切ない想い2

 

 

「‥‥嫌、‥じゃない」

シャツが肌蹴たままの、ロンの剥き出しの胸に顔を埋めて、

ドラコは小さな声で、それだけを呟いた。

 

ずっと焦がれ続けた、彼の熱に触れられる。

そう思っただけで、頭の芯から熔けてしまいそうだった。

愛しい気持ちが、堰を切って、溢れ出して止まらない。

 

優しく、ロンの腕がドラコの背を撫でる。

「‥好き‥だよ‥ドラコ」

甘い囁きが、ドラコの耳に心地よく響いた。

うっとりと、瞳を閉じたドラコの瞼に落とされた口付け。

触れられた箇所から、ロンの熱がドラコの中へと染み込んでいく。

 

床に無造作に置かれた自分のローブの上に、ロンは優しくドラコの身体を横たえた。

壊れ物を扱うようなロンの仕草に、ドラコはくすぐったい気持ちに襲われた。

先刻自分を襲った相手に、優しく接するロンが可笑しかった。

ロンに対する愛しさから、無意識にその首に両腕を絡めて、

ドラコは愛撫をねだる‥ロンに早く触れて欲しかった。

 

ドラコのその仕草に、ロンは深い口付けで答える。

蕩ける様な、甘美な口付けを、二人は貪った。

息が上がり、体温が一気に上昇する。

何度も角度を変えては、唇を互いの口内を味わった。

 

そっと、ロンの指がシャツの上からドラコの胸の飾りを弄った。

指で摘み、爪を立てて、執拗にソコを弄る。

布越しのじれったい刺激に、ドラコは身体を捩って震えた。

「‥ふ‥んんっ‥んっ‥」

唇は繋がったままで、鼻に掛かった吐息の様な喘ぎが零れた。

暫く、ドラコの胸で留まっていたロンの指が不意に離れ、今度は、

シャツの裾から掌を中に進入させて、直に肌を弄る。

 

びくりと、ドラコの細い身体が跳ねた。

ロンの掌に脇腹を撫でられて、強張った身体は断続的にびくびくと跳ねて、ロンに快楽の証を伝える。

ドラコの素肌が、触れられて嬉しいと、狂喜を脳に伝えた。

ドラコの腰、熱の中心が既に硬く張り詰めていて、苦しかった。

それを知ってか、知らぬのか、ロンの手はゆっくりと下降を開始した。

その先に待つ快楽を思っただけで、ドラコの肌は粟立ち、直ぐにでも達してしまいそうになった。

 

羞恥から、ロンの首に回されたドラコの腕に力が込もった。

「‥ドラコ、すごい‥ね‥」

長い長いキスから、ドラコの唇を開放して、ロンが言った。

掌は既に、ドラコの下着の中で、熱を捉えている。

「はっ‥ん‥ああっ‥」

先走りで十分過ぎる程濡れた所に、遠慮なくロンの長い指が絡みつく。

その指の動きに合わせる様に、切なげな吐息が、ドラコの唇から絶えず漏れて止まらない。

 

「ねえ‥呼んでよ、僕の事‥」

ドラコの耳元に唇を寄せて、囁かれる、掠れたロンの声。

囁かれた所から、ぞくりと広がる甘い痺れ。

ロンの手は、休む事無くドラコの欲情を追いたて続ける。

快感で潤んだドラコの瞳を、少し不安げなロンの瞳が覗き込んだ。

そんなに情けない顔をしなくても、何度でも呼んでやるのに‥と思ったら可笑しかった。

くすり、とそれに微笑み返して、ドラコは喘ぎ混じりに、呼んでやった。

「‥はっ‥ロ、ナルド‥、‥んんっ‥あ、‥ロンっ‥」

 

不安を掻き消す様に、ロンの指が攻め立てるので、ドラコの声は切れ切れだった。

それでも、安心した様にロンが微笑んだ。

ドラコはそれが愛しかった。

「やっ‥は、ああっ‥」

ロンが包み込む様に、ドラコのモノを扱いた刹那、先端から白濁の欲望がロンの掌に吐き出された。

短く息を詰めて、ドラコはロンの肩口に顔を埋めて絶頂を迎えた。

頭上から、楽しそうなロンのくすくす笑いが聞こえる。

 

