さて、サイトをご覧になっていただければわかるように、小鳥遊
は非常に本が好きです。とはいえ、サイトに出している文学作品を
全て読んでいるわけじゃありません（苦笑）。夏目漱石と太宰治は
好きですが。その程度です。それに理系ですし。文学部志望という
わけでもありません。
　で、まあ、こんな私が言うのもなんなのですが。どうしても気に
なったので言わせてください。
　ロリィタの心得について書かれているサイトさんはたくさんあり
ますね。私も色々回るのですが。その中で読書に触れていらっしゃ
るサイトさん、結構多いんです。
　で。気づいたこと。ロリィタファッションをするにあたって、某
作家さんを読めって言う人、どうしてこんなに多いのでしょう。

　――押し付けがましいじゃぁっ！

　読んでみましたが、どうしても面白いと思えませんでした。ファ
ンの人は否定しません。ですが「崇拝」まで達してる人は、ちょっ
と……ひいちゃいます。
　私にだって好きな作家さんは居ますし、人に勧めたりもします。
ですが「この服を着るならこの本は読め」という押し付けがましさ
が、崇拝している人の恐さ。あと、会話をしていて「えー●●さん
嫌いなのー、ロリィタやってるの信じられない！」などなど。

　中には、その作家さんの描写するロリィタさんの心理がロリィタ
としての心がまえに通じる、という主張をされる方もいるようです。
　しかし、ロリィタとしての心構えってそんなに思想的文学的なも
のでしょうか。
　邪道と言われても、似非ロリだと罵られても、私はロリィタは
「ただの」ファッションジャンルだと思ってます。

　ただし、教養としての読書は、ロリィタだからではなく、素敵な
女性になるために皆さんにお勧めします。とはいえ、現代のエンタ
ーテイメント小説を読むだけでは教養とは言えません。
　それはただの暇つぶし。もちろん、素晴らしい本も中にはありま
すよ。けれども、「教養として」する読書ならばやはり文学作品、
もしくは専門書。現代小説はどうしてもその次になります。
（あまりに数が多すぎて、良い本にめぐり合うのに非常に時間がか
かる上、話題として共有できることが少ないので「教養」としては
難しい位置付けになるのです）。

　ですので、もしもそのロリィタさんの崇拝されている作家さんが
気に入らない貴女。そしてそんな自分はロリィタ失格なのかもしれ
ないと思ってしまったことのある貴女。
　無理して読む必要はありませんし、失格でもありません。
　無理して読むくらいでしたら、よくモチーフとして使われる「不
思議の国のアリス」やロリィタの語源となった「ロリータ」など、
ロリィタさん同士の狭い社会から出ても、一般教養として通用する
本を読まれることをお勧めします。もちろん、これだって無理をす
る必要はないんです。
　ただまあ、わざわざ読むのであれば、ロリィタさん同士のお茶会
でしか通用しないような作家さんの本を読むより、もっと視野を広
げましょう。教養を増やしましょう。ということです。
　その作家さんの本を全て読んでいて他の本は何も読んでいない方
よりも、文学作品あるいは専門書をたくさん読んでいらっしゃる方
の方が、たとえその作家さんの本を一冊も読んだことがなくても、
教養深く素敵な女性だと思います。少なくとも私は。

　ちなみに、ロリィタファッションと言うものをしているという話
を人にした際、「ロリータっていう文学作品あったよね？」と言わ
れたこともあります。残念ながら私は未読でしたが、このときにす
っと会話が続けられれば素敵だったのに、と思います。（とかなん
とか言いながらまだ読めていない駄目娘；）

　ただただ、ファッションとしてのロリィタを追求するのみであれ
ば、ショップを回って、ネットサーフィンをして、素敵なコーデの
人を探し、参考にすれば良いんです。読書とロリィタファッション
に因果関係はありません。（ただし、内面のある素敵な女性になろ
うと思えば話は別。教養とされている本は読んでおきましょうね）

　そして、特定の作家さんを崇拝されている貴女。
好きな作家さんが居ると言うのは素敵なことですし、日々の潤いに
も繋がります。ですが、どうか行き過ぎないで下さい。行き過ぎて
いるのはごく一部の方なのですが。ロリィタをしている人がみんな
読んで当たり前の本だと思わないで下さい。言わないで下さい。
  そして何より、その作家さんの書かれるロリィタの世界が全てだ
と思わないで下さい。
  好きな作家さんがいるというのは本当に素敵なことです。
  その気持ち、読書への想い、大切にしてくださいね。

　どうかこれからも快適な読書生活を。