◆Northern lights◆
扉をノックする音に、ベレッタは目を擦る。
「だれぞ?開いてるぞえ」
眠たげに目を擦って、身体を起す。
「御邪魔させてもらうぜ」
「おお、アスリア。夜這いにきたぞえか?」
天然の癖と寝癖が相まって、ベレッタは差し詰め人形のよう。
「馬鹿言え。ちょっと話がしたいだけさ」
耳に響く水音と、夜鳥の声。海賊船は、川縁に停泊して夜の真ん中。
「お前、何者だ?神官が海賊の頭領なんて聞いた事もねぇ。しかも、ロンダルキアの
魔神官を引き取るなんざ……」
素足で板張りの床を歩いて、ベレッタは酒瓶とカップを取り出した。
浪波と注がれる赤葡萄酒と、充満する甘い匂い。
「飲め」
一つをアスリアに手渡し、もう一つを勢いよく呷る。
満足げに唇を拭って、ベレッタは二杯目を注いだ。
「あちきはたしかに魔道士。御袋さまを助けるために海賊になったぞな」
彼女の母は、精霊ルビスに使える大神官の一人。
それ故に、海底神殿を護るためにその身を呈して其処に居ると言う。
魔道士が船を駆れば、船は海上だけではなく空を泳ぐこともできる。
それが、彼女の本当の目的であった。
「あちきの御先祖様は、海賊にして神官だった。親父様が引退して、あちきがこの船を
もらったぞな。テパに行って、御爺様に逢って、一緒に海底神殿にいってもらうぞなよ」
「なるほどな……そのために、あの男を殺さないってわけか」
ベレッタは静かに首を横に降る。
「ネブラスカは、あれなりに世界を思った。あちきたちと同じように、この世界をどうにか
護ろうとした。海賊は仲間を裏切らないぞな、裏切りは死に繋がる……ネブラスカは
あちきたちの大事な仲間。同じように、世界を思っただけぞな」
仲間の死に直面した男を、彼女は無条件に救った。
器の大きさだけをとるならば、ロトの血を持つ三人よりも遥かに上だろう。
「ガキでも、随分と考えてんだな」
「あちきはこれでも二十歳と二つばかりになるぞな」
「な……俺よりも上ーーーーーーっっっ!!!」
見た目は、まだ十代も前半。短く切られた赤茶の髪がそれを増長させている。
「なら、テパで御爺様にあったらもっとおどろくぞな。船酔いなどせずとも良いように、
はよ寝るが良い。あちきも寝なおすぞ」
すっかり空になった瓶が、足元に転がった。
それでも、彼女は顔色一つ変わる事も無い。
(俺が必死に酔い堪えてて……全然かわんねぇって……)
海賊は、祝杯を上げるためにちょっとやそっとじゃ酔ってなどいられないから。
ましてやその頭となれば、浴びるように飲むのが通常だ。
「でわな、おやすみぞよ」
ひらひらと触れられる左手。
この船で自分の身の安全を確保して来た女には、そう簡単には触れられないらしい。
(すげぇ女……霹の杖軽々と使うんだから、察するべきだったな)
古来より伝わる伝説の武具を扱うには、それ相応の魔力が必要。
アスリアはその血も絡み合って、若年で才能を発揮した。
しかし、彼女はそうではない。
ドアを閉めて、ため息をこぼしても彼女の人生にはどこか叶わない気がした。
温室など知らずに育った、、野生の花のしなやかさ。
「あら、王子様。こんな夜更けに何をなさってますか?」
「……………よお」
同じ魔道士とて、相反する力を持つもの。
ルビスの加護を受け戦うロトの血と、悪霊の神の洗礼を受けた者。
ネブラスカとて、侮れない力は持っている。
「ベレッタさまに、何かしてごらん。君の首を飛ばすよ」
「魔神官は、伊達じゃないってことか」
「勝負なら受けてたつよ。ただし、テパでだ。モハメ様に判定してもらおうじゃないか」
