MUSIC KEYWORDS version 2004
2004年までのミュージック・シーンをより理解しやすくするためのキーワード集を作ってみました。
もしかしたら見当違いとか明らかな間違いがある可能性もあります。
そういう時は 【MESSAGE BOARD】 の方までご報告いただけるとありがたいです。
◆ あ行 ◆ 【Ireland / アイルランド】 アイルランドは2002年のサッカーワールドカップでもっとも強い印象を残したチームの一つだった。最後まであきらめないその真摯な姿勢、団結心は見事だった。 本国・アイルランドから移民したアイリッシュ達はアメリカやヨーロッパに独特の伝統音楽を伝えた。アイリッシュ音楽とパンクを融合させ、イギリスで大ヒットさせた ポーグスが伝統的なアイルランドの代表的バンド。しかし、U2やアッシュ、コアーズ 、クランベリーズ、シンニード・オコナーなどなどさまざまなロック・バンド発祥の地 であるのも実はアイルランドなのである。 【R&B /アール・アンド・ビー】 「リズム・アンド・ブルース」 の略。一般的には1940年代に登場した黒人音楽を指す。現在でもその意味合いは強く残り、黒人音楽の総称になっている。 いわゆるヒップ・ホップ以外のブラック・ミュージック(差別的意味ではない)を表している。「ソウル」 との区別は極めて難しいと言える。 近年はR&Bの母国・アメリカのみならず、海を挟んだイギリスでもR&Bは大きな支持を受けている。 【Umplugged / アンプラグド】 そのスペルのまま 「楽器のプラグを差し込まない」 パフォーマンススタイルのこと。 アメリカのMTVが1989年にスタートさせた 「MTVアンプラグド」 でその演奏スタイルは一気に定着した。 全くのアコースティックな場でライヴが行われるだけあって、ミュージック・シーンのスタンダードになった人々の 「本当の実力」 がうかがえるいい機会でもある。 最近、日本では宇多田ヒカルや平井堅が出演するということで大きな話題を集めた。しかし、「MTVアンプラグド」 がどれだけすごい番組なのか懇々と説明できる 人がいなかったのは大いに笑えた。たとえ 「あのニルヴァーナやエリック・クラプトン、ニール・ヤングも出ていたんですよ!!」 と説明することができたとしても、 そのすごさと偉大さをわかってくれる人がどのくらいいたのかは大いに疑問ではあります。 「MTVアンプラグド」 の影響力は電波上にとどまらず、CDセールスそのものにも大きく及ぶ。さまざまなアーティストが 「MTVアンプラグド」 と銘打ち、番組内での アコースティック・ライヴの模様をCD化している。(特に前出のクラプトンやニルヴァーナ、ニール・ヤングのCDは伝説の名盤) この番組に出演することは世界中のミュージシャンにとって、大きなあこがれなのである。(ローリン・ヒルは泣きながら歌っていた) 【Art School / アート・スクール】 いわゆる日本でいうところの 「美大」 「芸大」 のこと。やはり同じ 「芸術」 だけあって、音楽と美術は切っても切れない間柄。 そうそう、そうなんです。アーティスト達の 「生命線」 とも言えるCDのジャケットを描くのも、有名無名の芸術家たち。(時には本人が描くこともあるが) アンディ・ウォーホルとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの関係が代表的なコネクション例。 エリック・クラプトンもキース・リチャーズもデイヴィッド・バーンもブライアン・イーノもブライアン・フェリーもみなアート・スクールの出身。 最近ではあのブラーの面々もアート・スクールの出身で知られている。このサブカルチャーはイギリスの 「階級意識」 とも密接に関わっている気がする。 【Wales / ウェールズ】 イギリスの南西部にある地域のこと。面積は四国の約1.2倍ほど。ウェールズ人はもともとブリテン島に住んでいたケルト人の子孫である。 15世紀の初めまでは独立国として存在していたが、1536年にイングランドと合併する。その後、ウェールズ語が禁止されるという歴史があったりした。 音楽との関わりからいうと、ここもアイルランド同様、独自の文化を持つ地域。