『もっと頑張れ、少年少女』

「弟の一樹がぁ……、電気あんまさせてくれないのぉ……」
「……ふぅん」
 放課後の教室、葉子の相談はあまりにも間抜けだった。私はこんな会話は早く切り上げたかったが、葉子の方ははいたって真面目らしく、今にも泣き出しそうな潤んだ瞳で私を見ていた。…………逃げてぇ。
「なんでだろ……、あんなに喜んでたのに……。いつも楽しそうに笑ってたのにぃ……」
「単に弟くんに常識がついただけじゃないの?」
「あたし一所懸命やったのにっ! とても気持ちよさそうだったのにぃっ! ねぇっ! 一樹、あたしのこと嫌いになっちゃったのかなぁっ!?」
「人の話を聞けぇっ!!」
「いやあぁっ! 一樹に嫌われたくないよぉっ!」
 ……たかだか人生十二年しかやってないが、こんなにかみ合わない会話は、いままでお目にかかったことがない。
「貴理子ちゃん、お願い! 手伝って! 一樹があたしを好きになるようにして!」
「知るかっ!!」
「でもみんな、貴理子ちゃんにいろいろ相談してるじゃない? 貴理子ちゃん、それを一つ残らず解決してるじゃない?」
 ……そうなのだ。『相談役』、それがこのクラスでの私の役割だ。
 私は周りに大人が多いので、ちょっとだけ精神年齢が他の子より高い。自然に、みんながいろいろ悩みを持ちかけてくるようになってきた。まあどのクラスにも、一人くらいはこういう奴がいるものだ。
 でも、悩みなんてモノは人に話せば解決することがほとんどだ。別に聞くのが私である必要は無い。私に物事を解決する力なんて本当は無い。
 ……いや、だいたいこの相談はなんだ? 電気あんま? なにそれ?
「お願い……、貴理子ちゃん。一緒にウチに来て……」
「やだ、めんどい」
「来てくれなきゃ……、あたし死んじゃう!!」
「痛くも痒くもないね」
「……じゃあ逆にする。ずっと貴理子ちゃんの側から離れない。一生つきまとう」
 ……あれ、意外と頭いいな、こいつ。



「あ、いらっしゃいませ」
 迎えに出てきた件の弟、一樹くんを見て私の疑問は一つ氷解した。
 なんで、葉子はあんなに弟にラブラブなのか?
 ……かわいいのだ。この弟くんは。
 葉子によく似ている。ただサイズが一回り小さいので、『かわいい密度』もギュッと凝縮されてる感じだ。
 なんか見ているだけで撫でたくなってくる。子猫ライクな可愛らしさだ。
「あ、一樹。お姉ちゃん達お部屋に行くから、後でお茶持ってきて」
「はーい」
 一樹くんはそう言うと、とっとこと台所に向かった。
 私は今の葉子の言動や表情が、少し気になった。
「あのさぁ、一樹くんに接する態度って、いつもの葉子と違うね」
「え、……そうかな?」
 自分で気づいてないのかな。少し『いじめっ子モード』になってたよ、葉子。
 私たちは二階の葉子の部屋に向かった。

「で、どうすんの。私はここに来て何をすればいいの」
 私は差し出された座布団に腰をかけながら聞いてみた。
「……どうしようか? あたしはノープランだよ」
「ふざけるなっ!」
 思わずテーブルを叩いてしまった。それは意外に頑丈で、私の手の方が痛くなった。
 痺れた手を振りながら、私は葉子に尋ねる。
「……っていうか、そもそも電気あんまってなによ。なんで姉弟でそんなことしてるの?」
「昔からだよぉ。一樹とはふざけ合って昔からしてたの。笑いながらイヤイヤ言うのがかわいいの」
 それは、かわいいだろうなぁ……。
「でもこの間したらね、泣き出しちゃったんだよ、一樹。いままでそんなことなかったのに……」
「はぁ……」
 その時、ドアがノックされ一樹くんが中に入ってきた。
 お盆の上には湯飲みが二つ。持ってきた一樹くんはちょこんとドアの前に立っていた。そのなんでもない仕草も、この子がやるとえらくかわいかった。
 なんというか、私はこの子に興味がわいた。一樹くんを見ていると、なんかドキドキしてしまうのだ。
「……やってみようか、葉子」
「えっ?」
「はぁ?」
 姉弟は同時に疑問の声を上げたが、私は構わず行動に移った。