海賊らしからぬ顔立ちなのは、頭だけではないらしい。
前代未聞の神官を乗せた海賊船は、一路テパを目指した。
「夜明けぞな」
ぽりぽりとクッキーを頬張りながら、ベレッタは東の空を見上げた。
その両隣に並ぶのは二人の男。
「行きますか、御頭」
「行くぞな」
乗組員たちは、それぞれの持ち場へと向かう。
屈強な男達をまとめ上げる様は、流石としか言い様が無かった。
「ロトたち、しっかりとつかまっておるのだぞ!!」
生まれだす光の渦と、ざわつく水面。女の手が十字を切った瞬間、それは起こった。
「!!!!う、嘘だろ!!おい!!」
船は水面から離れ、宙に浮かぶ。
まるで空を泳ぐようにして、テパへの進路をとり始めたのだ。
「あんたがたも、警護手伝いな!!御頭達は操縦に専念すっかたよ!!」
「ここはガーゴイルの反乱区域さぁ!!テパまで休めねぇと思いな!!」
腕だけではなく、この船の海賊たちは魔道にも精通している。
襲い来る魔物を打ち倒し、時折燃料補給とばかりに酒を空けていく。
先頭に立つベレッタは、魔法力で船を操縦する。その代わりに、男達は彼女の腕となり
船を護るのだ。
「すげ……おい、オカマ。こんなことできんのかよ!?」
目の前の光景に、ただ声を失うばかり、
「普通の魔道士や神官じゃ、絶対に無理だ」
「じゃあ、どうして彼女は……」
「普通じゃないったこった。敵にまわしたくはねぇな」
剣を構えて、レイは船縁に足を掛ける。そのままそれを足場にして、襲いくるガーゴイルを
斬りつけていく。考えても仕方の無いことだと、残して。
「そうだね。まずは、テパをめざさなきゃ」
光剣の試しと、リトルも前線へ。剣士二人は魔物の悲鳴など聞こえないかのように剣を振るう。
魔道士は、剣士のような体力は望めない。
魔法を封じられれば、戦う術が無くなってしまう。
それはアスリアにも該当する事なのだから。
(リトルも、あの女海賊も……魔法だけじゃない。俺も、なんとかしなきゃなんねーな……)
このまま、簡単に進めるなどとは思ってもいない。
贔屓目に見ても、自分の力はまだまだ足りないのは明白な事なのだ。
「見えてきた。総員、守備につけぞなーーーっ!!」
船を光が包み込み、始まる急降下。
眼下に見えてくる小さな集落――――――――それが、伝説の村テパだった。
河川の源流に位置するテパは、天然の要塞といっても良いだろう。
標高からすれば、ロンダルキアに近い位置にも属する。
「村って言うから、もっと……質素なのを想像してたんだけど……」
教会を中心として、整備された水路が村中を走りぬけていく。
村人の服装も、どちらかといえば神官めいているのが特徴だ。
「ベレッタ様、御久しぶりです」
「ひさしいのう。御爺様は?頼んでいたものも引き取りたいのぞ」
すれ違うものは皆、彼女に頭を下げる。
「モハメさまなら、神殿の方に」
「わかった。ありがとうぞな」
三人を引き連れて、ベレッタは村の中心部へと向かう。
「ここが、御爺様の仕事場ぞな」
扉の前に立つだけで、それはゆっくりと左右に開いていく。
かつん、かつん、と靴を鳴らして。
「御爺様!!ベレッタぞ!!」
「ひさしく顔を見せなかったな、小娘」
その声に、三人は顔を上げた。
「!?」
「……………………」
「変わり者の次は、バケモノか?」
「お爺様になんてこというぞな!!」
彼女は男を「祖父」と言う。しかし、目の前にいるのは三十も半ばの青年だろうか。
「海底神殿に行くぞな、御袋様を助けるぞな」
「お前の話は、いつも部分的だ。まずは、出だしから話してくれ」