マニック・ストリート・プリーチャーズやステレオフォニックス、カタトニア、 スーパー・ファーリー・アニマルズが主なウェールズ出身のバンドです。特にスーパー・ファーリー・アニマルズはすべてウェールズ語のアルバムをリリースするなど、 ウェールズを代表するバンドに成長しつつあります。 【HMV / エイチ・エム・ブイ】 サイトマスターも足繁く通ういわゆる 「大手レコード店」 の一つ。関東圏では渋谷がダントツに品揃えがいい。新宿にも店舗がたくさんある。 こういうメガ・ストアの利点はやっぱりポイント・カード。HMVはWポイントデーがあって、500円ごとなのでたまりやすい。 HPでの検索がとてもしやすいし、見やすいんです。洋楽シングルがけっこうあってうれしい・・・なんか宣伝してるみたいだな。ま、いっか(笑) 【NME / エヌ・エム・イー】 イギリスのロック誌。タイトルは 「New Musical Express」 の略。 イギリスでは数多くの音楽雑誌やスポーツ専門紙(たいがいサッカーですが)が、駅のスタンド(日本でいうキオスク)で売られている。 これもやはり文化の違いなのか・・・と愕然とするのはいつでもいいとして、情報を伝達する形態こそ違えど、NMEのイギリスにおける影響力は アメリカにおけるMTVのそれにかなり近いものがある。 最近ではストロークスやホワイト・ストライプス、リバティーンズあたりがNMEの 「ハイプ(宣伝、誇大喧伝)」 によって、ミュージック・シーンに登場した。 つまり、NMEはロック・ファンにすばらしい新人バンドをプッシュしていく前線基地になっているのである。 ライバルの 「メロディ・メイカー」 とは発行部数でもいい勝負。そういえば最近、ラジオがバッタリ聴けなくなったぞ。いったいどうしたんだろう? 【MTV / エム・ティー・ヴィー】 アメリカの音楽専門チャンネル。あるいはその社名。地上波 「しか」 ないに近い日本の稚拙な放送網とは違い、ケーブルテレビが普及しているアメリカでは、 MTVの存在価値やその権威は計り知れないものがある。それは前出の 「アンプラグド」 で述べた通り。 MTVはヨーロッパや日本、アジア(香港が拠点)、中南米をはじめとして、世界中にそのネットワークを持ち、その地域に対応した放送を実施している。 1981年に放送が開始され、全米8324のケーブルテレビ局を介して、5830万世帯に供給されている。 MTVからプッシュされることで世に出たアーティスト達は数知れない。アメリカでのMTVは、若者文化を代表する存在でもあるのだ。 日本ではCSのスカパーやケーブルテレビで視聴できる。「MTV Japan」 の番組内容はビデオ・クリップが多い。 せっかく向こう(アメリカ)にたくさんのコンテンツがあるのに、放送されているのはごく一部といった感が強い。 それでも昔の貴重な映像や最新のビデオ・クリップ、MTVアウォードなどが見れるのはありがたい。「オズボーンズ」も有名ですね(笑) 「MTV」 の割にはあまりにJ-POPネタが多い。ま、でもそうじゃないとこのご時世ではやっていけないので仕方ないか・・・(悲) 【Alternative / オルタナ】 正式にはオルタナティヴ。本来の 「Alternative」 は 「もう1つの」 とか 「代わりの」 という意味。 インディーズの怪物バンドだったソニック・ユースがゲフィンと契約し、メジャー・デビューしたころから流行った言葉。 あくまで商業主義中心のミュージック・シーンの対抗軸としての 「もう一つ」 の音楽と言う意味。 そもそもはインディーズ・シーンとそこで活躍するバンド達の総称であった。現在ではノイズを多用したりするバンド・スタイルを指す。 【Over Dose / オーヴァードーズ】 いわゆる麻薬の過剰摂取。これで死んでしまうアーティストの数は計り知れないほど多い。突然死の際、もっとも疑われるのがコレ。 オーヴァードーズで命を落としたアーティストは多いが、あえて個人の名誉のためにここでは触れないでおきたい。 【Country / カントリー】 アメリカのアメリカたる音楽のこと。平たく言うと、田舎で聴かれる音楽ってことでしょうか。 代表的なアーティストはウィリー・ネルソン御大、ガース・ブルックス、ディキシー・チックスあたり。 