「ドラコ‥かわいい‥‥いてっ‥」

ロンにそんな風に言われて、照れ隠しにか、ドラコがロンの肩口に歯を立てた。

先程自分で施した愛撫で、ロンの首筋は赤い印だらけだったので、恥ずかしさも相成って‥思わず噛んだ。

ロンが眉を顰めたのは一瞬で、直ぐに「ごめん」と囁いてキスを降らせる。

「‥ロン‥」

キスの合間に掠れた声で、潤んだ瞳で、濡れた赤い唇で、ドラコが更なる快感へと妖艶に誘った。

 

ズボンを下着と共に取り去って、露になったドラコの下半身に、ロンの喉がゴクリと鳴った。

白い肌と細い腰、しなやかな足が、ロンの欲情を激しく掻き立てる。

この色気‥同じ年の、しかも同性とは思えない‥犯罪だ。

ロンは、先程掌に受け止めたドラコの快感の証を、舌で清めた後、濡れた指を奥の入り口へと忍ばせる。

「辛かったら‥言ってよ?」

掛けられた労りの言葉に、ドラコが首を振る。

早く、熱が欲しかった。

撫でる様に、ロンの指がソコに触れると、既にもの欲しそうにひくついていた。

「‥ドラコって、‥もしかして、初めてじゃないの?」

慣れた反応を示すドラコの身体に、小さな疑問が芽生えてしまって、思わずロンはそう聞いてしまった。

 

「‥そんな訳無いだろう‥何度も言わせるな、僕は君が‥ロンが好きだったんだ‥」

心外だ‥と、ドラコが拗ねる。

「‥それに、君だって‥ポッターとそういう関係じゃなかったのか?」

拗ねるついでに、普段から危惧していた疑問を聞いてみた。

いつも一緒にいて、同じ部屋で生活していて、自分だったらとても欲望に抗えない‥。

自慰行為所か、眠っているロンに襲い掛かってしまうだろう‥。

今日みたいに‥。

 

「違うよ‥、僕だってずっと‥ドラコをそういう目で見てたって‥言ったでしょう?」

言いながらロンは、指を一本ドラコの中へと差し入れる。

ひくついたソコは、十分に濡れたロンの指を抵抗無く受け入れた。

「あっ‥ひいあっ‥」

突然挿入された指を、ダイレクトに中で感じてドラコは背を逸らした。

その背を空いた片腕で優しく受け止め、ロンは指を中で蠢かす。

ドラコの唇から、絶え間なく喘ぎが漏れる。

その声は酷く甘美で、ロンの理性は欲情に溶けてしまう。

ロンは指を何度も抜き差しし、本数を増やして中で蠢かせ、ドラコを乱れさせた。

快楽に溺れる様をもっと見て居たかった。

 

やがて、ドラコの中から指が引き抜かれる。

「‥いっやっ‥あっ‥」

それまで、与えられる快楽を夢中で貪っていたドラコが、突然の喪失感に喘いだ。

彼の内部も、名残惜しそうに、ロンの指を追いかけてひくついた。

そして、あてがわれる熱の塊。

「‥力抜いていてね?‥」

汗ばんだドラコの額に口付けながら、ロンが言う。

それに、ドラコは目を閉じて頷いた。

それを確認してから、ロンはゆっくり腰を進めていった。

 

「はぁ‥うんっ‥あっあっ‥やっあん‥」

じゅぷり、と淫猥な音を立てて、ドラコの中に進入を始めたロンの欲望は、

ゆっくりと、確実に奥へと進む。

散々馴らされたので、ドラコに痛みは無かった。

あるのは、熱と、内部を擦る異物感。

そのどちらも、ドラコを快楽の波に狂わせるには十分だった。

単調な刺激に焦れた腰が、勝手に揺れだす。

 

「‥本当に初めてなの?ずいぶん積極的だけど‥」

くすくすと笑って、ロンが掠れた声で囁く。

その声が、あまりに官能的に聞こえて、ドラコの背筋に鳥肌に似た感覚が走った。

びくりと身を震わせた拍子に、内壁が収縮し、ロンを締め付ける。

「‥もっ‥いいからっ‥動‥けっ‥」

焦らしているとしか思えない、ロンの行動と台詞に、ドラコの我慢は限界だった。

濡れた瞳をロンに向けて、薄く開いた唇からは赤い舌が覗いていた。

「‥じゃあ、動くよ?手加減は‥出来そうにないからね‥」

最後に小さくごめんねと呟いて、ロンは腰を深く打ちつけた。

 