 私は一樹くんの後ろに回り込んで羽交い締めにした。そのまま全体重をかけると、一樹くんは簡単に床につぶれた。私をソファーにして、一樹くんがそこに寝そべっているような体勢になった。
「ほら、葉子。足持ちな」
「あ……、う……うん」
「え、ちょっとお姉ちゃん達……、なにすんの?」
 私は一樹くんの耳元でそっと囁いた。
「一樹くんが泣いちゃうくらい、大好きなことをするんだよぉ……」
 一樹くんの体が硬直した。そして、次の瞬間大声を上げて暴れ出した。
「やだ! やだやめてよ! それ嫌なのっ! 嫌ぁ! やめてぇ!」
 手足をばたつかせて、体をよじろうとする。でも、私はガッチリ上半身を極めちゃっている。一樹くんの体はほとんど動かない。
「いいよ、葉子。やっちゃいな」
「でも……、一樹が嫌がってるよ?」
「いいから! やっちゃえばわかるよ、一樹くんがなんで嫌がるのか」
 私には少し当たりがついている。一樹くんが電気あんまを嫌がる理由……。
 私は、『それ』を見たいと思ってしまった。
「うん、じゃあするね」
 葉子は一樹くんの暴れる足をうまくいなし、股間に自分の土踏まずを押し当てた。そして、小刻みに膝を震わせ始めた。
 ブルルッ! ブルルルルルッ! ブブブブブブウウゥッ!
「やあぁ! やだぁ、やめてお姉ちゃん! お願い、やめてぇ! 離してぇ!」
 私たちは一樹くんの抗議をいっさい無視した。こうして、二人がかりの電気あんまは始まった。
 始めは少し躊躇していた葉子も、時間が経つにつれ足の力を徐々に強めていった。その振動は私にも響いてくる。
 一樹くんは笑うどころか声を出すことも拒絶した。ただひたすら、この拷問に耐えようと目をつぶった。
 だが、股間の強制的な刺激を、男の子がいつまでも耐えられるはずがない。
「…………はあっ、あっ……、あぁ…………、はあぁっ……、はあっ……、うあぁっ……」
 一樹くんの呼吸は少しずつ荒いものになっていった。やがて、その中には嗚咽らしいものも混じり始めた。
 私はその潤んだ目をのぞき込んでみる。この子は横顔も、とてもかわいい。
 頬が赤い。見れば耳の中まで赤くなっている。顔はしわくちゃで、何かを必死にこらえている。
 そして、唾液もうまく飲み込めないのか、口からは一筋のヨダレがこぼれている。
「うああぁ……、いやだぁ……、やあぁっ! やああぁ! ……やだあぁ!!」
 切羽詰まったような言葉が吐き出される。葉子の足の振動ではない、一樹くん自身の震えを私は感じる。
 葉子は、さっき一瞬見た『いじめっ子モード』の表情になっている。何か卑しいモノでも見るように、一樹くんを睨んでいる。
 これが、一樹くん用の葉子なのだろう。好きな子を虐めてしまう、私たちの年頃ではよくある心理だ。対象が弟なのは異常だけれど。
「一樹くん、気持ちよさそうだねぇ」
 私は一樹くんの耳元で、意地悪に囁いた。そして、耳の中の産毛が逆立つように、そっと吐息を流し込んだ。
「ふああぁっ!」
 一樹くんが肩をすぼませて震える。感じてる。この子、間違いなく感じてる。
 目には涙がにじんでいた。お腹が大きく上下し、呼吸のリズムが不規則になっている。
 葉子は一心不乱に足を震わせている。そこに慈悲はない。ただひたすらに一樹くんを追いつめる。
「許してぇ……、駄目なのぉ……、これ以上されたらぁ……、駄目だよぉ……、駄目だよおぉっ……!!」
 もう一樹くんの手は暴れていない。ただ拳を限界まで握りしめ、ブルブルと胸の前で震わせている。まるで赤ちゃんみたいなポーズだ。
 発作的にあごが反り返り、頭が私の肩に押しつけられる。サラサラの髪が私の頬を撫でる。いい匂い。
「ふぅ、ふぐううぅっ! うああぁっ! だぁ、駄目ええぇっ! いやああぁっ!」
 もう、限界が近いらしい。私はもっとこの子を気持ちよくしてあげたかった。だから、葉子にこう言った。
「葉子、蹴っちゃって!」
 私の指示に、葉子はためらうことなく従った。踵で、一樹くんの股間を思いっきり蹴り上げた。
「うがあぁっ! ……あぁっ、うあああぁぁっ!!」
 ビュルン! ビュク! ビュウウゥッ! ビュキュン! ビクッ! ビクンッ! ブビュウウゥッ!
 一樹くんは背筋を反らしながら、大きな声を上げて、イってしまった。
 ビクビクと全身で痙攣している。何回も、何回も……。同じ回数だけ、ズボンの中では射精してしまっているのだろう。そういうのは、密着させた体から伝わってくる。
 私も、なんだかとても気持ちよくなってしまった。
 そして、長い痙攣が収まると、一樹くんは泣き始めた。
「うぅ……、うあぁ……、うわああぁぁ……、あああぁぁっ……」
 その声が耳に入ったとたん、葉子は我に返ったような表情になり、足の振動を止めた。
「あ……、あぁ……」
 葉子も震えている。一樹くんが泣き出した理由に気がついたらしい。
「わかる、葉子。一樹くんがどうなっちゃたのか。精液出しちゃったんだよ」
「嫌ぁっ! 言わないでぇ! 違うよ、僕、そんなことしてないよぉっ……!!」
「こんなにズボンをグシャグシャにしといて、説得力ないなぁ」
「うぅ……、うあああぁっ!!」
