空と僕とのあいだに

 

 

 

 

ねえ、お願いだから還ってきて。

あなたの身体がこの世界のどこにもないなんて嘘だって否定して。

ねえ、振り返った時にいつもくれる笑顔をもう一度見せて。

ねえ……グレミオ…

 

 

「愛しています」と言ってくれたね。

それがどういう意味なのかわからなくて、僕は安易に「僕もだよ」と言って笑った。

あの時ふと見せた淋しげな表情が今でもこびりついて離れない。

 

淋しいと言えば側にいてくれたね。

眠れないと言えば、寝付くまで一緒にいてくれたね。

怖いと言えば、僕を背中にして庇ってくれたね。

僕は、余りにも弱かった。

 

一番近くにいて、誰よりも僕の事をわかってくれたね。

時にそれはくすぐったかったけれど、僕はとても嬉しかった。

……幸せだった。

 

紋章を怖がる僕を支えてくれたね。

誰よりも命を狙われていたのに。

僕には何も出来なかった。

扉を叩く事しか。

名前を呼ぶ事しか。

紋章を、呪う事しか。

何も出来ない自分を、呪う事しか。

 

 

あなたがしてくれた、あなたにとって当たり前の事が僕には必要だった。

かけがえのないものだった。

付き人とか、家族とか、そんなの抜きにして僕にはあなたが必要だった。

わかっていたけど。

 

 

―――あなたを失ってからこれほどまでに思い知らされて、涙が止まらないよ。

 

 

ねえ、浅ましいってわかってる。

できっこないってわかってる。

ねえ、お願い、側にいて。

グレミオがいないと生きていけない。

自分で死に追いやってしまったとわかっているけど。

 

 

ねえ、僕はあなたと同じ意味で、あなたを愛してるよ。

ねえ、だから還ってきて。

 

―――ほんの一瞬でいいから、この現実を忘れさせて―――

 

 

 

      あとがき

グレ坊…何というか、某踊り子がバグのせいで毎回仲間になってくれないため、いつもBD設定な坊っちゃん。

グレミオさん……あなた、俺の事嫌いでしょう?(謎)

 

 

 

 

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