Ruin

 

 

 

 

 

口に出して言えるほど僕は器用ではないし、
そう言えるような性格でもないから、
君には直接伝える事が出来なかったね。

 

―――冷たい言葉しか出てこない最低だった僕。

 

 


無愛想でつまらない僕だけど、
手を伸ばしたら届くような、
振り返ったらその笑顔が見えるような、
名前を呼べばすぐに返事が返ってくるような、
そんな近い位置に君はずっといてくれたね。

 

僕はそれが嬉しかったんだ。
君と会うまでは僕の周りはまるですり硝子の向こうを見ているようだったのに、
その世界に色がついたんだ。

 

―――それはまるで暗闇に差し込んだ光のように。

 


季節が変わるたびに色を変えていく景色に、
いちいち喜んでみせる君がいて、
そんな君が僕が気付かなかったものまで見せてくれたから、
僕にも時間というものの流れがわかるようになった。


―――今度雪だるまを作ろうって約束、どうしたらいい?

 

 


君がいなかったらどうでもよかったんだよ?


周りの事も。
僕自身の事でさえも。


この世界にいるのも悪くないと思えた。
それは君がいてくれたから。


 

 


でも君がいない世界なら、いらない。
そんな場所にいる僕自身も、いらない。

 

 

 


君がいなくなってしまってから、
時間の感覚が麻痺してしまったかのようで、
何時まで経っても僕の時計は動かない。
どれだけ目をこすってみても、
君が見せてくれた花の色は僕にはわからない。


―――君が望んだ君の居場所のあの桜は、色が変わってしまっていた。

 

 


何もかも君と会う前に戻ってしまったよ。


僕は1人で立っているようでそうじゃなかったんだね。
甘えたがりの君を甘やかしてるようで、
僕自身も君に甘えていたんだね。
君が作ってくれていた居心地のいい空間を、
僕はわかってたようでわかってなかったんだね。

 

―――だって僕はそれくらい君がすきだったから。

 

 


でもそんな優しい空間はもうない。


この広い世界の何処を探しても、
君ほど僕の事を理解してくれて、
君ほど僕を変えてくれた人はいない。
君ほど僕が必要としている人も。


だから、こんな世界はいらない。
君がいない世界なら僕はいらない。
君を守れなかった僕はいらない。

だから壊すんだよ。
君を奪った「世界」が憎いから。

君を守れなかった僕自身が憎いから。


 

 

 

 

「………だいすきだよ」

 

 

君がそう言ってくれた僕は、

君のためだけに存在していたんだって知ってた?

その言葉を言った僕は、

君のためだけに存在していたんだって知ってた?

 

 

 

 

 

 

 

もうすぐ君の所に行ける。

そうしたら僕は君がすきになってくれた僕に戻れるかな…?

 

 

 

 

 

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