悪酔い・2

「ん……」
後ろから抱き込まれ、首筋に口付けられる。
何度も走る、わずかな痛み。
背筋に沿って降りていくその感覚に、ゆるりと躰が揺れた。
「春……華……」
畳に爪をたて、刺激に耐える。
いつもと違って春華の表情が見えない。
だからこそ余計に快感が煽られているのだろうか?
「……ふ……ん……」
後ろから回された白い指先が唇を割って入ってくる。
その指先をちろりと舐めれば、舌先に絡みついてきた。
「………ぁ」
「熱いな、お前の中」
「…っ」
春華の台詞に煽られる。
逸らした躰は抱き留められ、思考はどんどん熱に溶かされていく。

『どうせ酔うなら…こんな風に酔え』

思い出す。
その言葉を。


「春華ぁ……っ」


夜はまだ始まったばかり。
これから自分がどういう風に酔わされていくのか。

知るのは闇夜を照らす月明かりのみ。


2004.12/28  如月修羅

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