「あああっ‥あっ‥ロンっ‥いっぁ‥」

激しい律動に、ドラコは必死で腰を揺らし、ロンの背中にしがみ付く。

ロンの穿つ熱が、身体の奥の奥まで届いて蕩けてしまいそうだった。

「あっ‥ロン‥もっと、‥あっ‥いいっ‥」

あられもない姿を晒し、官能的な言葉で相手の欲情を煽る。

快楽からか、生理的にか、何時の間にかドラコの頬を涙が伝っていた。

ロンの舌がそれをすくって舐め取っていく。

そんな些細な刺激にも、敏感になったドラコの身体は反応を示す。

舌を覗かせて、口付けをねだった。

 

「んっふ‥んん‥ふう‥」

互いの舌が絡み合い、口の端から唾液が伝う。

下半身は繋がったまま、本能的な動きで快楽を追う。

抱き締めたいのか、愛撫なのか、お互いの手が相手の素肌の上を、思い思いの方向へと滑っていく。

首筋を、背骨の上を、胸の飾りを、腰の周りを、這い回る指が与えるのは、ただ快楽のみ。

何度も確かめる様に舌を絡ませ、指で素肌を弄り、腰を振る。

まるで、野生の動物の様に二人は愛し合った。

何度も絶頂を迎えて、吐き出された白濁の液体を舐め合い、更に深い繋がりを求めた。

お互いの深い欲求を満たすまで。

 

 

朝、目が覚めたら、親友の姿が何処にも見当たらなかった。

昨晩一緒に起きて居ようと約束したのに、先に寝入ってしまった自分に腹を立てていやしないかと、

ハリーは焦りを感じながら寮内を、親友ロンを探して回った。

結局、見つからず焦りばかりが募っていく。

もしかして、ロン相当怒っているのかも‥。

そう思ったら、一刻でも早くロンを見つけ出して謝らないと‥という思いが一層強くなった。

 

無駄だとは思ったが、早朝の人気の無い校舎内を探して回る事にした。

何かしていないと、落ち着かなかった。

そして数十分後、意外な所でハリーは親友を発見する事になる。

しかも、ここで親友が何をしていたのか一目でわかってしまうような状況で‥だった。

そこはなんと、変身学の教室。

 

ハリーは扉を開けた格好のまま、唖然として固まってしまった。

喉が引き攣って、声も出なかった。

「‥‥‥」

ハリーは、幸せそうに寝息を立てている二人を起こさぬ様に、静かにドアを閉めた。

廊下に出て、とんでもない状況を目撃してしまったせいで、早鐘の様に高鳴る鼓動を静める事に専念しなければならなかった。

そして、「マクゴナガル教授が不在だからって、大胆すぎるよ二人とも!!」と叫んでしまいたい気持ちを必死で堪えた。

何のきっかけで、二人がこんな事になったのか、ハリーには知る由もない。

ただ、親友が心の内に秘めていた切なる想いと苦悩を、一番傍で見てきたハリーは二人の邪魔だけはしたくなかった。

「あてられちゃったよ‥もう!」

溜息と共に、ハリーからそんな台詞が零れた。

 

幸いな事に、今日は休日。

授業がなくて、本当に良かったとハリーは思った。

そして、それから数刻の間、魔法界の英雄は親友と、憎たらしいスリザリンの同級生の幸せの為に、

扉の前に座り込み、何人たりとも近付けなかった‥。

 

後に双子のウィーズリーは、その時の状況を

「「‥あんなハリー見たことない!!マジ死ぬかと思った!!」」

とステレオで語ったと言う。

 

ちなみに、起き抜けのバカップルはハリーの存在に気付かず、そのまま情事に傾れ込んだとか、していないとか‥。

どちらにしても、約束を破って先に寝てしまったハリーの払った代償は、とても大きかった。

 

 

 

終わらせて下さい(笑)

ええと‥もう、何も言う事ありません。

切ない話を深月に求めたのが、そもそもの間違いだったんです。

無理!!そして、無理!!

もっと、大人の濃い官能小説を書ける様になりたいです(笑)

ハリーの鬼畜攻めとか、いつか書いてみたいです。えへ←逝け。

2004・02・04 チヨ・ミヅキ

 

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