はくちゅうむ
それはどこまでが夢かわらなくなるぐらいの…… 「臨也さん、だーいすきです♪」 「帝人君、俺も大好きだよ!」 「愛してます!」 「帝人君ラブ!愛してる!!」 「という夢を見たんですよ…」
珈琲に口をつけながら、新羅さんに愚痴れば、新羅さんがご愁傷様と苦笑を浮かべた。 隣に座っているセルティさんが、『帝人!夢でよかったじゃないか!』と慰めてくれて、確かに夢でよかったと思う 例え夢だと分っていても残るこの不快感 どれだけ臨也さんは人を不快にさせれば気がすむのだろう。 「ひっどーいさっきから三人で、俺が居るってこと忘れてないー?」 「分ってていってましたけど」 「あぁなんか珈琲カップが多いと思ったら臨也のか」 「新羅…?」 隣に座っている臨也さんの腕には包帯。 そう、今日は臨也さんが大怪我をしたからこうやって新羅さんの元を訪れたわけで。 「大体さー俺が帝人君ラブなのは本当のことだしー」 「ま、そうだよね。今更言われなくても君が帝人君のこと好きだっていうのはここに居る皆が知ってるわけで」 「でっしょーもー俺帝人君ラブ!世界中の誰よりも何よりも愛しちゃってる!帝人君だけいればいいよ!!」 『お前新羅並にうざい』 「セルティどういうこと?!」 「あぁ本当うざいですよねーねぇセルティさん」 『まったくだ』 「「ひどい」」 どこか似ている二人に、セルティさんと目をあわせ頷きあった。 本当にうざいところとか、誰か一人にぞっこんな所とか似ている二人だ。 そんな人たちに愛されちゃった自分達は……… 自分、たち?
「……臨也さん」 「どうしたのー帝人君」 ぎゅうっと抱きついてきた臨也さんはいつもと変らない。 うざいぐらい僕を愛してくれて 愛? 「………帝人君?」 「あいして、」 「**して**よ」
あ、れ? 「俺は君のことを**して**よ?」 「新羅さん、僕ちょっと声が…」 聞こえづらくなったみたいで、と新羅さんを見れば新羅さんが…いない? あれ。 セルティさんもいない…? 席を外した? いつから、え、いつからいなくなった? 慌てて立ち上がろうとすれば、ぎゅうっと僕を包み込む臨也さんの腕がきつくなった。 「何処に行くのさ」 「あ、でも…あれ。だって新羅さんとセルティさんが…」 「居なくてもいいでしょ、あんな人たち」 「…いえ、え、だってここ新羅さんたちの部屋で…」 にぃっと臨也さんが笑った。 口元が、赤い 赤い、赤い赤い赤い赤い………? 「俺は君を**して**けど、君が他の人を見るのは嫌なんだ。だって俺だけが世界の中心になれないじゃない」 「…何をいって」 「結局***でしょ、**してるのも**してないのも」 赤い、唇が、赤い瞳が そうだ、彼は、僕に……… 「帝人君」 「……ふぇ?!」 「ふぇって…」 臨也さんが大爆笑している。 あわてて起き上がり、口元を拭った。 なにか濡れた感触がしたから。 それは**色だったようだけれど、何か食べただろうか? 「夢の中で夢を見ました」 「へぇ?その中に俺は居た?」 「勿論」 「ならいいよー」 「ねぇ臨也さん、俺のこと、愛してくれてますか?」 臨也さんはにっこりと微笑んでこういった。 |