エリート神話の崩壊

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トラ社長ニュース
■2003年6月22日
 
■(URL)
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu48.htm
筆者は東京でビルとマンションを持つ会社社長ということしか分かっていません。
猛勉強して東京大学に入る。
それは大変な努力である。そして中央官庁のキャリア官僚になって局長、次官になる。
それはほとんど奇跡に近い技だ。
年功序列といいながら次官にたどり着けるのは数百人のうちの一人だけだ。
そして局長、次官までたどり着けば、天下り先は引く手あまたで、特殊法人や公社公団を渡り歩けば数億円の退職金がもらえる。
それが現在の秀才達の成功の理想像だ。
戦後の日本の高度成長によって、大蔵官僚や通産官僚の名声は高まった。
日本にとって中央官庁のキャリア官僚は戦略を立てる参謀本部の役割を果した。
ところが90年代に入ると日本経済は変調をきたし始め、泥沼のデフレ不況は10年以上たっても脱する気配がない。
首相や政治家達も構造改革を連呼するのみで中身のない政治が続いている。
名声を誇った大蔵官僚たちもスキャンダルをCIAによりリークされて解体された。
いまだになぜ大蔵省をアメリカ式の財務省に名前を変えたのか分からない。
アメリカの制裁をちらつかせながらの逆襲に、日本の政治家も官僚もなすすべがなかった。
これで中央官庁のエリート神話が崩れ去った。
第二の敗戦といわれる所以である。
福井日銀はいまだに円高を防止するとしてドル買い介入を5月だけで4兆円もドルを買い続けた。
しかしその実態は、敗戦によるアメリカへの賠償金の支払いなのだ。
第一の敗戦といわれる太平洋戦争も、なぜ負けると分からなかったのだろう。
大本営の参謀本部には秀才中の秀才が集められ、戦略が立てられたはずだ。
日露戦争以後の日本の戦略は迷走した。
大陸への進出は戦略的に見て日本にプラスだったのか。
このような正解のない問題を突きつけられると、秀才達の限界が見えてきてしまう。
秀才達は正解のある問題には優れた対応能力を示すのだが。
日本が現在直面しているデフレ不況も正解のない問題だ。
利下げや金融緩和や補正予算といった手段はカンフル注射になるだけで根本的な解決策は見つからない。
戦略を立てるべき中央官庁の機能は停止してしまった。
小泉首相も経済戦略会議を作って在野の人材を集めているがこれもまだ機能はしていない。
この問題は教育問題から改革していかないと解決のつかない問題なのだろう。
記憶中心の教育から思考力を付けていく教育に変えていかないと、これからの日本は再び戦略が迷走して第三の敗戦を迎えることになるだろう。
そのようなことは文部省がとっくに言い出しているが、ちっとも改革された気配がない。
むしろ「ゆとり教育」などといった事を始めて子供達の学力は低下している。
 
 
 

audra


最終更新:2003年12月22日

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