「逢いたい気持ち」

 

 

 誰よりも逢いたい大切な人。

 この世の全てから守りたい、ただ一人の人。

 …きっと、君以上に愛することのできる相手は現れない。

 逢いたいよ、………。

 

 * * *

 

「シード、久しぶり!」

「あぁ、久しぶりだな」

 なんとか、久しぶりに休みを貰い、城下に下りてきた。

 そして、久しぶりの休みにやりたいことは、一人の人に会うこと。

 誰よりも大切で、誰よりも愛している人。

「ね、シード。今日はどこに行こうか?」

「そうだなぁ…。あぁ、あそこに行こう」

「あそこ?」

「着いてからの楽しみってな」

 笑って、そう言ってやる。

「また、それ?」

 すると、苦笑されてしまった。

「でも、その方が楽しみだろ?」

「そうだね」

 オレは、乗ってきた馬に二人乗りして、走らせる。

 目指す先は、あの思い出の地…。

 

「ここは…」

 着いた先に気がついて、驚いているようだった。

「オレ達の出会いの場」

「懐かしいね、シード」

「そうだろ? ここなら、落ち着いて話が出来ると思ってさ」

「話?」

「あぁ、大切な話があるんだ…」

 

 * * *

 

 この結果が、オレの愛。

 君が、これ以上に傷つくことはないだろうから。

 君を泣かせたくないための、自衛手段。

 きっと、傍から見たらただの逃亡者なのだろう。

 でも、何を言われてもこれ以上はどうしようもないから。

 知らないところで君が泣くのが、とても辛い。

 だから、こんな結果を招いた。

 

 何を言われようと、君のことを愛しているよ。

 君の事を愛する気持ちだけは変わらない。

 …だから、逢いたい気持ちだけが募っていく…。

 

 

(了)

 

 

■後書き■

えー…、とりあえず愛するくーちゃんに捧げものです。

そして、二部構成です。

続きはコチラへ。

 

第二部へ

 

 

 

 

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