ハルトヤン風味ss(銀河英雄伝説)
えっと・・・コレ、初めて書いた銀英SSです(ちょっと頑張った気がするのでコレはSSと呼ばせてもらいます/笑)
当時運営してたサイトの日記に直接書いたシロモノですが。
例によってこれも読み返してません(苦笑)覚えているのは現代(?)パラレルってことと、PIERROTの曲を基に書いたってことと・・・さりげなく死にネタ、ってこと;
(まぁ、痛いこと言いますと死にネタの方がある意味ナチュラルですよね、ハルトヤンって)
死にネタ苦手なくせによぉ書きましたな当時の私・・・(苦笑)あ、今も苦手ですよ?

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夜がくる。
ラインハルトは管の通された腕にもう片方の手を置き、それを手首に移動させた。
まだ、脈がある。
「いつになったら…」
言い終わらないまま、ラインハルトは目を閉じた。
懐かしい夢が見たくて。


陽光を目蓋の奥で感じ、ラインハルトは目を開けた。
木漏れ日が差し込む、まぶしい朝。
「おはよう。いい天気だよ」
隣には優しく微笑む愛しい人。
「…ウェンリー。」
名前を呼ぶと、愛しい人――ヤンはまた微笑んだ。

外に出ないか。
ヤンが珍しくそう言った。
ラインハルトが断るはずも無く、二つ返事でそれを承知した。

景色の良い、小高い丘。
そこにある木の下で二人は話をするでもなく、ただ風を感じていた。
ヤンが不意に肩にかかる重みを感じそちらを見ると、ラインハルトがもたれかかっていた。
「やっぱり疲れてるのかな?朝も私より遅かったし。」
ヤンがラインハルトの寝顔を見ることなんて滅多にないので余程疲れているんだろうと思い、ここまで来てみたのだが。
「正解…だったかな?」
嬉しくて、ヤンはラインハルトを起こさないようにそっと彼の頭を自分の膝に置いた。
しかし、ヤンが不器用だからかラインハルトが敏いからなのか、ラインハルトは目を開けてしまった。
「…ウェンリー?」
「あ、寝ていて。疲れてるんだろう?」
起きようとするラインハルトを再び自分の膝に戻して、ヤンは彼の髪を梳いた。
「風が、気持ちよくて」
寝てしまっていた言い訳をしているのか、子どものような言い方にヤンは笑った。
「…目が覚めるとウェンリーがいる」
ラインハルトは独り言のようにつぶやいた。
「それが、こんなにも嬉しいなんて。」
穏やかに微笑みながらヤンの頬に手を伸ばした。
「それはいつも寝てばかりの私へのあてつけかい?」
伸ばされた手に自らの手を重ねて、ヤンも微笑んだ。
「…このまま、目覚めなければいいのに。」
ラインハルトがそう言うと、ヤンの顔に陰りがさした。
「やっぱり、気付いてたんだ。」
ヤンの言葉に、ラインハルトは無言で顔を反らした。
目を閉じ、つぶやく。
「いつになったら…俺は眠れるんだ?ウェンリーのいない現実(せかい)なんて、いやだ。」
ヤンは黙ってラインハルトを見ている。
「もう…終わらせてくれ。」
このままそっちに行きたい。ウェンリーのところに。
泣きそうな瞳に見える懇願の色にヤンは目を背けた。
こんなに辛そうはラインハルトの顔は、見ていられなかった。
「だめだよ。言ったじゃないか。私の分まで生きるって。」
「でも…」
ラインハルトはヤンの方を見た。泣いていた。
「ずるいぞ。俺だって…泣きたいのに。」
そう言ってヤンの頬を流れる涙を優しく拭った。
「ウェンリーがいないのはいやだ。けど…ここでまで泣かせたくないな。」
ラインハルトはヤンの膝から頭を上げて、立ち上がった。
「すぐ…行ってやるからな。」
その言葉に、ヤンは少し青くなった。
「じ、自殺なんてしたら、駄目だからね?」
うろたえるヤンの頭を軽くなでて、ラインハルトは言った。
「分かってる。それじゃあウェンリーのところに行けないからな。」
ラインハルトは踵を返した。
ヤンはじっと見ていた。ラインハルトが《戻る》まで。


目覚めたラインハルトが見たものは白い天井。
開けられていた窓から吹く風が優しくラインハルトの頬を撫でる。
親指の付け根辺りからゆっくり手を下ろしていく。
弱く、それでも確実な鼓動を再び感じた。

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おわったほうがいいですよ。

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