秘密の小瓶
>856氏
とん、とん、とん。 ぐつぐつぐつ。
「よし、あとは煮込めば終わりだな、っと」
夕飯の準備中。今日は、ちょっと素敵な隠し味も用意してある。
「アル〜、夕飯まだ〜?」
昼寝から醒めた姉さんが、お腹を空かせて後ろから抱き付いてくる。犬じゃないんだから、台所で危ない。
「まだだよ、姉さん。(まとわりつくと危ないから)先にお風呂でも入っておいでよ」
「おう、そうしてくるー」
言いながら後ろでTシャツをさっさと脱ぎ始める。だから脱衣所使えと何度言ったら(ry
「ああ、そうだ姉さん。」
「んー?」
恐らくズボンを脱いでるのだろう、下の方から声が響く。
「さっきトイレ壊れちゃって、明日までトイレ使ったらダメだからね」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?だったら、どこでするんだよ!」
「お風呂場。ああ、さすがに大きい方出来ないからそれは明日まで我慢ね。下水詰まったみたいだからさ」
うーん、と考え込む声を尻目にまた鍋に目を落とす。うん、じゃが芋ももうすぐ煮込み終わる。
「ほら、とりあえずお風呂入っておいで、姉さん。」
「お・・・おう」
背後の気配が、お風呂場のドアの向こうに消えてから。ズボンのポケットに手を入れる。
取り出したのは、小さな、瓶。中には、無色透明の液体。何も知らない人が見れば、ただの水。
でも、その実態は。・・・・・・・・・・・・あとの、お楽しみ。
姉さんの、犬の足跡マークの付いたスープカップにソレを1滴だけ垂らしておく。
傍目には、ただの水気が残った感じにしか見えない。
僕は、何も知らずに飲み干して、そのあとの姉さんの様子を思う。
きっと、涙を一杯ためた、すっごい可愛い顔で、”お願い、アル”って言うんだろうなー。
部屋に瓶を置きに行きながら、頭が妄想で満たされて、僕の周りの空気がピンクに染まった頃。
やっと風呂場のドアが開いて、腹ペコの塊になった姉さんが出てきた。
「あー、サッパリしたぜ〜。アル、飯できた?早く飯〜飯〜飯飯飯飯m」
「姉さん、食べ盛りの子供じゃないんだから座っておとなしく待ってなさい」
ちぇ、と膨れっ面で椅子におとなしく座る姉さんの前に、料理を並べて行く。
夕方僕が焼いたばかりのパン、サラダ、そしてスープ。
最近『ダイエットだ!胸育ち過ぎは嫌だ!』とか喚くので、夕飯は質素に。
僕としてはもっと胸が発達しても、胸枕にするには悪い話じゃないからいいんだけどなー。
僕が半分食べてる間に、ペロリと平らげて。「スープうめぇ!お代わり!」じゃないよ、姉さん。
「意地汚いよ、食べ方。子供じゃないんだから、もう少しゆっくり食べたらどう?」
「うるさいなー、アルは〜。オレは腹へってんの!」
「ダイエットはどうなったの?」
「う・・・」
痛い所を突かれて黙った姉さんの前に、もう一度スープを置く。
今度は、静かにゆっくりと飲んでいる。うん、僕も食べ終わった。
デザートは、甘いケーキ。姉さんは、紅茶と一緒に嬉しそうに食べてる。
皿洗い、今日は姉さんの当番の日。僕はその後姿を見ながら煉金術大全を読んでいる。
読みながら、チラチラと姉さんを見る。
ロイ子大佐は、1時間位で薬が効いて来るって言ってた。
”アレ”を我慢すると、余計に効くとも言ってた。・・・・そろそろ、いいかな。
「姉さん、僕お風呂入ってくるね」
「・・・お、おう」
何だか微妙に上の空で生返事を返す姉さんを尻目に、お風呂場へ。
お湯がぬるくなってるので、手パンをしてあっため直す。
とりあえず、体を温めようと中につかる。
