめ返す。
巣作りにはげもうと重なっていこうとした二人は、そうして建物の奥に足を運ばせた。

予約しておいた部屋に彼女とともになだれ込む。
だが、ハボックはロイ子のかくかくとした緊張状態を悟って穏やかにして会話を弾ませていく。
ロイ子が顔を引きつらせながら浅くソファに腰をかけたのを見て、
「何か飲みます?」
「……砂糖で、甘いの」
「えっと、コーヒー?」
「あ、そ…そう…いや、さっき買った紅茶がいい」
ごそごそと買い物袋を開けて、葉を取り出したロイ子をハボックは目を点にさせて見ていた。
やがて、彼はカップにお湯を入れながら、その様子を微笑ましく観察することにした。
「こっちの袋にクッキーがあるぞ」
甘い紅茶を口に含んでから、彼女はついでに専門店で並んでまで買った菓子を取り出して食べると言い出した。
さきほどのディナーでたらふく食したというのに、まだ足りないらしい。
そんな会話で弾んでくると、追加デザートだと言ってロイ子は上機嫌で笑ってくれる。
おいしいと口を弾ませて強張った様子から笑顔がほろりと見えることでハボックは内心、
――ちくしょう、可愛いなあ…
心の中で飛び上がって叫んでいた。
ぱっと眼前に、菓子を包んだロイ子の手のひらが及んでくる。
「お前も食べろ、美味いぞ」
「頂きます」
その時、手渡そうとした相手の指先に、ロイ子が触れたことでぴたりととまった。
だが、ハボックが彼女の手を見て、自然と零す。
「貝殻みたいで綺麗ですね」
ロイ子の色づいた淡いネイルカラーに、彼はあっさりと返してしまったのだ。
いつもなら爪に色など塗らす彼女ではない。
今日のデートのために、施してくれたのだろう。
それを見て、ハボックは唇を緩めて、顔をほころばせてしまった。
「薄めの赤か…その色、やっぱ好きなんスか?」
「お前がくれた花の色と一緒だな。青も好きだが、こういう赤も好きなんだ」
「他にはどういうのが?」
「そうだな、紫とか黒とか…柄物もいいな。ヒョウ柄だって何だって揃えたくなる。
私は、気に入ったら何でも好きみたいだ」
「――じゃあ俺は?」
横に座りなおした彼は、ロイ子の手を取りずいと顔を近づけた。
「そ、それは…」
「俺は、どう?」
まっすぐに見つめられて、たじろいだ彼女は唇をまごつかせる。
ハボックは彼女の気持ちが聞きたかったのだ。
愛情表現に乏しい彼女と、アプローチを多く運んでいた彼だった。
どちらかといえば、ハボックはこれまでにロイ子に好きだとはっきり言われたふうでもない。
愛していると言っても流されるように頷いて、寄り添う男に抱きしめられる彼女である。
そこで緊張のあまりに声を繋げることにはいたらなかった。
いつか言おうと彼女も考えてはいたが、伸ばし伸ばしになってしまう。
――言ってほしい
彼女の放つものなら何でも受け取るハボックだが、今こうしてホテルにいてくれるのが夢だけで終わらないよう己に刻みたい。
自分だけが先走っているのではないだろうかと感じたハボックはロイ子を見つめる。
そして、
「大佐は俺をどう思ってるんスか?」
――言ってくれよ、何でもいいから
その途端、ロイ子は睫毛を濡らしてぽろぽろと涙を零してきた。
戸惑いながら、謝ってとりつくろうとしたハボックは、
「その、泣くほど嫌なら…ごめん大佐」
慌ててロイ子にハンカチを渡して、詰め寄った自分を反省しようとした彼だったが…
ロイ子は首を振ってハボックの肩に顔を落とす。
ぽんと黒い髪が額と共に、自分に押し当たる。
接近してきたロイ子の温もり…柔らかい体、愛している彼女の感触…
細い彼女の肩をどう扱っていいものかと、混乱した彼にロイ子はつぶやく。
「嫌じゃない」
ハボックは、続く言葉に心を全て持っていかれてしまう。
「嬉しいから…」
「大佐…」
視線を合わせ、唇をゆっくりと二人は重ねた。
ついばむように甘い口付け、ハボックは強く抱擁しながら何度も告げる。
「好きです」
「私も…私も好きだ」
呼応するように与えられた彼女の声に、彼は喜びを噛み締めていた。