黒髪の男は女の頭をなで擦る。
「御袋様を、助けに行く。御爺様の力も貸して欲しいぞな。あと……ラゴスを捕まえる」
「あのチンピラ盗賊か。南の方に逃げたな」
「そしたら、ここの水門も開く。お爺様にも悪くない取りひきぞな」
モハメは三人に視線を向ける。
「ロトか」
「そうぞな。ロト」
「お前の事だ、何も言ってないのだろうな」
その言葉に、三人は顔を見合わせて笑い出す。
「はい。テパへ向かうと言ったら、一緒に来ればいいって」
「そんなとこだろうな。私はモハメ、孫娘はそそっかしいが腕は良いぞ?」
祭壇に掲げられたルビスの印。
「我らはメルキド族。古のロトと共にこの地に来た。どれだけ、昔だろうな……」
思い出すのは、あの旅立ちの日。
百年の時間が流れ、時計の秒針は止まってしまった。
人間は、何度も悲しみを繰り返す。だからこそ、強くなる事も出来る。
どれだけ打ちひしがれても絶望しても、それでも希望を持つ。
それが『人間』なのだから。
その意思を抱いて、願いを抱いて、立ち向かうものに与えられる称号。
それこそが『ロト』の意味するもの。
「先代のロトも、お前たちのようだった」
「御先祖様を知ってんのか?」
「ああ。ロトはマイラ、われらメルキド族も共に戦った。古代魔法を使うのもマイラとメルキド
の民だけだからな。船を浮かべるにはこいつぐらいの魔力が必要だが」
ロトは二つの民族と共に、新たなる地に降り立った。
その一つが、モハメ率いるメルキド族なのだ。
「お前らが欲しいのはこれだろう?」
厳重な封印のされた、小さな宝箱。レイが指先を近付ければ、ばちばちと雷華を飛ばした。
「俺じゃダメって事か」
ならばと、今度はリトルが手を伸ばす。しかし、同じように拒まれてその手を退いた。
「ってことは、俺か」
呼吸を整えて、アスリアはゆっくりと手を伸ばす。
静かに蓋を開けて、中に鎮座するそれを取り出した。
「星の紋章…………こんな所にあったのか」
「ロト、太陽の紋章もすぐに手に入るぞよ。ラゴスがもって逃げたぞな」
「でもよ、あと二つはどこにあんだよ。五つあるうち、三つはわかってても……」
レイの言葉にベレッタはけらけらと笑う。
「それは、アスリアが知ってるぞな」
「はぁ?俺が?」
「水の魔法国家ムーンブルク。わからぬとは腑抜けの王子よな」
それを聞きながら、リトルは今までの経緯を頭の中で纏めていた。
ムーンブルク城の跡には、紋章は見つからなかった。
同じく、領内のルプガナにもそれは見当たらなかった。
(……もう一つのムーンブルクの街、ムーンペタ……)
本国と同じ名を持ち、魔物の攻撃にも果敢に耐える城塞都市ムーンペタ。
其処にあるのはおそらく水の紋章だろう。
「頭のいいロトだ。その考えが正しい」
「…………………」
「残りの一つは、ロンダルキアのふもとにある。いずれ、紋章が導くだろう」
此処までくるのに、どれだけの時間を要しただろう。
そして、まだまだ自分たちの旅は続くのだ。
「海底神殿が先で良いのか?ベレッタ」
「ムーンペタに寄っていのが最短ならば、そうせりよ」
ちらり、と目線をレイに向けてベレッタは片目を閉じた。
「そうしてもらえっと、助かる」
「わかったぞな。でも、船を動かすにはあちきの体力がないぞな……」
この瞬きをする一瞬の間にも、世界はどんどん変わって行く。
一秒でも早く、ハーゴンを倒す必要があるのだ。
「私がやろう。それが、課せられた使命だろうしな。孫娘は、爺にとっては可愛いものだ」
「一緒に、海底神殿に行ってもらえるのですか?」
