NEW ORDER ニュー・オーダー Bernard Sumner(vo/g),Peter Hook(b),Stephen Morris(ds)
◆ BIOGRAPHY ◆ 1970年代に全英を虜にしたバンドがあった。その名は 「ジョイ・ディヴィジョン」。 77年、セックス・ピストルズのライヴで出会ったバーナード・アルブレヒト(のちのサムナー)とピーター・フックは 「スティッフ・リトル・キトゥンズ」 を結成。 同年にイアン・カーティスに出会った彼ら2人はバンド名を 「ワルシャワ」(デイヴィッド・ボウイのアルバムから命名) とし、77年5月にデビュー・ギグを行う。 その後、スティーヴン・モリスがバンドに加わり、マンチェスターで始動したばかりの 「ファクトリー」 と契約を結ぶ。 「ジョイ・ディヴィジョン」 の歴史は、ここから始まることになる。 「ポスト・パンク」 を象徴する独特の沈滞感を帯びたサウンドやフロントマンのイアン・カーティスの類まれなソングライティングの才能も手伝って、 彼らはわずか2年半の間に、70年代を代表するバンドへと飛躍を遂げる。 しかし、全米ツアーを前にしたバンドの歴史は1980年5月18日、「カリスマ」 イアン・カーティスの自殺によって終焉する。 彼の死後にリリースされた2ndアルバム 「Closer」 は大ヒットを記録し、その後のミュージックシーンに影響を与え続ける名作となった。 イアンを失った3人は、バーナード・サムナーをヴォーカルとして 「New Order」を結成。1981年に「Movement」 で新たなスタートを切る。 当初はジョイ・ディヴィジョンの影を引きずりながら も、彼らは次第にエレクトリカルなサウンドにそのスタイルを変えて行く。 キーボードにギリアン・ギルバートを迎え、83年にはセカンドアルバム 「権力の美学」 をリリース。 イアンの死を題材としたシングル 「Blue Monday」 は300万枚というモンスター・セールスを記録。 瞬く間に彼らは英国を代表する国民的バンドへと上り詰め、時代の寵児となった。 そして、ファクトリーの総帥トニー・ウィルソンとともにクラブ 「ハシエンダ」 を作り、全英に 「マンチェスター・ムーヴメント」 を巻き起こす立役者となった。 85年には3rdアルバム 「Low-Life」、翌年には4thアルバム 「Brotherhood」 をリリース。 87年にリリースしたシングル集 「Substance」 はアメリカでもヒットし、「ニュー・オーダー」 の名を世界に轟かせた。 89年に5thアルバムとなる 「Technique」 をリリースしてから、メンバーは個々の音楽活動を始めるようになる。 90年には90年イタリアW杯に出場したイングランド代表応援歌 「World In Motion」 で全英チャート1位を獲得する。 だが、92年に所属レーベル 「ファクトリー」 が倒産。 ハシエンダもドラッグ問題や銃の発砲事件などで、営業停止へと追い込まれる。 彼らは93年にアルバム 「Republic」 をリリースした後、8年間にわたって活動を休止することを余儀なくされる。 その間もバーナードは元スミスのジョニー・マーと組んでアルバムを発表したり、その他のメンバーも再び個々の活動を繰り広げた。 94年には数々の名曲を再録した 「The Best Of New Order」 がリリースされるが、バンドはほぼ解散状態のままだった。 しかし98年、彼らは突如レディング・フェスティバルに登場。翌年には映画 「ザ・ビーチ」 に久々の新曲 「Brutal」 を提供。 2001年にはフジ・ロック・フェスティバルで来日。入場規制のかかったホワイト・ステージで見事トリを務め、伝説となるライヴを繰り広げた。 2001年、8年ぶりのオリジナルアルバム 「Get Ready」 で奇跡の復活を果たした。 今もなお彼らは 積極的にクラブ・サウンドに取り組み、ハウスやテクノを取り入れロックとダンスミュージックを融合させたスタイルを追求し続けている。 その他の追随を許さない独特のバンド・スタイルと、美しく、あまりにも劇的なメロディはいつまでも人々の心を捉え続けている。 2003年末にはジリアンが脱退。05年には4年ぶりのニュー・アルバム 「Waiting For The Sirens' Call」 が日本先行でリリースされた。 ニュー・オーダーは今なお連綿と歴史の中に刻まれ続ける現在進行形の 「孤高の伝説」 なのだ。 ◆ DISCOGRAPHY ◆ MOVEMENT (1981) ◆ NEW ORDER LINKS ◆ ニュー・オーダーのUKオフィシャルサイト。 ワーナー・ミュージック・ジャパンのニュー・オーダーのページ。 ◆ MY FAVOURITE SONGS ◆ 「True Faith」 (from 『Substance』, 1987) 名曲 「1963」 とともに、2枚組シングル・コレクション 「Substance」 のために作られた。泣いてしまってもいいでしょうか・・・。 「Shellshock」 (from 『Substance』, 1987) 映画のサントラ用に作られ、1986年にリリースされた。とてもキャッチーで、これもニュー・オーダーの代表曲の一つ。 「Here To Stay」 (from 『24 Hours Party People』, 2003) 映画 「24 Hours Party People」 の主題歌。マンチェスター、そして彼らの歴史を凝縮したような1曲。ケミカル・ブラザーズのプロデュース。 「Touched By The Hand Of God」 (from 『The Best Of New Order』, 1994) BBC Radio1のジョン・ピール・セッションからのライヴCDを聴いて一発KOされた。本当にゾクゾクしてくる。1994年のベスト盤に収録された新曲。 「1963」(from 『Substance』, 1987) シングル 「True Faith」 B面としてリリース。彼らのベスト系の音源にはだいたい入ってます。ちなみに曲に出てくるジョニーは、かのジョン・F・ケネディ。 「Close Range」 (from 『Get Ready』, 2001 ) バンドとしてのケミストリー、独特のサウンドに思わず敬礼させられてしまう。間奏に入るバーナードのシャウトに身震い。 「Let's Go」 (from 『The Best Of New Order』, 1995) NHK教育で放送中の 「トップランナー(TR)」 のテーマ曲。イントロがオープニングで流れてきた時の驚きようと言ったら!BOX 「Retro」 にも収録されてます。 「Elegia」 (from 『Low-Life』, 2003) 「Low-Life」 収録の哀しげなインスト・ナンバー。彼らの作り出す世界へどんどん引き込まれていく。 「Regret」 (from 『Republic』, 1993) 「Blue Monday」 に次ぐニュー・オーダーの代表的なアンセム。最高に美しく、そしてメランコリック。 「Crystal」 (from 『Get Ready』, 2001) 2001年、約8年のブランクを経てリリースされた 「Get Ready」 からの1stシングル。この曲がUKの人々にニュー・オーダーの健在を示した。 |