『待つらむに 居たらば妹が 嬉みと 笑まむ姿を 行きてはや見む by詠み人知らず』 「今日はもう上がりでいいっすか?」 「おう、気をつけて…はお前に関係ねぇか。喧嘩すんじゃねぇぞ。…じゃぁな」 「了解っす。明日は休みでいいんですよね?」 「あぁ。悪かったな。明日はしっかり休めよ」 今日は珍しく早く仕事が終わった。 なぜか最近やけに仕事が終わるのが遅くて、さらに昼や夕方にも帝人に会えてない。 昼や夕方に時々会えた時の嬉しそうに微笑む姿。 それをもう一週間はみてないんじゃないだろうか。 会いに行こう。 まだ夜の九時だ。 帝人は最低十一時ぐらいまではおきてるときいたことがある。 きっと帝人のことだ。 こんな時間に行ったとしても、あの優しい、嬉しそうな笑顔をみせてくれるだろう。 付き合ってるというのに、一週間も結果的に放って置くことになってしまったんだし、何か買ってから行こうか。 いや、そういうのは明日でいい。 明日は休みだ。 ならば ずいぶん、待たせたな。 その一言と共に、抱きしめさせてもらおう。 戻 2010.5/14 如月修羅 |