なかなか表現が難しいんですよ、こればかりは聴いていただくしかないですよね・・・ 2004年のアメリカ大統領選、民主党のケリー候補の応援に駆けつけたのはブルース・スプリングスティーンやボン・ジョヴィといったロック・バンド。 その一方、ブッシュ大統領の応援に駆けつけたアーティストの多くは、カントリー歌手やカントリーバンドでした。 【Glastonbury / グラストンベリー】 6月下旬に行われる英国最大の野外フェス。レディングと比べてグラストンベリーはベテランに優しい「実績重視」の感が強い。 レイヴの本場、というより総本山と言った方がいいかも。ステージで正午から深夜までライヴが続いたあとは延々とレイヴが続くわけだ。 あえてレイヴについては深く言及しないでおきたい(苦笑)雰囲気はとてもアットホームな感じらしいのですが・・・ただし、こちらは野宿は必須。 だが、そんな雰囲気に気を許したのか、10万人以上の不正入場者が発覚したり、オーヴァー・ドーズで病院に担ぎ込まれる輩が続出するなど社会的問題にも。 その余波で2001年には開催が中止された。いくらイギリスとはいえ、やっぱり一度は行ってみたい(笑) 【Grungy / グランジ】 「汚いもの」「ゴミ」「粗悪な」という意味の俗語。80年代後半から90年代にかけて、若者達に大きな支持を得たニルヴァーナやサウンドガーデン、パール・ジャム といったバンドの音楽の総称。シアトルを起源とするので、別名シアトル・ロックとも呼ばれる。80年代、全盛期を迎えていたハード・ロックやヘビーメタル、パンク の影響を受けつつもそれらを否定したジャンル。粗いギターや独特のラウド・ヴォーカルが特徴。グランジブームが現在のUSロックに与えた影響は計り知れない。 ニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンのピストル自殺により実質的にその幕を閉じたという声が多い。最近、ニルヴァーナのベスト盤発売を機に再評価の 機運が高まっている。 【Criation / クリエイション】 プライマル・スクリームやオアシス、スーパー・ファーリー・アニマルズ、ティーンエイジ・ファンクラブらを輩出した天下のアラン・マッギー総帥率いるレーベル。 現在はポップトーンズとして、レーベルを続けています。ベルレイズやコズミック・ラフ・ライダーズらが所属。 【Groove / グルーヴ】 いわゆる 「高揚感」 のこと。マスター的にはグルーヴのないものは 「ロック」 と呼べないと思っています。 【Compilation / コンピレーション】 いま流行りのコンピレーションとは、つまりはジャンルを区切っていろんなアーティストの曲を集めた作品集のこと。 【Sound Track / サウンドトラック(サントラ)】 だいたいは監督の好みで選ばれた劇中音楽をCD化したもの。 監督のセンスがストレートに出るし、秀逸なものも多い。 ベルセバの「ストーリーテリング」のように、ほとんど使われなかったなんて場合もあるのであしからず。 【Shoegazer / シューゲイザー】 靴をじっと見ながらプレイする姿から名づけられた音楽ジャンル。代表的なバンドはジーザス&メリーチェイン、ライドなど。 【Sweden / スウェーデン】 エスコバやミュウなど多くの好バンドを輩出している地。古くはアバが有名。 【Strings / ストリングス】 弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス etc)の集合体、総称のこと。ホルン系 etcは入っていないので、オーケストラ全体の音とはまた違うらしい。 【Top Of The Pops / トップ・オブ・ザ・ポップス】 日本ではMusic on TV!! で、2週間遅れでオンエアされてされているBBCの音楽番組。 UKでは毎週金曜日の19時から30分間放送されている、日本でいう 「ミュージック・ステーション」 的な番組。 しかし、その影響力はMステとは比較にならない。とにかくメジャーヒットを飛ばしたバンドの目標はまずこの番組に出演することにあったりする。 UKで誰もが見れる全国地上波でのオンエアなので、プロモーション的にもものすごい重要視されている。 