「景観生態学と戦略的環境アセスメント」

 

中越信和

広島大総合科学部.大学院国際協力研究科

 

 景観生態学は,理論(基礎)と応用の両面において発展してきた科学の一分野である.景観生態学はその研究領域の内側において多くの優れた研究がなされてきており,多くの成果は国際誌Landscape EcologyやLandscape and Urban Planningで発表されている.研究の普及といった点においても米国を中心に多くの単行本が出版されている.このような欧米での研究発展に日本での研究も遅ればせながら追いつき始めている.昨年7月のオーストラリア・ダーウィンでの国際景観生態学会においても,日本人の研究発展は20世紀までに構築された理論や技術を十分消化し,そこから1歩踏み出したものが多かった.国内においても生態学系,造園系および地理学系の「景観生態学」の単行本が出版され,その意義が社会的に認められつつある.

 一方,環境行政においては1997年の環境法の制定,1999年の実施,2000年の新・生物多様性国家戦略,2003年の自然再生推進法と法的な整備が着々と進んでいる.これらの法律等において,常に論議された点は目標すなわちゴールはどのようなものかということに尽きる.理念としての健全な環境の保全・創出では,残念ながら量的な(数値)目標を伴っていないため,全国的に欲求不満な状態に陥っている.そこで注目されるのが戦略的な環境アセスメントである.それは長期的ビジョンによって環境を保全・創出することや国内各地における連続性や独自性を確保し,これらと開発との整合を計ろうとする試みである.

 この度,日本景観生態学会において,公開シンポジウムとして,景観生態学と戦略的環境アセスメントの緊密な関係性を報告してもらう企画をした.議論が発展的に行なわれることを望んでいる.なお本シンポジウムを文部科学省科学研究費補助金「戦略的環境アセスメントのための地域景観情報の総合化_」(代表,中越信和)の中間発表として位置付けている.

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