花火師
>214氏

※グロ注意

あのですね、わたくしあまり人に言えない仕事してるんですがね。
「花火師」っていうんですけどね、要するに華々しく指定の人物を散らせるんです。
なんでそんなことをするのかっていうとですね、最近の人ってとても忙しくその誰もが心の中にぽっかりとした大きな空虚を抱え…酷く病んでるじゃないですか。
ですから中には死にたくても死ねない…だけれど華々しく死にたい人ってのも沢山いる訳ですよ。
そういう人達の代わりにわたくしが花火を御用意し死に目に立ち会うんです。
やっぱり人間って一人っきり死んでいくのって寂しいじゃないですか。怖いじゃないですか。
そんなわけでね、結構依頼が多いんですよ、この仕事。
お客さんも死んでいく本人だったり、その家族だったりでいろいろ多種多様…様々ですね。
満満面の笑顔を浮かべて感謝の言葉を呟いて私の手を握りしめた末期の癌患者の少女やら、生きる希望を無くしたとさめざめ泣いて縋る見窄らしい老人やこの戦争で身体に傷を負い、明日をも知れぬ命だと言う方が今は多いですかねぇ?
中にはその瞬間を写真やビデオに撮ってほしいって方もいらっしゃいます。
もちろんサービスでそういうこともしますよ。それも仕事の内ですから。
それでね、気前のいいお客さんなんかは写真やビデオに謝礼をくれたりするんです。
とてもありがたいんですが、わたくし全てお断りしてるんです。
なぜかって?
・・・わたくし、この仕事始めてからだいぶ経つんですが実は他に同業者がいましてね。
その方…「真理」さんて言いましたっけ?
に言われたんです。
「いいか…人が死ぬ瞬間てのは俺が仕事をしているときなんだよ。
 もしその瞬間を撮って儲けようなんて考えたら次はおまえの処に行ってやろうじゃないか。
 そう…俺は言ったよな?」と。
黒い触手と地獄門が目の前にドン!と鎮座した時は正直寒々としましたよ。
物心付いた時にゃあ…天国なんかにゃ行けない商売をやってますからねぇ。
私はいつものスタンスでほくそ笑んで帰ろうとしたんですがまぁ魑魅魍魎が跋扈するとは…この事を差すのやら。
リオールで従えていた筈の合成獣達が口から涎を垂れ流して厭らしく欲情した目をギラつかせ私を囲んでいるじゃありませんか?
「黙って帰ろうなんて思うなよ…錬金術師?」
飛びかかって来た狗の顔をした合成獣達がわたしに向かって飛びかかってきたんですがね。
勿論抵抗はしましたよ?
私の足下には…まぁ、綺麗に散った紅蓮色の飛沫と五臓六腑。
だからこの仕事はやめられないんです。
ぞくぞくとして不謹慎にもはしたなく花園がじっとりと湿って来るのが分かりますよ。
「そうで無くちゃ、遊びがいが無いだろう?。」
「真理」さんは高らかにからからと笑って私に黒い手を無数に伸ばしたんです。
服の間を縫うように湿り気を帯びたそこに伸ばされる指は細やかな気遣いを伴って愛撫をするものですからね身体が貪欲に反応を示すなんて…本当に困ったもんです。
私自身、身の内は全てが空虚で突き込まれる腕も奇妙な圧迫感を伴うだけで巷の女がここをこうされれば、喘ぎよがり悶えると言うのに濡れるだけ濡れたそこは何の感慨も気持ちよさも与えないんで…グラン准将と言う上官、まぁ…私の初めての男だった方ですがね
「とんだ木偶だな。
 …だが、随分と具合が良い。」
と毎晩さんざそこが腫れ上がる程に抱き散らかしてくれましたよ。
面白半分にあの焔の坊ちゃんを筆下ろして差し上げた時が一番濡れた記憶ですかね。
まあ、私にはそんな事どうでも良い過去の出来事です。
「っぁ……んッ!!」
今迄感じる事等無かった私の喉がどこにでもいるような女の声を上げた時には自分自身驚きました。
身体に絡んだ触手が音を立てて腹を這い回る感触です。
かつて無い程の気持ちよさに失神するとさえ思いましたよ。
「っ…ぁ?あっ!ひっぁ!!」
身体を持ち上げた触手が入り込んだのは…
ああ…そうだ、あの時だ。
傷の男が私の身体に風穴を開けてくれたんですよね。
「苦しみ悶えると思えばコレか?お前は運がいいな。
 折角だ…楽しませてやるよ。」
腕はそこを突き抜け私の体に男が象徴を擦り付けるようにずりずりと中から腹を掻き回すんですよ。
青かった軍服は更に赤く染まり、端から見れば凄惨絵図でしか無いでしょう。
だけれど私にとってそれは情欲であり肉欲で…最も汚い人間の欲の1つを感じる行為。
這い回るそれは後孔にも突きこまれ、腹の中と女の孔からも蠢き…堪え難い苦痛に似た快感を私に与えて行きます。
「っ?う……あ!!ひ…!!っぁ…あ?ぁあ!!!」
私が始めて感じた絶頂は見事に呆気無いものでした。
びちゃっ!と触手が跳ねた瞬間その体はあの時のように扉の向こうへと投げ捨てられ扉の向うでは紫色の目と触手のが蠢き歓迎するように私に手を差し伸べたんです。

…漸く理解しました。
万人が呼ぶ地獄とはきっと、この光景なんでしょう。
だが、私には永遠に続く蜜のようなものでしか無い訳です。
黒い渦の本流に頭まで飲まれる瞬間
私は徐々に満たされて行く空虚に歓喜の震えを伴う唇で呟やきました。

「嗚呼、素晴らしい…
 地獄とは本当に素晴らしいものだ…。」

ぐぼっと黒い液体の湖面に浮かんだ泡を最後にゆっくりと扉は閉じ、辺りには変わらぬ静寂が訪れた。








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