【ロイ大佐のひみつ日記】
>706氏
○月×日(水)
今日、昼に鋼のが部屋に来て相談があるので時間があるか?と言ってきた。
ほのかに顔を紅くして、目線も動きも少し落ち着きがなく、明らかに不審すぎる。
何の相談だ、と聞くと人に聞かれたくないという。
今日は生憎時間が取れないので明日また来い、と言うと納得して下がって行った。
普段はあんなこまっしゃくれた態度を取るような少女が自分を頼って来るのが嬉しい。
入れ違いで中尉が入ってきて、鋼の様子を気にかけていた。
どうも中尉は男の癖に細かいところを気にする。女だったらもう少し気にならないものを。
○月△日(木)
夕方になっても鋼のが来ない。心配になってきたところに、やってきた。
人払いをかけてから話を聞くことにする。
鋼のが言うには、「大佐はそういう方面に詳しいから相談することにした」だそうだ。そういう方面とはどういう意味だ、と聞くとまた顔を紅くしながら恋愛関係だ、と呟く。恥ずかしそうにうつむく姿が可愛い。可愛すぎる。
それだけではわからない、ちゃんと詳しく言いなさいと言うと
「自分が人を好きになってしまったが、相手は年上な上に仏頂面で何を考えているかわからない。
ある程度は話せるが、踏み込んで話をするにはどうしたらいいのだろう?」
と、真っ赤になりつつ、目線を逸らしつつ更に口篭もりつつ話す。
まさか、コレは自分の事をさしているのではないだろうか?それだったら話は早いのだが。躊躇わず言ってくれればいいものを。
内心の動揺を隠しつつ
「素直に自分の気持ちを相手に伝えれば、大丈夫だと思う、勇気を出して言うといいだろう」
と伝えると、本当にそうだろうか?と不安そうに聞いてくる。その姿がまた彼女の愛らしさを倍にしている、早く言ってくれればいいのに。
とりあえず考えてみる、とだけ言って鋼のは帰って行った。だから今言ってくれればいいのに。
○月◇日(土)
今日はどうも中尉の機嫌がとてもよかった。気持ち悪いくらいに良かった。
夕方、鋼のが部屋に来た。私に挨拶だけして、そのまま前を素通りして中尉の所へ・・・・・・・・・
何やらボソボソと2人で語り合うと、そのまま2人は手を繋いでお互い頬を染めながら幸せそうに出て行った。
年上の相手とやらは中尉の事だったようだ。やってられん、これだからいやなんだ。
そういえば鎧のままの鋼の妹君は人の姿をしていた頃はとても愛らしかったそうだ、彼女に期待してみるか。
しかし、私の心中を考えずに目の前で幸せそうにする中尉はどうしてやればいいだろうか。
とりあえずこっちを心配そうに見ていたハボ子を夜伽に呼ぶ事にして今夜は鬱憤を晴らしておく。