禁忌の門
>471氏
処女を奪ったのは実の息子でエドワードの弟、アルフォンスだった……
…そう、娘の寝言でそう聞いたのだ。
錬金術の世界を思い出すかの様に娘は毎夜うなされれ過去の出来事を口にし、涙を零しながら寝台の上で苦し気にもがく。
機会鎧の手術の時、猟奇殺人鬼に命を狙われた時、トリシャを模したホムンクルスを屠った時の事。
が、いつもと違う反応を見せた娘は足を大きく開き…なんと義手をしとどに濡れそぼったそこに3本一気に突き入れ
「うぁあ…アルっ!指太っ……あっ!!ぁ…ひぁああ!!」
そう悲鳴混じりの喘ぎを漏らしているでは無いか。
自由の聞かぬ作り物の指では物足りないのか?
求める身体が小刻みに揺らされ、毒牙の様にこの心を煽り揺さぶるものは獣ですら犯さぬ最大の禁忌へと私を誘う。
神が居るならばなんて残酷な事をしてくれたのだろう。
何故、娘をこちらの世界に来させたのだ?
嗚呼…私にまた禁忌を犯させようとするのは誰の意思によるものなのか。
エドワード、汚れたこの父を許さないでくれ。
いっその事…今よりも強く、激しく、私を憎み
存在すら否定し…この禁忌のはじまりである私を遠ざけてくれ。
そんな私の葛藤を何も知らずに眠る娘の寝顔はただ安らかで
…トリシャの様にいつまでも無垢の様で美しかった。