ir                             illutration△直様



ブラックダリアの息子U
(T・U 合わせた改定版あります






都内で起きた、連続殺人事件。
既婚者の女性が、腰から切断されて放置されるという
猟奇的連続殺人事件の、三人目の死体の第一発見者となった
伊武深司は、その時の記憶の一切失っていたはずだった。

そのさなか、関東大会の準々決勝で、山吹と試合する。
激戦の末、勝利を得た不動峰だが
試合終了後、ふとしたきっかけで、深司は事件直後の記憶を
少しだが取り戻してしまう。
わけもわからず、ただ目の前に現れた過去の光景。
それは、死体の前に、血だらけになって立つ
壇太一の姿だったのだ。

いきなりのことに、混乱して倒れる深司。
そして、太一は何故彼が倒れたのかがわからなかった。

倒れ際に
「この子が殺人現場にいた・・・」
と、言ったために、太一は警察の保護下に置かれることになる。

一週間前。殺人現場に太一は居たのか?

その問いに答えることは、太一にはできなかった。
何故なら

彼もまた、一週間前の記憶を失っていたからだ。


一方。神尾アキラの従兄で、報道部でADをしている神尾透は
八年前にも似たような連続殺人事件が
起きていたことを突き止める。
そして、その八年前の被害者の一人が
伊武深司の母親だった。

調べを進めるうちに、深司の過去に
秘められた驚愕の事実が顕わになっていく。


二人の少年の、失われた記憶。
その為に、悩み傷つく少年達を
助けたいと願う少年達。

見える傷。
見えない傷。
触れられず。
癒せず。
それでも、願わずにはいられない。

迷い戸惑う中。
関東大会準決勝。
不動峰VS立海大附属の試合が始まった。





「あなたが優しすぎるから、彼だって喋る必要
のないこと言っちゃったんですよ」




「なんでそこで熱くなるわけ? 
南らしくないよ」




「オレ、やだよ。もうあんな場面を見るのは嫌だ」




「オレもお前も、深入りしすぎた。
それがあいつにとっていい事かどうかなんて…
わかるわけねえだろう」




「ボクは! ボクだってなんで記憶が失くなるのか
知りたいです!
なんで記憶が無いんですか!
一週間前になにがあったって言うんですか…っ!」




「あの子を助けてよ。助けてやってよ、亜久津さん」




「守りたいと、思うのなら。こんな所で動じるな。
傷ついているのはお前じゃないだろう」





「誰が! 見縊るな!
ウチの部員だってそうだ! 誰が深司を裏切るものかっ」





「――どうすればいいのかなんて…わかんねえよ。
慰めなんて口から出ちまえばチャチなもんでしかねえ。
オレは――何度も思い知らされる。
深い、深い部分から抉り取られた人間に
何を言えばいいんだ。
どうすれば…その深い部分に手が届く……」






「いつからかな…自分があまりにも周りに傷つけられるから
自分も我慢なんかしないで傷つけてしまえって
思ってたんだ…。
そんなことしたからって
痛みが消えるわけでもないのに」







「なんであのまま見捨てくれなかったの!
なんで…死なせてくれなかったの…っ!」






「狂ってる…っ」











「この記憶はボクのものじゃない――っ!」



















「レノア・テアは彼をこう呼んだ



ブラック・ダリアの息子――と」
















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