秘密倶楽部
>621氏
【注意】SM
セントラル・シティ駅の正面に建つ、アメストリス国きっての名門高級ホテル。
その最上階の一室で、週に1度、秘密クラブのパーティが行われている。
会員は高級軍人や財界の大物など、この国でも指折りの名士たちばかりである。
それもそのはず、このクラブの主催者はこの国の主、クィーン・ブラッドレイ大総統その人なのだから。
このクラブへの入会を許されたということは、大総統から現在の、そして未来の地位を約束されたも同然なのである。
折りしも、今日はクラブの開催日。部屋の中央には主催者側から提供された女性達が並んでいる。
彼女達は、大総統の手によって雌奴隷に調教された女性軍人だ。もちろん、粒揃いの美女ばかりである。
全裸で両方の手首足首に革のベルトを嵌められ、首輪で鎖につながれて、狗のように四つん這いの姿で、主人を待っている。
各界の名士たちは、それぞれお気に入りの雌奴隷達の鎖を引いて、高級な酒や煙草を嗜みながら、雌奴隷達に奉仕をさせ始めた。
やがて、1人の女性が別室から姿を現した。
この国の厳守であり、このクラブの主催者でもある、クィーン・ブラッドレイである。
今年還暦を迎えようとする女性だが、その姿はまだまだ若々しく、老女という印象はまるでない。
背筋もしゃんと伸び、多少深い皺は刻まれているものの、肌にも張りがある。
何より、その眼光が違う。
猛禽のように相手を貫くその眼力は、まったく老いや衰えを感じさせない。
ブラッドレイが身に纏っているのは、いつもと変わらぬ軍服である。
だが、軍の制服である、青い軍服ではない。
まったく同じデザインの、黒革の軍服である。
丁寧になめされ、つややかな光を放つ黒革の軍服は、ブラッドレイ自身の黒髪とあいまって、強烈な威圧感を放っている。
会員達の、畏怖に見近い視線を受けながらブラッドレイは、左手に鞭を、右手に鎖を持って、それこそ女王のように毅然と胸を張って、部屋の中央へと進んで行く。
鎖の先には、青い布を被せられたものがもぞもぞとうごめき、ブラッドレイの後をついて行く。
「やあ、諸君。今宵も愉しんでいるかね?」
そう、ブラッドレイが挨拶をすると、部屋中から拍手と歓声が上がる。
ひとしきり沸きあがった室内が収まると、ブラッドレイは手に持った鎖を引いて、意味ありげに笑う。
「今宵は新しい奴隷を紹介しよう。調教するのになかなかてこずってな。それだけに可愛くてならん。皆も、可愛がってやってくれ」
そう言って、青い布を跳ね上げる。と、場内がさらに沸きあがった。
そこにいたのは、ロイ子・マスタング大佐だった。
現在のアメストリス軍では大総統を除いて最も高い階級にある女性であり、また、女性軍人の中で1、2を争う美貌と肉体の持ち主でもある。
軍に関わる者ならば、彼女に好色な視線を投げかけたのも1度や2度ではないだろう。
色々と浮名を流す女性ではあるが、実際に彼女を射止めた者の名は聞かない、高嶺の花だ。
その、ロイ子・マスタング大佐が、他の雌奴隷達同様、全裸で両の手首足首にベルトを嵌められ、首輪に繋がれて四つん這いで佇んでいるのだ。
透けるような白い肌。両腕の間から重そうに揺れる、豊かなバスト。背中から腰へと、流れるようにまろやかなヒップライン。
分厚い軍服にかくされていた肢体のすべてが今、曝け出されているのだ。
まだ調教されて間もないのだろう。
恥ずかしそうに頬を染め、俯いているのが初々しい。
「どうした、顔を上げろ。お客様に挨拶をせんか」
そう、ブラッドレイに叱咤され、ロイ子はおずおずと顔を上げる。
羞恥に耳まで赤く染まり、黒い瞳を潤ませているのが嗜虐心をそそる。
「挨拶は、どうした?」
再び、叱咤の声が飛ぶ。
ロイ子は、一瞬すがるような目をブラッドレイに向けるが、唇を噛んでまた俯いてしまう。
とたんに、乾いた音が室内に響き渡った。
「ひっ・・・!」
ロイ子の白い背に、鞭が振り下ろされる。
「挨拶はどうした、と言っておるのだ。雌奴隷の分際で、客の前で私に恥をかかせるのか」
何度も何度も室内に鞭の音が響き渡る。
鞭の痛みに転げまわり、逃げようとするロイ子の鎖を引いて、さらに鞭で追い回す。
「おっ・・・お許し・・・くださいっ・・・お許し・・・!」
ロイ子の謝罪の声を聞いて漸く鞭の音が止んだ。
「お客様に、挨拶だ」
「は・・・い」
鞭の痛みにぼろぼろと涙を零しながら、そう答えてロイ子は床に尻をついた。膝を立てて、ゆっくりと脚を開いていく。
むっちりと肉付きのいい白い太腿と、その奥にある花園に、客の視線が釘付けになる。
「は・・・初めまして・・・雌奴隷の・・・ロイ子・マスタングです・・・・・・大総統閣下に・・・調教して頂きました・・・・・・どうか・・・お見知りおき下さいませ・・・・・・」
「もっと奥まで、よく見てもらえ」
「は、はい・・・」
鞭が怖いのだろう。ロイ子は震えながら自らの女性器に両手を添えて、左右に割り開く。
「ふん、やはり濡れているな。本来なら人間は鞭で叩かれたら苦痛しか感じないものだ。それなのにお前はそれを、股を濡らすほどの快楽だと感じるのか?変態め!」
蔑むようなブラッドレイの言葉に、ロイ子はますます顔を赤くする。
白い肌に赤い鞭跡を浮かび上がらせ、羞恥と屈辱に頬を濡らしながら、花弁から蜜を溢れさせるロイ子の姿は、なんとも淫猥だ。
「さあ、今宵はお披露目記念だ。1番高くこの奴隷を競り落とした者に一晩この奴隷を与えよう。煮るなり焼くなり、好きにするといい。まずは1センズからだ」
最初の売値を安く設定するのも、奴隷の屈辱感を煽る手段の1つである。
だが、商品は、「あの」ロイ子・マスタングなのだ。見る見るうちに数十万、数百万と競り値が跳ね上がる。
ロイ子は最終的に、五千万という高値で競り落とされた。
競り落とした男は軍人で、ロイ子にも見覚えがある。新兵いびりで有名な男だ。
「おめでとう、これで一晩この奴隷は君のものだ」
「感謝いたします、閣下」
そう言って男は、ブラッドレイが差し出した鎖を、恭しく受け取る。
2人を見上げたままかだがたと震えていたロイ子だったが、ブラッドレイが男に鎖を預けて身を翻すと、火がついたようにわめき始めた。
「い、嫌です、ご主人様!ご主人様以外の人は、嫌です!」
「黙れ、雌犬!今日だけは、俺がご主人様だ!」
そう言って男もまた、ロイ子に鞭を振り下ろす。
客の罵声とロイ子の悲鳴を聞きながら、ブラッドレイは自分の椅子に腰掛けた。
こうして、主人以外の者から責めを受けるのも、調教の1つなのだ。
また、衆人環視の中で陵辱される快楽も、教え込むことが出来る。
可愛い特別な奴隷だからこそ、手間をかけて調教してやらなくてはならない。
「・・・今夜の経験で、お前がどれほど成長するか・・・楽しみだよ・・・」