御宿鋼
>58氏
「ようこそ、大佐様。鋼屋旅館・女将のエド子でございます」
艶やかな着物姿で三つ指をつく。
小柄で幼い面差しのせいか、大きく襟抜きをぬいて大人っぽさを醸し出そうとしているのが健気だ。
首筋に縺れかかる金色のほつれ毛が色っぽい。
「女将、硬い挨拶は抜きにして、まずは一杯」
上座のマスタング大佐の傍らによりそい、徳利を手に酌をする。
突然、肩を抱きすくめられ、手元を誤り大佐の浴衣に酒をこぼしてしまう。
「ああっ、申し訳ございません!」
慌てておしぼりで拭おうとするエド子の手首を掴んで止める。
「女将ともあろう者が客に酒をぶっかけるとは、大したもてなしだな」
「そ…そんな…」
「悪いと思っているなら、舐めて綺麗にしてもらいたいものだね」
めくった浴衣の下には、下着の上からでもそれとわかる逸物が息づいている。
「そんな…」
「嫌とは言わせないよ、女将」
腕を引かれ、着物の裾が乱れる。
露わになったふくらはぎの白さに、マスタングは細い目をさらに細めた。
「女将…」
「お戯れを…」
「私は、本気だよ」
「何人の女の方に同じ事を言ったんですか?」
「女将だけだよ」
耳に息を吹きかけながら甘く囁く。
「い…いけない…」
白い頬を朱に染め、身を強ばらせ、顔を背けるエド子女将の耳朶を甘噛みしながら、マスタングは着物の裾から手を忍び込ませた。
「私を濡らした君がいけない…」
「まだ、ご挨拶に回らなきゃいけないところが…」
「そんな事は、鎧の若女将にやらせればいいだろう」
「でも…」
「鎧女将には、私から言い含めてある。彼女は物わかりがいい。君より女将に向いているかもな」
太腿の間に忍び込んでくる男の手を握り、藻掻く女将にマスタングは口づけた。
「ん…む…ふ…」
口内を舌で掻き回され、マスタングの浴衣を握りしめ、女将は眉根をよせる。
腰巻きの下、何もつけていないエド子の無防備な割れ目に、マスタングは指を沈めた。