※血の表現がばりばりですのでご注意を※ ※シルバーレイン※ ※フランケンシュタインの花嫁に覚醒した時のお話※ わたくしは一人呆然と座っている。 お誕生日に無理を言って、買ってもらった白いふんわりとしたドレス ちょっと前に見た「花嫁さん」みたいなドレス 手には が好きな赤い薔薇 そして… 自分のドレスを汚す、赤い赤い液体 目の前には倒れている と手に銀のナイフを持った 。 どちらもついさっきまで微笑んでお話をしていた、わたくしの「家族」 『さぁ、赤壁家の当主になるのは貴女よ』 の声。 わからない とうしゅってなぁに? それよりも、どうして は動いてくれないのかしら? そっと伸ばした指先が、 に触れる。 まだ、あたたかい。 だってついさっきまでお話して、わたくしの頭を撫でてくれたのですもの。 『覚醒しなさい。花婿をお創りなさい』 の声。 その声が耳に残る。 けれどそんなことはどうでもいいの。 ねぇ、どうして はわたくしの頭を撫でてくれないの? 大好きな大好きな 。 どうしておうちの地下にあるそざいと同じになっちゃったのかしら? が毎日毎日地下に行ってつくってらしたそざいというものと一緒。 わたくしも何度かお手伝いさせていただきましたっけ。 同じことをすればいいのかしら? ふと気が付くと、手には針と糸を持っていた。 わたくしは思うままに傷口にそれを這わせていく。 みるみるふさがる傷口。 そして一人では持ち上げられない体を、 が持ち上げて地下にと連れて行ってくれた。 も も幸せそうに微笑んでいる。 『この子は最強の花嫁になれますわ』 『あぁ、本当に素晴らしい!』 二人の声が地下に響き渡る。 『鞘斗は何度やっても駄目だったが…静香は一回で覚醒するとは』 『素晴らしいですわね。赤壁家、念願のFWまで創りだせるかもしれませんわ』 『教育は間違えていない』 『えぇ、間違えてなどおりませんわ』 二人の言葉はよく分からない。 わたくしは本能の赴くままに手を動かしつづける。 そう、毎日 がやっていた動作を。 それから一ヶ月後。 「さぁ、鞘斗、静香ご飯ですわよ」 「はい、お母様」 きちんと朝ご飯と夜ご飯を家族全員で食べること。 それが赤壁家のよほどのことがないかぎり、やぶられることはない約束。 明治時代に作られたという古いお屋敷は、ぎしりと鈍い音を立てた。 「お兄様、そちらの席に座ってくださいな」 お母様が満足そうに頷いている。 お兄様が椅子を引いていつもの席に腰掛けた。 お父様もにこにこと微笑んでいる。 「お兄様、いつものように、こちらを食べるんですのよ」 お兄様がわたくしの言ったとおりにゆるゆると指を動かす。 昔と違って、わたくしの言葉以外で動いてはくれないお兄様。 それでもいいのです。 わたくしの髪を撫でてくださいませ、お兄様。 ぽんぽんと頭を撫でるその動作は、何一つ変らないのですから。 戻 --------------------- というわけで、うちのフランケンシュタインは花嫁としていまいちだったお兄様を、見切りをつけたお母様が、静香の目のまえで殺す→静香はお兄様に前と同じように接して欲しいという純粋な願いから覚醒→お父様が地下にお兄様を運ぶ→静香が幼稚園高等部ぐらい(幼稚園自体には行ったことがなく、ずっとお兄様の修行の手伝いをしていた)の話なんで、一ヶ月ぐらいでつくったんじゃね? っていう中ニ病な設定があったりします。 ちなみに明治ぐらいに日本に帰化したとかいう無駄な設定があったり。 もともとは外国で貴族のために「フランケンシュタイン」を創ってたんじゃないかなーとか。 そしてその貴族がこっちに来たからついてきた…みたいな。 超無駄設定。 つかわねぇw ちなみに、お兄様は高校生1〜2年生ぐらい。 超年の差兄妹。 ひょっとしたら間に「きょうだいたち」が居て、「お兄様」の「花嫁・花婿」になるはずだったのかもしれない。 という設定も微妙に作ってたり。 だってさ、「最強の花嫁になるために、狂気に満ちた世界で生きてきた」わけだから。 小学一年生だと生きてきた、って断言されると困るんだよなー 個人的に、まだその世界で生きてるって思ってる。 2010.1/27 如月修羅 |