「娘が待っている。断る理由も無い」
魔道士としては、この世界でも有数の男を連れて目指すのは海の底。
二つの血は、導かれ一つの場所を目指す。
星は巡りて、彼らを引き合わせた。
全てはルビスの祈りの下に。
星の海を泳ぎながら、船はムーンペタを目指す。
夜明け前には到着できる算段だ。
ベレッタとモハメの決定的な力の違い。それは、船を襲う魔物が居ないということだった。
船全体を魔法壁が包み込み、触れればたちどころに灰に変えてしまう。
モハメ本人も、船内の一室から動く事無く操縦している。
(凄いな……モハメさんって……)
月が頭上に輝く真夜中、街を眼下にする機会などこの先無いだろうとリトルは静かに甲板へと向かう。
(あれ……何してるんだろう……)
理力の杖を手に、ベレッタはぼんやりと空を見上げている。
夜風に靡く髪と、月光に照らされた頬。
「ベレッタ?」
「どうしたぞな?寝れないなりか?」
船縁にちょこんと座って、ベレッタは小さく笑う。
「こんな光景、もう見れないだろうからみておこうと思って」
「……ラゴスも同じ事いってたぞなね……」
「ね、ラゴスって人は何をしたの?」
ラゴスと言う男は、腕のいい鍵職人だった。その腕でこの船の乗り込み、あの日までは
同じ仲間として世界中を渡ってきていた。
船長室の奥に置かれた小さな小箱、そこに眠る小さな紋章。
正当なメルキド族の血を引く彼女が譲り受けた、ルビスの加護。
それを持って、男はいずこかへ姿をくらましてしまったのだ。
「ラゴスにも、何か理由があったとは思うぞな……」
項垂れる姿。理由はどうあれ、彼女の失態であることには違いは無い。
それでも、誰もそれを責める事などもしなかった。
「どっちにしても、逢うことになるし……理由を聞いてみたらいいよ」
「うん……ラゴスは、あちきの大事な仲間なりよ……」
頬に走る薄い傷跡。彼女は逃げる事無く、常に前を見続ける。
仲間の命を背負って、世界の運命を見つめながら。
「リトルは強いぞな……宿命から逃げない」
「そんなことないよ。本当は逃げ出したいよ……」
男でも女でも無く、どちらを選ぶ事も出来ないままの自分。
この旅の終わりには、何が待っているのだろうか?
「レイも、アスリアも自分を持っているのに、僕だけそれが無いんだ」
ぴん、と額を弾く指先。
「何言ってるぞな。三人の中でリトルが一番リトルぞな」
「?」
「悩んで、迷って、一番いい顔をしている。だから、あちきはロトの力になろうと思った。
リトルも仲間を信じる。それは、あちきたち海賊と一緒ぞな。仲間を信じられるから、
戦えるし、どこまでも行ける。あちきもな、正直言えば落ち込んでたぞな。御爺様はあちき
よりもずっとずっと凄い力を持ってる。あちきは、すごくちっちゃい……」
同じように、何人もの仲間の死を乗り越えてきた。
何度、この世界を恨もうとしただろう。
「リトルが王様になったら、あちきたちと商業の道をつくらぬか?」
「唐突な申し出だね」
「親父様の夢だったぞな。親父様は、サマルトリアが見える丘に、御眠りなさってる」
彼女もまた、傷を負った者。
「この戦争が終ったら、あちきは街を作りたい。海上都市ぞな」
「凄いね。でも、君なら出来そうだ」
「そうなりか?みんな、無理だって笑うぞな」
「ううん。ベレッタならやれるよ。そんな気がする」
上向きの長い睫。
柔らかい女の身体。
「僕が、男に戻ったら君のような人を御嫁さんにしたいって思うよ」
丸い丸いさくらんぼのような笑顔。
「リトルは、戦争が終ったらどうするぞな?」
