TEA TIME

 

「ねえ、ビッキー。バナーまで飛ばして?」
「うん!じゃあ……」
とある昼下がり。

ユギをグレッグミンスターに迎えに行くというエンジュに半ば強引にパーティーに入れさせられた。

自分の転移魔法で先に行く、と言ったのにエンジュの涙目に負けてしまって。

仕方なく一緒にいるものの、ビッキーが唱えている瞬きの紋章のスペルがだんだんおかしくなっていって……
「……スペルが…」

「……えいっ!ってあ!!!」


指摘時、既に遅し。

転移独自の眩しい光から目を開けると、ある意味見慣れた部屋に自分はいて。

一つ、溜息をついた。

「……ルック…」
酷く驚いた部屋の主。まるで、自分を鏡に映したようにそっくりな。
「……何?」
「何?じゃないですよ……どうしたんですか?」
「……知らないよ。邪魔したね」
長居無用。
ルックはさっさと転移魔法を唱え始めたが…この部屋の主の視線に気づいてふと詠唱を止めた。


「だから何?」
「お茶くらい御馳走しますよ。それくらいならいいでしょう?」
「……僕行く所あるんだけど」
「……そんなに長く引き止めませんから」
そう言いながら既にお茶の準備を始めていて。

仕方なく、溜息をついてソファーに座った。

 

 

出された紅茶はこの地方で有名なもの。

一口飲んで、そう言えば彼が紅茶を煎れるのが得意だったのを思い出した。
……自分の方が上手い自信があるが。
「いまだにあなたの名前しかわからないんです」
「……よくそんな相手を誘う気になれるね」
「出切るだけ長く一緒にいて頂いたら思い出すかもしれないと思いまして」
そう言って彼は苦笑して。
「へえ」
とりあえずカップを空にした。
「御馳走様」
「……また来て下さいね」
「………さあね」

「……こうでもしないとあなたとは一緒にいさせてもらえないんですね……」


若き神官長は、跡に残された優しい風に吹かれながら自嘲気味に、微笑んだ。

 

 

      あとがき

もう二度と書かないササルク…ササライさんのキャラクターイメージが幻水2のまんまなのがいけないのかな……                    

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