トークは例外を除いてほとんどなく、だいたいはスタジオからのライヴのみ。 【Tribute / トリビュート】 亡きミュージシャンをしのんで(健在の場合も多々あるが・・・)、そのミュージシャンをリスペクトする人たちが集まって作る作品のこと。 【New York / ニューヨーク】 ご存知U.S.Aの象徴的な都市。その影響力はニューヨークが世界を動かしているといっても過言ではないほど。 音楽的には、昔からアンダーグラウンド・シーンの中心地として名高い。 【Hipe / ハイプ】 日本語でいう 「誇張喧伝」 のこと。「何だよ、どうせアイツらハイプだろ」 というような悪い意味で使われることが多い。 でも、そのハイプでビッグネームにのし上がるバンドもたくさんいるのが困ったもので。 【Hacienda / ハシエンダ】 イギリス・マンチェスターにあった伝説のナイトクラブ。ここから数多くのUKを代表するバンドが巣立っていった。 詳しくは映画 「24 Hours Party People」 を参照。(本も出てます) 【BBC / ビービーシー】 イギリスが世界に誇る国営放送。どこぞのN○Kとは影響力も報道力としても、カルチャーの発信地としてもその力量はケタ違い。 【Festival / フェス】 音楽祭のこと(笑)日本ではフジロックとサマーソニックが代表的なフェス。コンディション的な問題もあり、夏に開かれるのが一般的。 日本では夏には台風が来るので、運を天に任せるしかない。 【Fuji Rock Festival / フジロック】 SMASH主催の日本のロック・フェスのパイオニア的な存在。初年度はその名の通り、富士で開催も天候に恵まれず。 現在は苗場で開催している。さまざまな面で、日本の音楽ファンに与えたその影響は大きい。 【Bristol Sound / ブリストル・サウンド】 マッシヴ・アタックやトリッキー、ポーティスヘッド、フェイスレスらに象徴されるダーク系ダンスサウンドのこと。 一度ハマると病みつきになる系統の音楽。 【Brit Pop / ブリット・ポップ】 90年代初め、オアシスやブラーらの登場で隆盛を極めた。 【Progressive Rock / プログレッシヴ・ロック】 「時代を先取りした」 ロックのこと。と言ってもその歴史はメチャクチャ古い。 曲がやたら長いのが特徴。でも、そんな大曲でも聴き手を飽きさせないのが最強のプログレ・バンド。 代表的なバンドはピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマーなど。 【Bootleg / ブートレグ】 いわゆる海賊盤のこと。とは言え、かなり愛聴されている場合もあるし、バンド公認ブートなんてのもあったりする。 【Magic Rock Out / マジック・ロック・アウト】 夏のフジロック を主催するスマッシュが2002年に新たに企画した冬のインドア・フェスティバル。 屋内ステージで夕方から早朝まで、2002年はFoo FightersやWilco、Death In Vegas、Radio 4、Goldieらが出演。 【Manchester / マンチェスター】 マッドチェスター・ムーヴメントを巻き起こした源地。 【Mixture Rock / ミクスチャー・ロック】 その名の通り、さまざまなスタイルを織り交ぜたロックのこと。ライヴ・パフォーマンスに優れたバンドがとても多い。 代表的なバンドはレッド・ホット・チリ・ペッパーズやジェーンズ・アディクションなど。 【エントリーなし】 【Reading / レディング】 8月下旬にロンドン郊外のレディングで開催されている30年以上の伝統を誇る夏フェスの殿堂。利点は深夜0時ちょっとに電車に乗ればロンドンに戻れるところ。 グランストンベリーとの違いは出演アーティストの人選。こちらはそのとき旬のアーティスト達を積極的に抜擢していることでしられている。 レディング・フェスティバルでのスリップノットのステージでは騒音が規定値を超えたとか・・・すごいな。 【Rock'in On / ロッキング・オン】 渋谷陽一率いる 「ロック雑誌」。ロッキング・オン・ジャパンという邦楽雑誌もある。日本の音楽産業に大きな影響力を持つ会社。 【エントリーなし】 |