「どうしたら、良いんだろうね……」
頬に触れる柔らかな指先。割れた爪と、傷だらけの手の甲。
「リトルは、サマルトリアの王様になるぞな。そして、綺麗な御嫁さんをもらうなりよ」
「君じゃないんだ」
「あちきの言葉では、御姫様にはなれいぞなー……」
彼女は、一箇所に留まる事も地上に生きる事も出来ない種族。
それが、海賊なのだ。
「海賊って、楽しい?」
「楽しいぞ。みんなで騒いで、歌って……リトルは楽しくないなりか?」
「……わかんないんだ。だから、それを探してる」
「悲しい事、言うぞなねー……」
塞いだ耳に届く罵声の声。
鼓膜に染み付いて、離れる事など無い。
「レイも、アスリアも、リトルの事が大好きぞな。女だからとかじゃなく、仲間であって
リトルがリトルだから、大好きぞな」
子供にするように、背中を抱き締めてくる。
頬を掠める柔らかな髪がくれる温かな安堵。
「信じてくれる仲間が居る。信頼してくれる友達が居る。一人じゃないぞなよ」
頬を流れる涙。ただ、そのままに同じようにその背を抱き締めた。
「僕は……ッ……」
「あちきも、メルキドの血を恨んだ。十七の頃は毎日違う男を連れ込んで騒いでたぞな。
この血が、消えてなくなれば良いとな……」
強すぎる力は、本人の意思とは裏腹に誰かを傷つけてしまう。
同じように呟いた竜神も居た。
「御爺様にいーーっぱい怒られたぞな。血に負けないくらい、意思を持てと」
「………うん………」
「苦しい時は、苦しいって言っていいぞな。苦しい事を、分けられる仲間がいるぞな」
どれだけ迷っても、自分は自分でしかない。
あるがままを受け入れられないならば、納得がいくまで戦えば良いのだ。
変えられない運命など、無いと信じる事。
「いっぱい笑って、歌えば、嫌な事は居なくなる」
「……うん…っ……」
「だから、あちきたちは歌うぞな。仲間が死んだときも」
海は、命を生み出してくれる。
そして、亡骸をも受け入れてくれる大いなる生命の源。
「リトル、見るぞな」
手を取って、まるで水底でも見るかのようにして身を乗り出す。
小さな灯は、闇夜の花のように美しく煌く。
「リトルが、これを護ってるぞな。だから、みんな安心して眠れる」
この光の中に、沢山の命と願いが在る。
誰かのために、自分のために、この光を護るために。
「あきちたちも、この光の中にいるぞな」
ただ、守られるだけではなく共に立ち上がってくれるものも居る。
それは、決められたものではなく自分達の強い意思。
倒れ来た沢山の同胞のために、そして何よりも自分のために。
「あちきたちも戦うぞ。御袋様は海底神殿であちきを待ってらっしゃる」
決戦の日は、刻々と近付いてくる。
「ムーンペタに寄って、次はラゴスを捕まえる。そして、御袋様の所に行く!!」
女海賊は、まっすぐ未来を見つめる。
「ありがとう、ベレッタ」
「ゆっくり寝るぞな。あちきももう寝る」
「そうするよ。おやすみ、ベレッタ」
リトルの背中を見送って、女は天を仰いだ。
(海底神殿には悪魔神官が居る……御袋様、どうか、どうか、御無事で……)
この力を認め、諌めてくれた母のために。
志半ばで散った、父のために。
(北の釣鐘星よ、あちきをお守りくだされ……)
祈りの声とざわめき。
誰も傷つかずに終る戦いなどありはしないのだから。
(御袋様を……お守りくだされ……)
北に輝く釣鐘星は、海人を護ると称されてきた。
その星に祈りを込めて、女は静かに瞳を閉じた。
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