 葉子は私の上で泣き続ける一樹くんを見て、青ざめている。
 私は、一樹くんが気に入った。この子はいい。とても可愛い。……だから、こう宣言した。
「葉子、一樹くんを私にちょうだい」
「……え?」
「この子いいよぉ。私が欲しくなっちゃった。ねぇ、いいよね」
「だ、駄目に決まってるじゃんっ! なに言ってるのよ貴理子ちゃんっ!」
 私は葉子にかまわず、一樹くんの耳たぶを甘噛みした。一樹くんは小さく呻く。
「なっ……!」
「動かないで、葉子」
 一樹くんの足から手を離そうとする葉子を、私は牽制した。
「それ以上私に近づいたら、一樹くんの唇にキスする」
 我ながら馬鹿げた脅迫だが、葉子は止まった。私たちは人質犯と交渉人よろしく睨み合った。
「いいから、葉子は電気あんまを続けて。ほら、一樹くんをもっと気持ちよくしよう?」
「で、でも……」
「いいからっ!!」
 私は怒鳴った。葉子は躊躇しながらも、再び足を動かし始めた。
 一樹くんは歯を食いしばりながら、鼻をすすっている。やっぱりこの子、とても健気だ。
「葉子、あなたはこの前の電気あんまで、一樹くんが射精したことに気づかなかったのね。自分勝手に弟を虐めて、泣かれても何が起こったか分からなかった……。それでも、一樹くんが好きなんて言えるの?」
「……う、うぅっ」
 葉子は何かいいよどむが、私の口は止まらない。
「だいたい、弟が好きって悪いことなんだよ。知ってる? 近親相姦って言葉。血のつながった弟とは、恋愛なんてしちゃいけないんだよ」
 葉子の表情がどんどん険しいものになっていく。私を上目で睨みつける。
「あなたがどんなに一樹くんが好きでも、セックスはできない。意味は分かるよね」
「分かるよ、でも……」
「この子と恋人になる資格があるのは、私だけよ」
「……なによそれ! なんでそんなことっ……」
「少なくともあなたにその資格は無い。絶対に無い」
 私は一樹くんのシャツの中に両手を入れた。もう一樹くんは体に力が入らない。羽交い締めをはずしても私から逃げることは無かった。私は余裕で一樹くんの胸をさすり、乳首をはじく。
「うあぁ……、あぁ……、はあっ、はあぁっ、あああぁっ……」
 一樹くんが体をくねらせて悶える。下半身は足でなぶられ、上半身は指でいじられているのだ。たまらないだろう。
 私は一樹くんの耳元で甘く囁く。
「ねぇ、一樹くん。私を彼女にしてよぉ。そうしたら、もっと気持ちいいことしてあげる。バージンもあげちゃう。一樹くんが好きなこと、ぜーんぶ私にしていいよぉ」
「嫌あぁっ! やめて! 一樹にそんな事言わないでぇ! あたしが、あたしがするからっ!」
「あなたはできないの。お姉ちゃんの葉子には、そんなこと絶対にできないのっ!」
「やだああぁっ!!」
 葉子は絶叫する。ガラス窓まで震えそうな高音だ。
「やめて! 一樹をとらないで! 一樹はあたしのなのぉ! あたしが一番、一樹が好きなのぉ! 好きなのぉ! 好きぃ! 好きぃ! 好きいぃっ!」
 葉子の告白に合わせて、足の動きが大きくなった。これはおそらく、無意識の行動だ。
 葉子も頭は悪くない。自分の感情がいけないことだと理解している。だから、電気あんまでのコミュニケーションが今までセックスのかわりだったのだ。
 どんどん足の振動は強くなる。それは徹底的に一樹くんを攻め抜き、追いつめていく。
 私も合わせて、一樹くんの胸を揉みしだく。うすい胸板をグチャグチャに両手でかき回す。
「ああぁっ! あっ……、かはぁっ! うぐうぅっ……、うあっ! あがああぁっ!」
 一樹くんの声がどんどん大きくなっていく。甘い汗の臭いが、私の鼻孔をくすぐる。
「好きぃ! 一樹ぃ……好きぃっ! 好きっ、好きぃっ! 一樹ぃ、大好きいぃっ!!」
 葉子の目からはボロボロと涙がこぼれ落ちていた。狂ったように泣き叫びながら、葉子は一樹くんの股間を蹴り続ける。
 私も、まだふくらみかけの自分の胸を、必死に一樹くんの背中にこすりつける。とにかく全身で、一樹くんの官能をまさぐる。
 今の私たちは、大きな一つの波だ。次々と一樹くんに打ちつけ、理性の防波堤を打ち壊していく大津波だ。
 葉子の叫びと、一樹くんの喘ぎが重なっていく。私も頭がジーンと痺れてくる。……気持ちいい。とても気持ちいい。
 そしてついに、一際強い、とどめの一撃が一樹くんに打ち下ろされた。
 ドゴオォッ!!
「いぎいぃっ! うぅ、うああぁっ! あがああぁぁっ!!」
 ドビュウウウゥゥッ! ビュリュウウウゥッ! ビュキュルッ! ビュキュン! ビュリュウッ! ドビュウウゥッ!
 一樹くんは再び、大量の精液をパンツの中に吐き出した。そして、電気を通した蛙のようにビクビクと全身を震わせた。
 とろけた目に、だらしなく開いた口。カクカクと痙攣を続ける腰。これが姉の異常な愛情を一身に受けた少年の、なれの果てだった。
 葉子もその場に崩れ落ちた。床にへたりこみ、泣きながら一樹くんを見ていた。
 私は、一樹くんを静かに受け止め、少年の性のわななきをゆっくりと堪能した。
 ……私もイった。たぶん二人は気づかなかったけど。