「ぅぅ〜・・・・・いい湯だ・・・・」
オッサン臭いとは思うけど、やっぱりこの瞬間、体を取り戻して良かったって実感できる。鎧じゃお風呂意味ないしね。
5分位、そうやってつかってたら姉さんがドアの向こうで恥ずかしそうに何かブツブツ言って来た。
全然聞こえないので、『聞こえないよー』と言ったら、今度は大きく
「トイレ使えるんじゃねぇか!アルのうそつき!」
と、叫ばれた。あ、やっぱ言うだけじゃダメか。今度からは実際に使えなくしておこう。
トイレ我慢して困る姉さん見たかったんだけど、仕方無いか、次回のお楽しみにしよう。
叫んで、用事が済んだのかと思いきや、ドアの向こうにまだいる。
仕方無いので湯船から上がって、ドアを開ける。
「アル〜・・・・・か・・背中、かゆい」
効果出てきたみたいだ。
「かいたげない、自分でかけるでしょ。僕今お風呂入ってるんだから、邪魔しないでよねー」
その”痒み”は人がちゃんとかかないと止まんない位痒くなるって言ってたな、大佐。もう結構辛いんだろう。
しかも、そのまま我慢すればする程範囲が広がって・・・・。
僕がやっと湯船から上がって、体を泡だらけにした頃、急にドアが開いて涼しい風が入ってきた。
「ちょっと姉さん・・・人が風呂入ってる時に開けると寒いの分かってる?」
「アル〜、痒い、痒いの〜」
涙声に振り返ると、体のあちこちが軽く紅くなっていて、痒さが拡がっているのがよく分かる。
「ドコが痒いのか、言ってごらん?」
言いながら泡だらけの手でお腹をなぞる。ヒッ、と喉の奥から可愛い声を絞り出す姉さん。
お腹を、泡を広げるように手でなぞるだけで、姉さんの息がどんどん上がって行く。
「ねぇ、姉さんドコが痒いのか言わないと僕はかいてあげられないよ?ちゃんと、言わなきゃダメだよ?」
一瞬だけ、手を胸まで滑らせると、体がふらついてこっちにまで倒れてきた。
「危ないな〜、酔ってないのに風呂場で転倒して怪我なんて恥ずかしいよ?」
言いながら、今度はガラ開きの背中を撫でさする。
今の姉さんは、かろうじて立っているけど、座った僕にほぼ全身寄りかかる状態でハァハァ言っている。
前のめりの姿勢がかわいそうになってきたので、脇の下に手を入れて自分の膝の上を跨ぐように乗せる。
ぬちゃり
自分の足に、泡じゃないぬめった感覚。
「姉さん、痒い痒いって言ってるけどその痒さで濡れちゃったの?」
「な・違っ!あ・・・アルが変なさわり方するからっ!てか痒い・・・」
否定の言葉を言いつつ、痒みを訴える。
僕はそんなの聞かず、耳元で『どこが痒いの?』と聞きながらあちこちを撫でさするだけ。
そうそう簡単に言い辛い処が、痒いはず。自分でかく、なんて発想が出る姉さんじゃない。
今まで、背中が痒かったら僕がかいてた。最近は、僕が姉さんの髪を編んでいる。
自分で自分の事をしていた昔ならともかく、最近は僕に任せっきりだったせいで、自慰なんか出来ない頭になっちゃってる。
自慰する程溜まる事がない、っていうのが実情かもしれない。
でも、ココまで耐えるなんて思わなかった。仕方がない。
姉さんの座っている足を軽く揺さぶる。その揺さぶりが刺激になったのか、姉さんが素直に甘い声を出す。
「んっ・・・あ、アル・・・」
「なーに?姉さん」
姉さんが僕の名前を口に出すと同時に足を止める。
うらめしそうに、僕を見る、姉さんの顔が、真っ赤に染まる。パクパクと口を開け閉めして、金魚のようだ。
「何か僕にして欲しいなら、『お願いします』ってつけなきゃダメだよ?この前、ロイ子大佐の所で言ったでしょ?
