湯煙温泉ゆるゆる
>578氏

貸切りの露天風呂に行くハボ子
体にタオルを巻き、脱衣場から風呂場へとおずおずと彼女ははいる
ロイが先に頭を洗っていたので、あとからきたハボ子は背中を流してやった
「今度は私が洗ってやるよ」
ハボ子は巻いたままのタオルを取りたくなかった
適当に理由をつけて隅っこのほうで洗うことにした
「どうぞ、先にお風呂であったまってください」
ハボ子が恥ずかしがって洗わせてくれないので、取り合えず先に湯船につかったロイ
湯煙のむこうにロイは目を細めて彼女を観察するが、霧がひどくてなかなか見えない
だから彼女が浴槽に来るまで待つことにした
待つこと30分
(来ない・・・)
待ちくたびれたロイが数メートル先の洗い場に歩みよって様子を伺う
「え?もうあがる?」
「シャワー浴びたからいいッス」
「せっかくの湯船だよ、一緒に入ろう」
「俺、いつもシャワー派だし」
「・・・温泉、苦手だったかな・・・すまない」
残念そうにロイが見つめてくるので、未だバスタオルを体に巻いたままのハボ子は目をつぶって小さく答える
「・・・自分、ゆるいんでス」
「何がだ?」
「ゆるゆるで・・・お湯が・・・入ってくるから」
泣きそうな顔で、真っ赤になってハボ子が顔を隠す
ロイは馬鹿だな、と優しくつぶやいて彼女の頭をさすっていく
「じゃあゆるくしなければいい」
「・・・」
「鍛えよう、私ので」
それからハボ子は、ルイ子少佐のようにたくましい体になった



おわる







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