「さぁ、一樹くん。私とお姉ちゃん、どっちを選ぶ?」
 ようやく動けるようになった一樹くんに、私は問いかけた。
「ちなみに、私もお姉ちゃんに負けないくらいに一樹くんのことが好きだよ」
 葉子はまだ、下を向いて静かに泣いている。涙が頬を濡らし続けている。
 ……一樹くんは私の方を向いて、お辞儀をした。
 それは「ごめんなさい」にも「ありがとう」にもとれる曖昧なものだった。
 要するに、私は一樹くんにフラれたということだ。
 一樹くんはそのまま葉子に近づき、キスをした。
 私は役目を失い、その場を去った。

 外はもう夜だった。私は冷えた空気で深呼吸し、家路を急いだ。
 私は最大限の努力をした。選択肢も与えた。これ以上できることは何もなかった。
 一樹くんの答えは始めから分かっていた。なにせ、射精して泣いちゃうくらいだ。そのくらい、一樹くんも葉子の事が好きなのだ。私を選ぶはずがない。
 それでも、二人が選んだ道はとてもつらいものだ。茨の道……? いや、地獄だ。
 あの関係が続いて、いくところまでいったら? それが誰かに露見したら? おそらく家族がバラバラになる。二人も永遠に引き剥がされる。
 ……本当に、あれでよかったのか?
 私は、夜空を睨んだ。
 無責任な星々や月が私を見ている。畜生、なんなんだよ。じゃあどうすればよかったんだよ!
 私も、ちょっと泣いた。……やっぱり、私は無力だ。



 翌日、教室に入った所を、葉子に抱きつかれた。
 葉子は「ありがとう、ありがとう」を言い続けて、また泣いていた。
 それをクラスのみんなが見ている。
 ……なんだよ、私を頼るな! もっと頑張れってんだ、みんな!
 まったく。……なぁ?

(了)

[投下 : 2chエロパロ板『ショタが電気あんまされて悶絶して射精しちゃうっ!』 2003年11月22日(111〜120)]

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