CAT
>574氏

【注意】鬼畜アル

僕は猫好きで知られるアルフォンス=エルリック。今日も鎧の中に可愛い子猫を飼っている。いや、子猫と言うには少し大きいか。

トントン……

執務室のドアがノックされる。
「入りたまえ……おや?今日は弟君、君一人かな」
「こんにちわ、マスタング大佐。姉さんは具合が悪いそうなので今日は僕で失礼します」
僕は姉さんから預かった報告書を渡しながらにこやかに挨拶をする。鋼の鎧に表情は浮かばないが、僕の心はうきうきと弾んで抑えきれない。
「そうか……心配だな。鋼のに大事にするように伝えてくれ」
その時鎧の中の僕の可愛い子猫が身じろぎする音と、小さなうめく様な喘ぎが聞こえた。
どうかしたか……?という大佐の声に僕は答える。
「いえ、なんでもありません。ところで…大佐は姉さんのことどう思っているんです?」
単刀直入に聞いた。
「好きだよ、とても。」
大佐は躊躇しながらも正直に答えたらしい。
ゴトン――
カーンカーン
不意に僕の鎧の中から何かが落ちて、反響する音が聞こえる。そして声を懸命に殺して震える子猫の震えには気づかない振りをした。
音は、鎧の中に縛って閉じ込めた姉さんに突っ込んだバイブが落ちた音だ。
あれほど帰るまでに勝手にイって、落としたりしてはいけないと言ったのに。帰ったらお仕置きだ。いや、それとも今ここで、大佐の見ている前でしようか。僕を差し置いて、恋愛ごっこをする姉さんが悪いんだ。

しばし上の空だった僕に大佐が心配そうに声をかけた。
「いえ、大丈夫です。それより大佐、面白いものをご覧にいれましょうか?」


おわり





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