「愛してるよ、フェイ」
君にだけ告げる言葉。
この時だけは真剣な表情と口調で話す。
でも、最近は君の表情が沈んだまま…。
どうして、曖昧に笑って返すんだ。
「マジ? 愛してるクルガン!」
どうしようもなくて、思わず相談していた相手はクルガン。
クルガンから、思わぬ返事が聞けて抱きついた。
「構わんが…」
クルガンが、オレを引き剥がして淡々と話す。
「その癖をなんとかしたほうがいいのではないか?」
「クセ?」
唐突に言われて、何のことか分からなかった。
「抱きつく癖と、誰彼と『愛してる』と言う癖だ」
「げ、それはマズイなぁ。気付かなかった」
「誤解されても、知らんからな」
「あぁ。んじゃ、フェイのこと宜しくな」
「あぁ」
相談に来たら、丁度ついでがあるとかで、フェイに話を聞いてくれるってことになった。
オレが、どれだけ訊いても教えてくれなかったから。
クルガンになら、何か話してくれるかと思った。
数日後、戻ったクルガンに会いに行った。
「なぁなぁっ!どうだった!!?」
「それがだな…」
クルガンが、珍しく言葉を濁す。
「勿体つけてねぇで、さっさと教えろよ」
「…話してくれなかったのだ」
「は?」
クルガンの返答に、思わず思考が止まる。
話してくれなかった?
なんで?
フェイのやつ、いっつも相談はクルガンにしてたのに。
なのに、今回は話さなかった?
「フェイ殿が言うには、こうだ」
なんだ、何か聞いてんじゃん。
「私に教えたら、シードにまで筒抜けになるから。だそうな」
…なんだよ、それ。
「よほど、お前には教えたくないらしいな」
「…こんなに、心配しているのに…」
「諦めろ。彼なりに思うことがあるのだろう」
クルガンは、それだけ言って部屋を出て行った。
オレは、クルガンの部屋に一人残された。
愛しているよ、フェイ。
それは、君にはもう届かない言葉?
こんなにも君の事を愛しているのに、君には届かない?
どうしたら、君にまで届く?
君に届くまで、繰り返したらいい?
君にだけ届けばいい想い。
君にだけ届けたい言葉。
これはオレの本気の想いだから、君にだけ届けばいい。
受け取ってくれるか、フェイ?
(了)
■後書き■
長いねぇ…。
長くてスミマセン。
ダラダラとした文章で(汗)
とりあえず、誕生日プレゼント2品目です。
お持ち帰りくださいな、くーちゃんvv
宥人しゃんに頂いてしまったのですvv
わざわざありがとうございましたvv
はう、シードさん……
シードさんが心配なさってるのはわかってると思うんですよ?
でも、そんなに、たくさん考えてらっしゃるの、
俺だったらお前聞けよって感じで言って貰わなかったら、全くわかんないです(鈍感)
坊ちゃんは言われたら嬉しいだろうけど、でも、
多分前みたいには喜んで答える事は出来ないんだろうなあと……
「そういうところ」がシードさんのいいところでありすきになったところの1つなんだろうから、
きっと余計に何も言えないままなんだろうなあと……
坊ちゃんに激しくかしゃいだ感想になってる(汗)
本当にありがとうございましたvv