『アルの言う事ちゃんと聞く』って、自分で言ったよね、姉さん」
にっこりと、極上の、姉さん専用の笑顔で言う。
言った後、もう何度かだけ足を軽くゆさぶってあげる。
うー、と腕をポリポリかきながらしばらく迷ってから重い口を姉さんが開く。
「・・・もっと、足・・ゆらし・・・じゃなくて。そのー・・」
「何で足揺らして欲しいのか、言ってごらん姉さん」
”お願い”は抜けてるけど、して欲しい事を言ったご褒美に足を軽く揺らしながら聞く。
「んっ・・ぁ・・・ふっ・・・・あ、オレの・・・大事なトコ・・かいて・・・一杯・・・かいてぇ・・・んっ!」
揺らされ、ゆるく甘い気持ち良さの中でそれだけ言って、姉さんは更に真っ赤になって、ゆでダコ状態。
「よく出来ました、ちゃんと言えなかったから80点だけどね」
おでこに軽くキス。ちょっとだけ、嬉しそうな顔を見せる姉さんの秘所に指を伸ばす。
そこは、いつも以上に大洪水を起こしていて、すごい感触だった。挿れたらきっとすごく気持ちいいんだろう。
自分の足と姉さんの間に指を滑らせて、指を上に曲げると、そのまま往復する。
入り口を丹念に何度も、何度も刺激されて姉さんがうめく。
「やぁ・・・そんな・・・じゃ・・あ、や・・・痒いのとまんな・・・・はふ・・」
それなら、と優しく入り口の上の方にある姉さんの豆を摘む。
「あぁ!」
摘んだ瞬間に、背中を仰け反らせて軽くイったらしい。
「姉さん、痒いの止まった?」
グッタリと体を僕に預け、息を荒くつく姉さんに聞いてみる。・・・とまってるハズないんだけどね。
「ハァ・・ハァ・・・ま・・だ・・・・」
潤んだ瞳が僕を見つめる。見つめたまま、だんだんと近付いてくる。
珍しく、姉さんからキスをしてきた。
舌を入れると同時に、指を一気に2本、下に挿れてあげる。
刺激に反応して口を離そうとするのを、舌を絡めて離さない。
姉さんの声は僕の口の中に吸い込まれて行って、僕の指は今姉さんの中に吸い込まれていて。
上と下で1つになってる。
姉さんが舌を動かすと、僕の指が下で同じように動く。
「んっ むぐ・・・」
息が漏れ、涎が垂れる。
断続的に姉さんの中がもう締まってきて、イくのが近いのが分かる。
キスをしながら、下を掻き回しながら。あいている指で思い切り豆を引っ掻いてやった。
10分位して、姉さんが目を覚ます。
空ろな目で今の位置を確認して、僕に目線を合わせると、恥ずかしそうに微笑う。
今は、2人でぬるめのお湯につかっている。
体に泡が残ってるし、姉さん自身が出したヌルヌルを落とさないといけなかったし。
「跡・・・残っちゃうかな」
「姉さん傷残りにくいから大丈夫だよ、本気でかいてる傷じゃないんだし」
腕を取って、紅く残る傷にキスをする。姉さん自身が好きなんだ、この傷が全部残っても愛せる。
姉さんはそこを気付いてない。傷なんて関係無いんだよ。
「それにしても、何で急に痒くなったんだろうな?アル、今日の飯に何か混ぜた?」
「ううん、何も入れてないよ。入れてるワケないでしょ?僕が入れてどうするってのさ」
「だよなー。何かアレルギーにでもなったのかな、オレ・・・後でアレルゲン検査でもしてみっか」
「ムリなダイエットしようとしてるからなっちゃったのかもね、検査するだけしてみようか」
ダイエットのせいかー?と、むくれる姉さんの頭を撫でると2人でお風呂を上がる。
姉さんの髪を拭きながら、幸せに浸る。
これで、姉さんの恥ずかしそうな可愛い顔また見れたし、ついでにダイエットも阻止出来るかもしれない。
ロイ子大佐に貰ったあの媚薬は結構いいかもしれない。
・・・副作用が痒みって言うのがちょっと使い辛い所だけど、それは仕方ないかな。
その後、部屋に行ったら机の上に置いておいた瓶が床に落ちて割れていて、愕然としたのは秘密だ。
犯人は、先月拾ってきた金色の瞳の子猫だろう・・・猫拾うのも少し考えなおそうかな・・・
おわり