シャワーを浴びてから、二人はベッドに及んだ。
口付けを始めて、横倒しになったロイ子にハボックは折り重なる。
「あ…」
「大佐」
濃厚なキスの後、ロイ子の首筋をハボックが指でなぞった。
そして、そのまま彼女の両肩を撫でるように滑らせるが、彼女はバスローブが肌蹴てくるのに戸惑う仕草を返す。
「や、ハボック…ア」
「綺麗です…見せて」
「…っ…あん―――」
――体が変、ハボックが触っただけで私…変な声が
顔中が潤って紅に染まっていた彼女は、全身を同じように帯びている。
妖艶な美しい気配に、ハボックはますます欲情していった。
そして、幾度も首の付け根から口付けを落とし、湿ったロイ子の肌を求めていく。
女としての自慰の知識は持ってはいるものの、さほどロイ子はその深くを味わっていない。
指を使って自分でいじることなど、一人の時すら恥ずかしく覚えている。
色めいた話をつてに実践したが、あまり気持ちのいいものではなかった。
おまけに、性に目覚めるだなどとどこかはしたなく感じてしまい、とてもできなくなった。
快楽とは程遠いストイックな生活、軍部で上昇していった潔白な経歴にそぐわぬほどのまっさらな彼女は、肉欲において新しい直面に晒される。
「あっ……」
ハボックの指が火蓋を切って落とされたかのように熱を孕んでいる。
震える指先で彼女は、恋人の唇が鎖骨に器用に及んでくるのをこらえていた。
「や、だ…ヒャア」
「大佐、大佐…」
「う、ぁ…や……っ」
――どうしよう
「好きです…あなたが欲しい」
「はぁ、んっ…っ!」
彼の指先と口付けが胸の上に来た頃に、ロイ子は体が追いつかない気持ちで 混乱したまま泣き出す。
こぼれだす涙を必死で拭うが、なかなかそれも追いつかない。
「んっ…」
――ハボックに変に思われるのに…
初めて男に愛されていくことを、彼女は何も伝えていないのだ。
だから、ハボックはできうるかぎり熟れた女に恥じぬように技巧をこらして臨んできた。
しかしそのためか、実際のところは何も知らぬロイ子にとってはかえって刺激が強すぎたらしい。
上半身を覆う服が、ふくよかな乳房のあたりまでめくられただけで彼女は脅えて…
「大佐…」
「……っ」
眼を押さえて体をよじり、涙するロイ子…
ハボックはさすがにそれを見やり、声を落とす。
「あの、大佐…やっぱ俺じゃ駄目?」
「や、ちが…う」
――そうじゃなくて
何か気に障ったことをして泣かせたかと省みだしたハボックだったが、
押し倒した姿勢のまま、彼はロイ子の様子に眼を繋げる。
――恥ずかしい、私…
ぎこちない応答、体をひねって強く恥ずかしがる様子、
少し触れただけで泣いてしまうその反応…ハボックはおそるおそる考えた。
はっと覚えて、問いかける。
よもやと感じる焦りが生まれる。
「え、あの…初めて、だったりします?」
顔を抑えて横に身を捻ったまま、ロイ子は観念したかのように小さく頷いた。
「俺、てっきり…」
日頃、軍部でも男の視線と興味の的である彼女―――
手ひどく振られた、相手にされなかった、遊ばれたなどと嘆くものも多いという風評を、単なる羨望のまなざしで見ていた男達の狂言が作っていたのだろう。
周囲もそのデマのばかばかしさの本当の理由を悟っている。
そして、その真髄では、
『あれほどの高嶺の花、どんな男も彼女にとっては飾りに過ぎない。落とせるやつなどどこにもいない』
という結果に至り、男に関してはロイ子はかなり手厳しいとみえるという結論にハボックもいささか同意していた。
しかし、今となっては、ロイ子の恋愛に関して放たれる噂話のどれもがデマだったことを彼は心底、実感する。
見合う男はいったいどれだけいるのだろうかと軍部の男達はみなが口を揃えて憶測していたくらいだ。
それゆえ、技巧をこらして愛撫して、抱こうと思った。
何もかも、誰にも負けぬよう、完璧な作戦でデートに臨んでここまできたのだから…
いささか路線を変更せねばなるまい。
「ハボック、私―――」
そう思っているうちに、彼は呼びかけられた。
相変わらず顔を塞いで体を横に倒し、震えているのは変わらないが、ロイ子は彼に小さく呟いた。
「わ、私…どうしていいのか…」
少し怖いとロイ子は漏らした。
そして、息を飲み込んで彼女は涙を隠そうと眼をこする。
精一杯に答えてくれる彼女…ハボックは、恍惚としてしまうがきちんと気を引き締める。
「ごめん、大佐…俺、ちょっと慌てすぎた」
「…っ……い、いいんだ」
「大丈夫?本当に、俺でいいンスか」
彼の歩み寄ってくる、ひたむくな言葉にロイ子は心打たれていく。
初めて抱かれることに、無増の不安を帯びてはいるが変わらずハボックはどこまでも優しい。
何かが穏やかになっていくような優しさに包まれそうで胸がどんどんつまっていく。
覆った手の隙間から、濡れた睫が姿を現した。
――お前なら私は何も怖くない
やがて、大きな彼女の瞳ごと視線が現れた頃、ロイ子は
「ハボックがいい」
―――激しく、私を変えてくれ
揺れる体で応えられたハボックは、愛撫を続けようとして彼女の手をとり、もう一度接吻した。


エロに向けて続く






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