こんな日常 「帝人君、居る?!」 ほぼ悲鳴ともとれる声と共に、クラスメイトの女の子が顔を覗かせた。 その必死な表情から、あぁまたかという空気が蔓延する。 「…また?」 「このままじゃ教室壊されちゃうよー」 その言葉と共に、委員会を中座することを告げれば、満場一致で送りだされた。 がらり。 ドアを開けるとそこは戦場でした。 「だからさぁシズちゃん、帝人君は俺と帰るっていってるでしょ?」 とひらりひらりと椅子やら机を避けている臨也。 「手前はどっか失せろよ、帝人は俺と帰るんだから」 と机やら椅子をぶん投げている静雄。 そして。 「皆で帰ればいいんじゃない?」 「「黙れ」」 二人に一喝されている新羅。 「………とりあえず」 近くに落ちていた誰のか分からない鞄を手にとり、つかつかと臨也に歩み寄る。 「二人とも、そこになおれー!!!!!」 ばっしーんと頭を殴った。 「なんで俺だけ?!」 臨也の言葉には、 「どうせ臨也でしょ、静雄を炊き付けたの」 の一言で黙らせた。 「いや、シズちゃんはいらないでしょ」 「意味が分からない」 「蚤虫はいらねぇだろ」 「意味が、分からない」 「ねーほら、だから全員で帰ればいいんだよー」 「そうだよね、新羅」 新羅の言葉にうんうんと頷けば、二人が不満ありありの顔で此方を見てくる。 やっぱり意味が分からない。 「なんで二人とも喧嘩するかなー」 「だってシズちゃん恋路邪魔するし」 恋路の意味が分かりません。 「はぁ?帝人と手前を付き合せられるかよ」 付き合う意味が分かりません。 「シズちゃんやめてよね、帝人君に手を出そうとするの」 「は…ぁ?!ち、ちが…そんな…」 なんでそこで言葉に詰るのかまったくもって意味が分かりません。 助けを求めるように新羅を見れば、新羅は楽しそうに二人を見てるし。 「えーっととりあえず、俺は誰とも付き合わないよ?」 「えー」 「え」 拗ねたような声を出されても可愛くない。 「というわけで、今日は全員で帰る、これでいいでしょ?っていうか僕委員会途中だったんだけど二人とも」 「あー…ごめん、ね?」 全然ごめんって思ってないよね、臨也。 「すまない…」 静雄はごめんって思ってるけど繰り返すよね。 二人に教室を片付けるように指示を出してから、すぐに終わるから待っててくれるように頼む。 「うん、喜んでー」 「分かった」 「ちなみに喧嘩したら一ヶ月二人仲良くトイレ掃除ね」 「横暴?!」 「え、帝人君そんな権限あるの?!」 「じゃぁ行って来るねー知らせてくれてありがとー」 いやいや、こっちこそありがとー! なんていう教室に残っていたクラスメイトからの声援を受けて教室をでる。 高校ってもっとこう…大人な感じだと思ってたんだけどなぁ…。 幼稚園の先生になった気分だ。 将来は保父さんになれるかもと思いながら、委員会にと向かった。 戻 御本人様が以外のお持ち帰りはご遠慮ください 2010.6/22 如月修羅 |